リスニング力もUPさせる、効果的な多読の方法
英語多読はリスニングにも大変効果が高いですが、これは英語の音声的側面を理解し、身につけるプロセスを自然に促すからです。
しかし、英語の音を正確に再現できる状態で読まなければ、多読によるリスニング力向上の効果は半減してしまいます。正確な音を頭の中でイメージしながら読むことで、英語の音声的な特徴が効率的に身につくからです。
この記事では、英語多読において英語の音を意識することの重要性を考えながら、英語多読がリスニングにどのように寄与するのかを具体的に説明します。
英語の発音を正確にする必要性
英語を正確に聞き取るためには、まず英語の発音を正確に再現できる必要があります。例えば、日本語にない母音や子音が英語には存在し、それらを正しく発音することで、耳がその音を捉えやすくなります。
多読を通じて多くの単語やフレーズに触れることで、発音記号や音節の構造に対する感覚が養われます。また、多読を音読と組み合わせることで、自分の発音とネイティブスピーカーの発音を比較しながら調整する機会が増えます。
こうしたプロセスを繰り返すことで、英語の音声がより明瞭に認識できるようになります。
おすすめの書籍は『英語耳』です。僕のコーチングでもこちらを使って学習を進めていただいていますが、とてもいい書籍だと思っています。
音声変化のルールを知る重要性
英語には、リスニングを困難にする音声変化のルールが数多く存在します。
例えば、単語が連結して発音されるリエゾン(linking)や、音が省略される脱落(elision)、音が同化する同化現象(assimilation)などが挙げられます。
これらのルールを知らないと、実際の会話で単語がつながったときに意味が分からなくなることが多々あります。「リスニングが苦手」とおっしゃる方は、発音よりも、この音声変化がわからないために聞き漏らしていることが非常に多いです。
音声変化のルールをきちんと学習した上で多読するようにすることで、耳からだけでなく目からインプットした情報でも効果的にリスニング力をUPさせることができるようになります。
イントネーションのルールを理解する意義
英語のリスニングにおいて、イントネーションは話者の意図や感情を理解する鍵となります。
英語は、文全体の意味や感情をイントネーションで補完する言語です。例えば、上昇調のイントネーションは疑問や不確定なニュアンスを示し、下降調は断定や完結を表すことが一般的です。
さらに、英語には機能語(例えば冠詞や前置詞)と内容語(名詞や動詞など)があり、それぞれが異なるイントネーションのパターンを持ちます。機能語は一般的に弱く発音され、イントネーションのピークは内容語に置かれることが多いです。
このリズムや強弱を理解することは、英語を正確に聞き取るために非常に重要です。
多読を行う中で、こうしたリズム感を持つ文章に触れることで、イントネーションの重要性を自然に学ぶことができます。また、朗読音声を活用すれば、ネイティブスピーカーのイントネーションパターンを模倣し、機能語と内容語の役割をより深く理解することが可能です。
結論
正確な「音」を意識しながら実施することで、英語多読はリスニング力向上に必要な発音、音声変化、イントネーションの知識と実践を効率的にサポートします。
多読を通じて、英語の音声的特徴を総合的に学ぶことができ、聞き取りの精度を劇的に向上させることが可能です。
これから英語を学ぶ方々には、単に読解力をアップさせるためだけでなく、多読をリスニング学習の一環として積極的に取り入れることをおすすめします。