見出し画像

ワタシの知らない母の姿

ワタシは現在、母と暮らしています。
4年前 父が亡くなった事をきっかけに一人暮らしをやめ実家へ戻りました。
それ以来母とは、実に濃密な(!)時間を過ごしています。

ワタシはかつて結婚していた頃、相手の親と同居していました。
相手の親は、戦前のニッポンを代表するような方々で(笑)
嫁は「労働力」・嫁が実家へ帰る…なんて事はなかなか許してもらえなくて
ワタシの人生の中で「結婚していた時間」は、最も親と疎遠になりました。
自分も寂しかったし、親にも寂しい思いをさせていたと思います。

ただ、人生に与えられた時間の中で「親と過ごす時間」というものは
生まれた時に割当てられていて、何かのタイミングで辻つまが合うように
出来ているのかな?と思っています。
昨年3末で一旦仕事を退職し、今年1月に復職する迄の1年間は
朝の「オハヨー」から夜の「オヤスミ」まで、ずーっと一緒。
お互いに息が詰まりそうな位、濃密な時間でした。(2度 言いましたね 笑)
今は仕事に出ている為、一緒に過ごす時間は1日換算で約5時間でしょうか。
それでも、結構な時間ですよね。
この事については、結婚していた頃に会えなかった時間を
「今」取り戻している感覚があります。
これって、とても有難い事だなぁ・・・とシミジミ思っています。
たまに煮詰まって苦しくなる時もありますが(きっとお互いに)。

で。
共に過ごす時間が圧倒的に増えた事で、母の事は色々と分かっているつもり
でいたのですが
先日とてもビックリする事がありました。

母は週に2回 デイサービスを利用しています。
通い始めたきっかけは、3年前に母が骨折した事でした。
自力でお風呂に入れなくなり、入浴サービスの利用目的で通い始めました。
骨折は時間を経て少しづつ回復し、自力でお風呂に入れる様になりましたが
意外にもデイサービスが楽しかったようで、以来お世話になっています。
デイサービスに行く前日は、洋服選びと それに合わせたアクセサリー選びに
じっくり時間をかけているので
「本当に楽しみにしているんだなぁ」 と、実感します。
デイサービスには「連絡帳」なるものがあり、毎回施設のスタッフさんから
当日の母の様子 或いは 気になった事があればそれを書いて頂いています。
正直 これまであまり読んでいなかったのですが、先日ふと読んでみた所…

 ①午前中からご自身で決められた事をきちんとこなしておられる
 ②午後は製作活動(デイサービスの壁面構成等)を熱心に取組まれている
 ③他利用者に対し、分け隔てなくお話されている
これらを通し、職員も頭が下がります。 … との事

これらを読み、思わずワタシも頭が下がりました。
①~③はワタシも同じような事が出来るようになりたくて、日々の生活
(主に会社で)においてとても気を付けて取組んでいる事柄に
ピッタリ当てはまるのです。
①は、タスクに優先順位をつけて効率良くこなす事
②は「今ここ」に集中する事
③は、日々「スタッフ全員と話をする」事を意識している事

家では とぼけた事を言う / 人の話を聞かない / 物忘れが多い ・・・と
ついつい母に対しては厳しい目線を向けがちな自分がいるのですが、
いやいやワタシ、何言ってんの! 母ってすごいやん。
ワタシが「なりたい自分」とイメージしている姿を、フツーに体現している
ではないの。
「家」って そもそもが油断出来る場所であり、リラックスできる場所・・・
素の自分でいられる場所。
ワタシも会社での自分とは全く違って(気合が抜けて)フニャフニャやし。
家の母だけを見て、あーやこーやと考える事自体が失礼だと思いました。
反省と共に、本当に嬉しい方向での発見でした。

介護という面から考えると、ネガティブな面ばかりが目立ちがちだけど
少し欲張る事が出来る状態なら、お互いにずっと一緒では息が詰まるから
デイサービスへ行ったり、ワタシの場合ならば仕事へ出たりする事で
距離をおける時間を持てるなら、ガチガチに固まりがちな間柄も
お互いに緩める事が出来るなぁと思いました。
そして何より! まだまだ母の背中は遠い…という事がわかりました。
また、今から精進いたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?