密室協議に正当性ない武器取引反対ネットワーク代表 杉原浩司さん〜すべてがNになる〜
2023年12月18日【2面】
武器を輸出しないという大原則は、平和を求める世論や国会論戦を通じて日本の国是となったものです。平和国家としての大原則をわずかな与党議員による密室協議で完全に葬り去ろうとすることには何の正当性もありません。
2014年4月1日に旧三原則を撤廃してから、もうすぐで10年になりますが、この間に完成品の武器輸出が成功したのは、フィリピンへの三菱電機製の防空レーダー1件にとどまります。本来であれば、政策が失敗だったと総括して抜本的に見直すべきです。
ガザでは現在、イスラエル軍によるジェノサイド(集団殺害)という事態が進行しています。そこにはアメリカやドイツが武器を供与していて、多くの子どもを含む民間人の命を奪っている現実があります。ガザの惨状を見れば、日本製の武器で他国の人を殺傷するようなことになってはならないと思うのが人々のリアルな受け止めではないでしょうか。
憲法の前文は、世界の人々の平和的生存権を守ることを宣言しています。なおかつ憲法9条は武力による紛争解決を否定しています。この役割を果たしていくために、やはり武器輸出を禁止する政策に戻すことこそが必要ではないでしょうか。