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まんがガタガタ道6 アシスタントして嫌だった事

こうして5年間のアシスタント経験を経て、プロの漫画家になれましたが、アシスタントしていて先生から嫌な仕打ちをされた事が何度かあります。先生は特に意識せずにしたのかもしれないが、アシスタント経験がないままプロになってしまった人なので、全くアシスタントの気持ちを理解していない。普通の大学の後輩に接するような、、、年功序列というのはまだ分かる。酒を飲ませてオモチャにしたがるのも分かる。洗い物、掃除、買い出し、コーヒー淹れも分かる。だがどうしても解せん仕打ちを紹介します。

まだ18歳くらいの夏だったか。吉田拓郎嬬恋ライブが静岡であり、チケットを先輩たちがゲットして、バイクで一緒に行こうと。ちょうど仕事もアップして休みの時期だし、ライブの後は旅館で更に一泊して飲もうぜぇーという流れに。(因みに先輩たちは酒大好きw)

だが私の仕事開始は先輩たちよりも数日早い。そこを心配してあらかじめ先生にライブに行く旨を伝えたら、おう、行って来い。とw だが仕事開始は予定通りだからな、と(^◇^;)

嬬恋ライブは全席自由。だだっ広い広場に座席はなく、早い者順に場所を確保するので、前日から並ばなければならない。静岡までは東京から高速で2時間ちょっとくらいだったか。ほとんど寝てない状態で炎天下の中、並ぶというよりウトウト状態で待機。夕方から朝までのオールナイトライブ。一番盛り上がる時間に思い切り熟睡(^◇^;)。広場の芝生が気持ちいい(違!)会場はオールスタンディングだというのに。

い、いや、少しだけ寝て、所々で目を覚まし、なんとか最後のアンコールで盛り上がり、ライブを堪能しまくりました。

さー飯食って海行こうぜぇーという流れになったのだが、私の仕事開始は今日!夕方6時に仕事開始!すみません、戻らないと、、と先輩に告げると、どうにかサボらせようとする先輩の策略で、昼くらいまで一緒に同行させられる羽目になる。私はバイクだったので、このままじゃヤバいと、海に向かう途中でUターン。先輩たちに手を振って、すみませーーーーん!!と逃げ出す事に成功w

疲れ切った体に鞭うって、なんとか東京まで戻り、仕事場へ行くと、、、今日特に仕事ないからコーヒー淹れてくれ、と。

コーヒー淹れのために戻ったんですか、私は!(#`Д´)ノノ┻┻;:'、・゙; ┳┳ヾ


これはまだいい。いつも初日はネーム番にコーヒー淹れというのは通常勤務。だがどうしても解せんのはバイク。

バイクブームでアシスタント全員が中型免許を取り、私も神奈川からたまに電車ではなく、バイクで通うようになっていた。だがその時は長距離しんどいので電車で仕事場に向かう。夕方6時の定時に到着。いつものようにネーム番とコーヒー淹れは覚悟していた。(当然横線の練習も)

今回のネーム、バイクが出てくるんで、おまえのバイクを資料にしたいのになんで乗ってこないんだ。どうせ仕事ないし、今から戻って乗って来い。、、、と。

(ーー;)

片道2時間半かけて東京まで来て、更に2時間半かけて自宅に戻り、更に2時間半かけてバイクで戻ってこい、とそうおっしゃる?

交通費は????、、、、バイク乗るの楽しいだろ?、、、って違う!そこじゃない!!!なんか無理やり理屈や理由をこじつけられて、やむなく自宅に2時間半かけて戻り、コーヒー一杯飲んだかな?そしてまたバイクで東京に、、、。

到着は深夜0時過ぎ。ヘロヘロです。電車って乗るだけで疲れるのに、うちから駅まで遠いので、更にバス乗り換えもある。そして深夜のバイク運転も相当神経を削られる。これで交通費、高速代、ガソリン代出ない。

そして一番肝心な事。やっぱり今回漫画にバイク出ないわ。、、、と。

(#`Д´)ノノ┻┻;:'、・゙; ┳┳ヾ

アシスタントの気持ち、、というか人の気持ちを全く理解していない。体育会系の大学の後輩なら、こういう理不尽な命令も聞くのだろうが、さすがに体が疲れきってるし眠い。ちょっと休んでいいよー、仕事ないしw、、ってもうね、、こればかりは心に決めた。自分が漫画家になったら、アシスタントが嫌だと思うことは絶対にしない!、、と。

ま、なれるかどうか全然わからん18歳でしたが。プロになってからの私の職場にはネーム番はないし、コーヒーも私が淹れている。い、いや、コーヒー淹れる時間が自分の休憩みたいなもんだしw

洗い物も自分がするのが楽しくなってしまってアシスタントには任せない(あ、あれ?)

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押山 雄一
漫画家志望者に向けた厳しい言葉を投げつけまくる内容のコラムが多いですが、厳しいプロの世界だからこそ甘い言葉は言いません。よかったら是非サポートお願いします。

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