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読書のベースは「本=人」

”知の巨人”

今回、紹介する本は、
出口治明(2014)『本の「使い方」』である。
私の目指している読書家であり経営者の1人だ。

ビジネスに携わっている方、
歴史好き・読書好きの方で、
出口氏を知らない人はいないだろう。

ビジネススクール時代にも、
出口氏の本をきっかけに沢山の方とディスカッションした。


この本で印象に残った3つの言葉を紹介する。

①教養を身につけるためには「人・本・旅」

島崎藤村が
「本を読んだり、話を聞いたりして得る知恵」
「他人との交流を通して、人から得る知恵」
「実際に体験して得る知恵」
を三智と呼んだように、私も、
・「人」から学ぶ
・「本」から学ぶ
・「旅」から学ぶ
の3つ以外に、教養を身に付ける術はないと考えています。

出口治明(2014)『本の「使い方」』角川oneテーマ21 29項

20代の頃、この本に出合って、
これなら行動できると思い、
先祖のルーツを辿ってみようと山口県の萩市に「旅」に行った。

ホテルや居酒屋で出会った「人」に、
同じ苗字の人が、萩にいるのか聞いてみたり、
萩博物館で資料を見て、
ここにしかなさそうな「本」を購入。

萩の旅をとおして「人・本・旅」を実践して思うことは、
10年以上も記憶に残っていることだ。
そして家族や友人に語れるエピソードになった。

②古典を読んでわからないのは、自分がアホだから

著者が大学時代に学ばれていた、
国際政治学者の高坂正堯先生から聞いた言葉である。

古典を読んでわからなければ、
自分がアホやと思いなさい。

一方、現代の本を読んでわからなければ、
書いた人間がアホやと思いなさい。

出口治明(2014)『本の「使い方」』角川oneテーマ21 79項

古典が難しいのは「時代背景が違うから」と説明がある。
例えば、私が感銘をうけた古典、
ローマの哲人皇帝マルクス・アウレーリウスの『自省録』岩波文庫。

時代背景を知らなくても読めるが、
ローマ帝国の本や映画とセットで読むと、
例)エドワード・ギボン『ローマ帝国衰亡史』
  映画『グラディエーター

なるほど、こんなに皇帝が入れ替わり、
この時代の人たちの生活があるなかで、
マルクス・アウレーリウスは、
第16代ローマ皇帝(五賢帝最後の皇帝)
として、自分でこう考えていたのだなと、
タイムスリップした気分になれる。

③本は、人

私にとって読書は、著者との対話であり、基本的にはいつも真剣勝負だと思っています。
人に会うときと同じで、こちらが真剣勝負を挑まなければ、相手からは何も返ってきません。

本を人に置き換えて考えると、わかりやすい。
普段、みなさんは、人の話をどのように聞いていますか?
上司や取引先の話を寝そべって聞く人はいません。気持ちを引き締めて、集中して聞くはずです。

出口治明(2014)『本の「使い方」』角川oneテーマ21 122項

本に対しても、人に対しても、
真剣に学ぶ姿勢は同じであり、
読書を通して、こうなってみたいと思う、
希望を持っていい。

なにげない日々の生活のなかでも、
『肩の力を抜いた真剣勝負』ができるのが、
読書の一つの楽しみではないだろうか。


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