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動物プランクトン 微小プラを“極小”に中米研究グループ 有害性増す可能性〜すべてがNになる〜

                         2023年11月17日【社会】
 動物プランクトンがマイクロプラスチックをより小さくすることがわかったと、中国とアメリカの研究グループが科学誌『ネイチャー・ナノテクノロジー』(9日付)に発表しました。水中に存在するプラスチックの有害性が増す可能性があるとしています。
 マイクロプラスチックは、大きさが5ミリメートル以下の微小なプラスチック。プラごみが紫外線を浴びるなどしてできます。研究グループは、水生動物もプラスチックを細かく砕く働きがあるのではないかと考え実験しました。
 使ったのは、ワムシです。世界の海水や淡水に2000種がすんでおり、「歯」と呼ばれる器官で食べたものを細かくします。
 実験の結果、ワムシは10マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリメートル)のマイクロプラスチック1個を、数千個以上のナノメートルサイズ(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)に砕いて水中に排出できることがわかりました。1日に約35万個のナノプラスチックを排出したものもいました。
 ワムシは、湖の水1リットル中に約2万3000匹いるという報告もあります。中国の江西省にある同国最大の淡水湖、鄱陽湖=はようこ(琵琶湖の約5倍の面積)に当てはめると、1日に1兆の13万3000倍個のナノプラスチックが排出されている計算になるといいます。
 研究グループは、プラスチックは断片化するほど表面積が増え、添加されている有害な化学物質の放出が促進される可能性があると指摘しています。

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