
ドラムに触ってみたい欲を実らせた
いつかずっとやりたいと思っていた。「ドラムを触る」をついに叶える。
なぜドラムをやりたいのか、それは去年の話。
作曲をしてみたいけれど音楽経験がなく、吹奏楽部やバンドをする同級生をただただ眺めて羨む学生時代。
そんな音楽コンプレックスを変えたくて、去年は約2ヶ月ギターに触れ、音楽理論を自己流で学び、Garegebandで作曲活動に勤しんだ。
けれど全くの素人が一人きりではじめてもイマイチなものしか作れず、しかも1曲1分程度作って歌詞も曖昧につけて終わってしまった…。
そんな制作の中で、「うわなんかぽい!」と思ったのがドラムだった。弾く音は高さや長さが色々あってよくわからなかったが、ドラムはとっかかりやすかった。もちろんその世界は広く深い…のだろうが、とにかくぽさが出やすかったのだ。
そして「生でドラムを触るとどうなるんだろう」という疑問が浮かぶようになってきた。
ドラムを触りたい、という欲求を抱えながら約1年たった。
その欲求を叶える一歩はとても些細なきっかけだ。
僕は学校終わりにやりたいことリストを整理し、その中に「ドラムを演奏してみたい」と書いたのだ。
リストに書いて見える化すると意識が変わり、いつかやってみたいとなんとなく思っていたことが「やること」になった。
僕は奇跡的に今年すごく仲良くなった友達がドラムを演奏する姿を10月に観に行っていた。この重なり具合、これはやるしかない!と思い、友達にラインを送った。
運よく相手から快諾をもらい、1/18日に決行となった。
ドラム実践!
何もかも知らなかった僕は、相手に全任せだった。
1、まずスタジオを予約する
ドラムを触るのにどこに行けば良いのかさえわからなかったが、
どうやらスタジオがあるらしい。
スタジオはカラオケのように時間ごとの予約制。
友達に予約を任せて、とりあえず1時間取り組んでみることにした。
2、スタジオへ行く
スタジオの空気に圧倒された!
音楽好きしか許されなそうな黒いスタジオで、すごく音楽を演奏しそうなおじさんたち。よくわからない楽器関係の器具。
なぜあんなにビカビカ黒いのだろう。黒いソファに丸いテーブル、いかにもすぎて驚いた。音楽らしい空間を知らなかった僕は、すごく心細かった。
友達と来ていなかったら入り口で帰っただろう。
そういえば、初めてカラオケに行った時も、異様な空気感だと思った。
何度もいくうちに慣れて、一人カラオケも行けるぐらいになったが、あの音楽関係の空間作りは何なんだろう。
3、ドラムを触る
想像の何倍も友達が丁寧に教えてくれた。
スティックを取り出し(スティクも置いてあるものだと思ったから驚いた)、ドラムのセット方法を教わった。
ハイハットシンバルの高さを少し上げることで、音が出るようにする。スネアドラムは音が2種類あり、オンオフを調整する。あとは椅子やセットの位置や高さを調整する。
それが終われば、いよいよドラムに触る。
「何からやればいいんだろう…」と困惑しながらも、演奏しながら場所や音を教えてくれる。
目の前で見える生ドラムはかっこよくてたまらなかった。
リズムはわかりやすくてノリやすいので、直感でかっこよさがビシビシくる。体が動いてしょうがない。
「とりあえず触ってみよう!」
そうして、僕の初ドラムがスタートした。
リズムとは?手足が一緒になる!
驚くほどできない!
まず初めは8ビートという、どうやら基本らしいもの。
4つのフェーズで出来ていて、ハイハットシンバルを右手で叩きながらスネアドラムを左手で叩き、バスドラムを足で叩く。
ハイハットシンバル
ハイハットシンバル+スネアドラム
ハイハットシンバル
ハイハットシンバル+バスドラム
をひたすら繰り返す。
教わると、単調な繰り返しだ!とつい調子に乗った。
… 現実は甘くない。
実際にやるとスネアドラムとバスドラムが揃ってしまう。
そして少しでも焦ったり意識が飛ぶとリズムがなくなって崩れる。
音がわかる分、失敗もよくわかる。
2箇所ならいけるが、3箇所になったらついていけない。
2箇所を叩いていて、友達がフォローして残りの1箇所を叩く。
そしてその音を聞いて調子に乗って、3箇所目に手を出すと崩れる。それの繰り返しだった。
色々な叩きかたも教えてくれた。
そして僕は、知りたくてたまらなかった裏打ちを知流ことができた。
聞いてわかる、リズムを言葉にできる。でもさっぱり体はついてこない!
ワンダンスという漫画を見てから、音の裏打ちを知りたい!と思っていたが、これは意味がわからなかった。
絶対に慣れがいる。練習しないでできるものじゃない。
裏打ちも何回かチャレンジしたが、ことごとく敗北した。始まりの一回しか叩けない。
ドラムを叩いてみて。
とにかくかっこいい、そしてぽい!
後半の方にはそれっぽい8ビートができるようになってきた。
サザエさんの歌やあいみょんの曲に合わせたりして、それっぽさも味わった。
僕の一番の収穫は、叩いている時の感覚だ。
変に意識をすると体が力んで、リズムが崩れてしまう。
そのため「なんか俺かっこよくね」と調子に乗りながら、すました感じで演奏するのが上手くいく。この現象が面白くてたまらなかった。
音楽してる人がなんかすましたかっこいい感じなのは、演奏するのに必要だからかもしてない。
ずっと貯めていたドラムに触ってみたい欲、をついに叶えた。
それができたら苦労しないと思うが、楽器のできる友人を持つことは、その楽器を始めるためのゴールドカードだった。
頼むからドラムをそこらへんにおいてほしい。音的に難しいと思っても、ピアノみたいなレベルで置いてほしい。
ドラムは定期的に叩きたくなる存在だった。
今後はカラオケの代わりのストレス発散方法としても、いいかも知れない。
いいなと思ったら応援しよう!
