広島平和記念式典 日本は条約参加早く市長が訴え 首相は触れず〜すべてがNになる〜



2024年8月7日【1面】

 広島市が6日、平和記念公園で開いた平和記念式典には被爆者、遺族、市民、国連や各国代表、政党関係者ら約5万人が参列しました。松井一実市長が平和宣言で、核兵器禁止条約の締約国となることを訴えたのに対し、岸田文雄首相はあいさつで「核兵器のない世界」をいいながら、核兵器禁止条約に言及しませんでした。
 松井市長は、核戦力増強、軍拡競争などに触れ、「希望を胸に心を一つにして行動を起こしましょう。そうすれば、核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことができる」と訴え。日本政府に対し、来年3月の核兵器禁止条約第3回締約国会議にオブザーバー参加し、「一刻も早く締約国となってほしい」と求めました。
 国連のアントニオ・グテレス事務総長のあいさつを中満泉軍縮担当上級代表が代読。核兵器とその使用の威嚇が現実世界で起きている脅威だと指摘。「脅威をなくす唯一の道は、核兵器の完全な廃絶だ」と述べました。
 原爆が投下された午前8時15分から1分間黙とうし、小学生2人が「平和への誓い」を朗読。この1年間で確認された原爆死没者5079人分の名簿が奉納され、累計34万4306人となりました。
 式典には市が招待したイスラエルの大使が参列しました。

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