竹中工務店の偽装請負大阪地裁 原告敗訴の不当判決〜すべてがNになる〜

2022年3月31日【社会】

 大手ゼネコン・竹中工務店(大阪市)が再委託先の社員だった建築士の40代男性に直接業務の指揮命令をしたのは「偽装請負」だとして、男性が竹中などに雇用や賃金、損害賠償を求めた裁判の判決が30日、大阪地裁(中山誠一裁判長)でありました。判決は、原告の請求をすべて棄却しました。

 弁護団は「判決は、就労実態が二重派遣であり職業安定法違反の状態と認定した一方で、竹中の雇用責任は認めなかった。委託先の社員に指揮命令する『通常の偽装請負』の場合は発生する雇用責任が、子会社などを間にはさんだ『二重の偽装請負』だった今回は認められなかった」と説明。「派遣法40条の6による労働者救済が問われる事件だが、同法の行政解釈を形式的になぞっただけで救済する気のない反労働者的な判決だ」と厳しく批判しました。

 男性は「違法状態で働かせないでと何度も訴え、労働局の是正指導があったにもかかわらず、私が違法な状態をつくりだしていたとされたことが一番ひどい」と話し、控訴の意向を示しました。

 竹中は、メーカーから受注した大阪府内の工場新築工事の設計関連業務を子会社に委託。子会社は大阪市内の設計会社に再委託しました。男性はこの設計会社の社員として2019年8月から工事現場で図面作成業務に従事。竹中の課長から日常的に口頭やメールなどの業務指示・指揮命令を受け続けていました。


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