SFスリラー「ゼイリブ」ゆるっとレビュー
今回は公開30周年ということで再注目され始めた「ゼイリブ」が近所の映画館で上映されていたのを観てきましたので、脱線癖のある私、おしるこが適当にレビューしていきます。
軽くネタバレになる部分もございますが、作品を更に楽しめるよう気を配りますのでご了承を。
もう誰も信じられなくなる
というキャッチコピーだったと思います。
とあるサングラスをかけると人間に扮したエイリアンが見分けられるようになり、実は地球は既にエイリアンの手によって侵略されていたという内容。今まで普通に接していた人が実は…てことでそういう触書きなんですね。
観た感想としてはホラーというよりかはスリラーてとこでしょうか。
突然ぶっ飛んだ事実に直面した主人公が水面下で活動するレジスタンス達の積み上げた努力全無視の行動に出る所はパニック映画さながら。
サングラスを手にしたばかりの主人公の暴挙に対し、警察に扮したエイリアンは事が大きくならぬよう割と穏便に済ませようとするのですが
主人公容赦無さすぎて完全にエイリアンが被害者です。
いや、別に主人公は現時点で何も実害無いんですよ。仕事無い以外。むしろ一方的にエイリアンを溶けたチーズ呼ばわりして怒らせてるわけですよ。
この後銀行に乗り込んでガムを噛んだら銃をぶっ放すぜとか訳の分からないこと言って更に駆逐していくヒールっぷり。
もう「虐殺行為を繰り返す主人公と同胞が次々に殺され慌てふためくエイリアン達」という画はどちらがパニックになってるのかわからないんですよね。
むしろこっちがパニックになりますよ。
と正直ジャンル分けが難しい、、
というかもうどうでもいいんですけど、
わちゃわちゃになってエイリアン達に追い詰められた主人公は映画「リヴァイアサン」でロボコップに殴られる前のメグフォスター演じるホリーの車に乗り込むんですが、やり方がまんまコマンドーなんですよ。
「でも『動くな』って…」(コマンドー)
シートを剥がすことも無く、
ホリーに空手の稽古の予定も無く、
そのままホリーの家まで行って
サングラスを試すよう催促するも普通に断られ
何か主人公ずっと一人で盛り上がってるし
ホリーも若干うんざりした感じで
主人公を空瓶で殴って窓から突き落とす
このシーン何や?
いや、多分重要です。(多分)
いきなり突き落とされたもんでうっかりサングラスをホリーの家に忘れてしまった主人公。とにかくサングラスが無いと始まらないので新品のサングラスを隠し場所で回収し、唯一の知り合いフランクの元へ
心優しいフランクは虐殺行為に出た主人公と路地裏へ、給料を渡しつつさっさと隠れるように説得。そんな彼の優しさをガン無視して主人公は「グラサンをかけるか残飯を食うか」と謎の2択を持ちかけるのですが…
いよいよ今作の見所である大一番
かつて日本で「狂乱のスコッチ」と呼ばれた元プロレスラーのロディ・パイパー演じる主人公が遊星からの物体X経験者のフランクにグラサンレスリングを挑むシーンが始まります。
フランク「They? Thingじゃないの?」
これ、せっかくなので状況を整理して説明しましょうか。
先述の通り主人公が地球がエイリアンに侵略されているという事実を知ってもらう為、フランクにグラサンを掛けるよう説得するのですが、フランクからすれば何かいきなり街中で虐殺行為をしてきた奴にしつこくサングラスを掛けろと言われるという中々カオスな状況。
当然嫌な予感しかしないフランクは拒絶。
懲りずにサングラスを顔に近づけて来るヤバい奴を軽く殴り諦めてもらおうとするも
「この分からず屋!」
と言わんばかりに逆ギレしたマジでヤバい奴と、グラサンを掛ける掛けないを賭けた殴り合いを長い尺をかけて展開します。
ただの殴り合いなら良いんですが噛みつき金的凶器攻撃と何でも有り。もちろんプロレス技も使います。
(最中アクション映画で良くある互いに奪い合うナイフか拳銃の如くあっちこっち飛んでいくサングラスがカチャカチャとうるさくて気が散ります。)
何ラウンドかの末ようやくグラサンレスリングに勝利した主人公。
フランク「俺が知ってるのと違う…!」
何やかんやでサングラスを掛けさせられたフランクの早すぎる受け入れっぷりがまた笑えます。(さすが遊星からの物体X経験者は飲み込みが早いですね)
その後トントン拍子でレジスタンスの集会へ
新製品よ!と受け取ったものはサングラスより負担が少なく長時間着けることができ見た目も目立たないコンタクトレンズ。
そう、つまり
もうサングラスの出番はありません。
何かもう主人公達もあまり話について行けてないんですが、いきなりめっちゃ仲間増えたし何かホリーも居るしで二人はひとまず安心して作戦会議に参加する訳ですが、この後事態は急展開、ラストまで一気に走り抜けます。
と個人的に気になったシーンを重点的に紹介した形になりましたが実はこの作品、結構風刺が効いており込められたメッセージには社会に対し強めの毒が仕込まれてるように感じます。観られた方はどう感じられましたでしょうか。
ていうか、
この記事を読んでから初めて観られる方にはどう写るでしょうか。
とくに悪意はございませんが、
是非ご覧下さい(WATCH)
記:おしるこ
p.s 何かゲームあるっぽい