「中島みゆき詩集」
心がささくれ立ちそうな日常に
中島みゆきの詩集を読む。
詞集ではなく詩集。
収められている詩は52篇
デビューの頃から最近のものまで、どんな基準で選んだのか、あるいはくじ引きをするようにランダムにピックアップしたのか
これといった説明もなく、あいうえお順に並べられている。
いかにも中島みゆきらしい。
この中から私の好きな作品をひとつ。
巻末には、作家の桜木紫乃さんが「メロディーのある文学作品」というタイトルでエッセーを寄せている。
桜木紫乃さんは中島みゆきと同じ北海道出身の作家だ。
彼女の作品を、私は一年ほど前に一度だけ読んだことがある。
11人の作家の短編を集めた本だが、
この中で桜木紫乃さんの『星を見ていた』という作品が
最も心に残った。
作品は、北海道の田舎町に暮らす初老の女性の生きざまを描いたもので、
大地に根差した骨太い小説だった。
同じ北海道出身、ただそれだけの理由で
彼女が『中島みゆき詩集』の巻末エッセーを書くことはなかっただろう。
彼女の書く小説には、中島みゆきの匂いがする。
「メロディーのある文学作品」という表現はなるほど、と思う。
『中島みゆき詩集』の存在もアリ。
しかし、
やはり中島みゆきは歌で聴きたい。
最後までお読みいただきありがとうございます。
ヘッダーの写真は自宅の薔薇をパチリ。
記事中の写真(詩集)は横浜市立図書館の蔵書
短編集は星川玲の個人所有です。