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約30年間にありがとう(前編)

久しぶりのホテル泊

 先日のこと、妻と栃木県宇都宮市のホテルに泊まった。JR宇都宮駅の近くのそこそこ名の知れたホテル。宇都宮に縁ができて30年近くになるが,ここでホテルに泊まるのは2回目で約30年ぶり。妻は初めてのこと。だから夫婦で宇都宮のホテルに泊まるのも初めて。

 当時付き合っていた彼女(いまの妻)と結婚することを決意し,彼女の両親に挨拶をするために両親の住む宇都宮に初めてやってきたのが,もう30年近くも昔のこと。
 奈良市に住む僕が日帰りで宇都宮まで行くのはなかなかタイトで、ゆっくり話もできないし親睦も図れないからと、妻の両親が宇都宮市内のホテルを手配してくれた。僕が宇都宮でホテルに泊まったのはこれが初めて。

 なんとかご両親のお眼鏡にはかなったようで無事に結婚も決まり、それからは両親の家に泊まらせていただくのが常となった。こぢんまりして広くはないけど、とても陽当たりの良い平屋の家はとても居心地が良くて、ゴールデンウィークや夏休みや年末年始など、宇都宮に行くのが定例のイベントとなった。長めの休みが取れれば、宇都宮の両親の家に行くのが楽しみとなった。

子供のころの夢

 子供のころ、夏休みに「田舎に行く」と言う友達のことがとてもうらやましかった。父は長男で当時は祖母(父の母)と同居していたし、母は両親を早くに亡くしていたので、いわゆる「田舎」というものが僕にはなかった。そんな僕にとって宇都宮の両親の家は、まさに憧れていた「田舎」そのものといえる存在となった。子供のころの夢が大人になって妻と出会ったことで叶ったのだ。
 そして、この「田舎」は自分の実家よりもずっと居心地が良い。それは義父と義母の存在によるところが大きいのはいうまでもない。
 「田舎」が欲しいという僕の夢が叶って、その嬉しさはだんだんと大きくなって、宇都宮の家のことがどんどん好きになっていった。

後編に続く

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