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【ケロイド治療の話】②2度目の手術とズボラな私
さて、前回の記事を読んでくれた方にはお分かりかと思うが、私は極度のズボラでめんどくさがりだ。
まだ読んでいない方は、この後の話に続いていくので是非読んでいただきたい。→【ケロイド治療の話】ケロイドの発症~最悪な病院との出会い
さて、今回は2回目の治療について書いていこうと思う。
そして、ケロイドに悩む方に向けて声を大にして伝えたいことがある。
「絶対に治療をさぼるな!」
これは数年前の私にも言い聞かせたい言葉である。
上京物語
1度目の手術から1年ほど経ったころ、私は東京で一人暮らしを始めた。
なんでもあって眠らない町、東京。
まあ私が住んでいたのは閑静な住宅街といった趣の場所だったので、いたって普通に暮らしていた。
専門学校への再進学を理由に上京したが、その学校を3カ月程度で辞め、フリーターとしてふらふらしながらも楽しく暮らしていた。
楽しすぎて東京に住んでいることもケロイドのこともすっかり忘れていた。
そう、ここは東京だ。
医療だって最先端だろう。
頼れる病院はいくらでもある。
そう気が付いたのは東京に来てから3年ほどが経ち、就職のためにUターンする直前だった。
だが、この際東京に通って治療を続けていくのも悪くない。
何なら治療のついでに遊びに来られるなら良いものだろう。
私は、自分のいい加減な性格も忘れがちだ。
女医と都会と私
Uターン直前に駆け込んだのは、スクランブル交差点とけなげな犬の像で有名な都内某所のクリニック。
調べたところピアストラブルで有名らしいクリニックだった。
担当してくれた医師は30代前後の女性で、とても感じの良い先生だった。
1度目の治療でひどい目にあった事にも同情し、優しく接してくれた。
後から来た初老の上司らしい男性医師は「なんでもっと早く来なかったのか」と私を責めたが、担当医である彼女は「一度目でひどい医者に当たったのだから、治療をためらうのも無理はない」とかばってくれた。
とても良い先生だ。
そのころ私のケロイドは、ビー玉からピンポン玉大になっていた。
大きいので、軟骨側と耳たぶ側に分けて手術をすることになった。
ここで少し、当時の状況を整理しよう。
・手術は2回+経過観察
・Uターンのための引っ越し
・片道2時間の東京への通院
・私のいい加減な性格
ここで何が起こったか、察しの良い読者の方ならもうお分かりだろう。
治療をさぼるな!
結論から言おう。
私は治療をさぼったのだ。
手術は2回に渡ることになり、まずは耳たぶ側のケロイドを取ることになった。
1度目の手術をする頃には引っ越しもほとんど終わり、荷物はすべて実家へ送り、住んでいたアパートも解約していた。
これから東京へ通い、治療を進めていくことになっていた。
前回の一件があったので手術には正直不安もあったが、何事もなく終わり、次の日にはガーゼも取れてだいぶきれいになった。
取り除いたケロイドを見せてもらったが、ホルマリンに浸かったそれはまだ温かく、そしてとても大きかった。
もう、ほとんどピンポン玉だった。
自分の体にこんなに大きな異物をぶら下げて生きていたのかと思うと本当に驚く。
私は浮かれていた。
1度目の治療では耳の形が変わってしまい、その上きれいにもならなかったので、耳たぶの手術だけでも異物がなくなりずいぶんきれいになった2回目の治療にとても満足していた。
さすがは東京。
これでもう大丈夫。
これできれいになる。
そう過信していた。
2度目の再発と治療をさぼることのリスク
耳たぶのケロイドの切除が終わり、2回目の軟骨部分の手術に向けてまずは経過を見ていきましょう、ということになった。
1度再発していることもあり、まずは耳たぶの手術後の具合を見て、軟骨部分の治療を進めていこう、ということだった。
しかし、抜糸までに再発しなかったことに浮かれて、そこで満足してしまった。
抜糸後にやはり再発の兆しが見え、炎症止めの注射をしたが、ここでも私は大丈夫と高をくくっていた。
そのころの私は引っ越し後の疲れや、地元での生活を整えることに忙しくなりはじめた。
加えて、ひどくめんどくさがりでズボラだ。
察しはつくが、案の定、治療をさぼることになる。
1度治療をさぼると、さぼり癖が付く。
私はだらだらと通院を先延ばしにした挙句、フェードアウトした。
そのころにはもう、耳たぶの傷からケロイドが再発してきていた。
治療を放棄した罪悪感、良くしてくれた先生への申し訳なさ、やっぱり治らないんだという諦め。
すべてが私を自暴自棄にさせた。
先生には、本当に申し訳ないことをしてしまったと思う。
今更遅いが、とても反省している。
そして、現在の自分に対しても、申し訳なく思う。
これを読んでいるのは、おそらくケロイド治療を必要としている人、もしくは興味のある人だと思う。
ケロイドの治療には時間がかかる。
治療をさぼってしまいたくなる時もあるだろう。
ケナコルトの注射はとても痛いので、嫌になることもあると思う。
気持ちはすごくわかるし、私はさぼった結果このようなことになっている。
だから何度でも言おう。
「ケロイド治療は絶対にさぼるな!」
次回予告
2度目の再発。
日に日に大きくなるケロイド。
増していく痛みと痒み。
私はこれから3度目のケロイド治療を始めようとしている。
こうしてここに文字でまとめているのは、治療をさぼらないためでもある。
次回は3度目の治療を始めたことについて書こうと思う。
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