UX設計のプロセスは、ビジョンから始めよう
UXのプロセスを始める前に、ミッション・ビジョンについて、よく時間をかけて議論していますか?
ユーザーリサーチや、ペルソナ・シナリオ等の制作から始めていませんか?
スキップされがちなミッション・ビジョン
UXデザインの勉強を勉強しようと思った時に
まず読むべき教科書的な本がいくつかあると思いますが、それぞれを読んでいて思うことがあります。
これらの本は「僕らはなにを成し遂げたいか?」についてはすでに決まっている前提で、その先のハウツーを語る本が多いと感じています。
しかし、それらのハウツーを導入する現場は「僕らはなにを成し遂げたいか?」(=ミッション・ビジョン)について、本当に考え尽くすことが出来ていると言えるでしょうか?
残念ながら多くの現場では、「何を成し遂げたいか」が無い(またはよく議論されていない)ことに気づかず、これらのUXの「手法」から着手し、行き詰まる例が多いと感じます。
これは非常に残念です。
これは、もしかすると日本だけの問題なのでしょうか?
欧米では「ミッション、ビジョンがない」状態でモノ作りしてるなんてチャンチャラおかしいのかもしれません。
そもそもにして、日本の会社組織の成り立ち的にミッションステートメント中心ではなく職能で細分化されがちな現状があるのかもしれません。
なぜミッション、ビジョンが必要なのか
UXを設計しようと思った時に、まずユーザーリサーチから入るチームが多いのではないでしょうか?
経験上そういうチームは、「結局なにを作ろうか?」かで行き詰まるケースが多いと感じています。
上記のどのフレームワークも、あくまで「解決したい課題」ありきなのに対し、
「僕たちの本当に解決したい課題はなんだろう?」は教えてくれないからです。
世界中の課題は無限であり、全ての検証は不可能
マーケットを調査してどんな課題があるか?を整理している段階はまだUX設計のプロセスではなく、
起業家が起業のタネを見つけている段階に近いと考えています。
そういった課題のタネは世の中には無限にありすぎてUXの設計プロセスでは整理することが出来ません(出来たとしても無限個から取捨選択し、選択することは非常にコストがかかります。)
僕らが情熱を傾けることができる課題は何か?
"僕たちがこの有限な人生を消費して、情熱を割くに値する課題はなんだろう"
この問いに答えられる課題を、
「今そこにいるメンバー」で必死に考えてみてください。
そこには、ユーザー調査もペルソナもシナリオも必要ありません。
まずは、そこに集まったチーム全員が、想像するだけでワクワクしてしまうような未来について話し合いましょう。
「とりあえずなんでもいいから課題を決めろ」と言っているのではありません、"モチベーションを保てる"という点については妥協してはいけません。
モチベーションというパワーは、皆さんが想像しているより遥かに事業を推進する上で大切なパワーです。
間違った仮説を立てるのが怖い
仮説を立てる段階で、間違っていたらどうしよう?そこにニーズが無かったらどうしよう?と怖くなる気持ちはわかります。
安心してください。
間違っていたら、戻ってきてもう一度考えたらいいのです。
その、仮説が間違いだったかどうかを検証するにはUXデザインのプロセスは非常によく機能します。
心配しなくても、そのプロセスを繰り返す中でより精度の高い仮説を見つけることができます。それをチームの成長と呼びます。
そういったサイクルを高速で回しながら、ゴールに近づいていくプロセスがLEANな開発につながっていきます。
LEAN-UXのプロセスの真骨頂は、失敗を学びに変えチームを成長させるプロセスにあります。
勇気とビジョンを持って最初の点を打とう
真っ白な地図の上に最初の点(仮説)を打つのを恐れてはいけません。
そこには、客観的根拠や調査結果はいりません。
とめどない情熱と勇気を持って、最初のビジョン・ミッションから導き出される「初期仮説」という点を打つのです。
そこからUX 設計のプロセスが始まります。
そこからは仮説と検証のプロセスの繰り返しです。
最初に想い(ビジョン・ミッション)から、ひとつの仮説をうち立てることで、
世界中の無限にある課題を検証しきるよりも早く、一つの解決・ゴールを見つけ出すことができるでしょう。
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もしも、事業に明確なビジョンがあるのに、それが今のモノづくりと別の方向性を向いている時は以下の記事を参考にしてみてください。
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