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中国国務院が2030年カーボンピークアウト達成までの行動方案を公開

10月24日に中国国務院から「2030年より前にカーボンピークアウトを達成する行動方案(中国語原文:2030年前碳达峰行动方案)」を公開しました。

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同方案に盛り込まれている内容は、日経新聞でも一部取り上げられています。

2030年のカーボンピークアウト実現に向け、2020年に16%の比率である非化石燃料の消費比率を2025年には20%、2030年には25%に持っていくという目標が掲げられています。

そこにプラスして、2025年には国内総生産あたりのエネルギー消費量を2020年比で13.8%削減させ、同じく国内総生産あたりのCO2排出量を同18%削減していくとしています。

また、2030年には2005年と比較し、国内総生産あたりのCO2量を65%削減するともうたっています。

この目標を見た時、「国内総生産あたり」というのが曲者だなと感じました。単純計算で国内総生産が毎年4%ずつ5年延びれば、13.8%のエネルギー消費量や18%のCO2排出量の削減というのは、実質増加していることになります。

2030年のカーボンピークアウト実現のためには、2026年から2030年の5年間はCO2排出量のより高い削減率が求められそうです。

一方、同方案の中で重点行動として、クリーンエネルギーの推進、工業、建設、交通機関などの低炭素化が挙げられているのですが、交通機関においては車だけでなく、電車、船、飛行機などのCO2排出削減、クリーンエネルギーの積極活用などがうたわれており、これら交通機関におけるクリーンエネルギーの利用率を2030年までに40%に引き上げていくことも目標とされています。

また、クリーンエネルギーの推進では、太陽光発電や風力発電のエネルギー総設備容量を2030年までに12億キロワット以上にしていき、水力発電においては2030年までに1.2億キロワットの規模にしていくことも目標として盛り込まれています。

その推進のため、太陽光発電においては「太陽光+」という取り組みを積極展開し、風量発電においては洋上風力発電の建設を積極的に奨励していくそうです。

今回の行動方案は10月31日から英国で開催される第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に向けたメッセージかとも思いましたが、一方で国家主席の習近平氏は同会議への欠席を決めたようです。

中国の2030年にカーボンピークアウト、2060年にカーボンニュートラルという「3060目標」が独自路線(≒独自ペース)で行くのか、欧米など海外と足並みを合わせていくのか、その観点からも注視していきたいと思います。

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