漢方入門書を読む前に読む記事⑪
Q:痰湿の漢方は何を使うのか
A:痰湿の原因で使う漢方を変えていく
痰湿は瘀血とは違い○○痰湿の様な表現では無く、痰や湿という単語が入る(痰濁血瘀や湿困脾胃等の表現になる)。
痰も湿も五臓六腑のどこにでも影響が出るし、色々な症状が出るが共通点として詰まっている事が挙げられる。
症状も含めて処方を書いていこうと思う。
肝胆湿熱:お腹張る、黄疸、口が粘る、胸の熱い痛み:竜胆瀉肝湯
胆うつ痰擾:驚きやすい、びくびくする、動悸、不眠、吐き気等:温胆湯
痰火擾心:喘鳴、イライラ、顔面紅潮等:牛黄清心丸
湿困脾胃:冷えの場合の食欲不振、腹痛、下痢、口渇が無い:平胃散
湿困脾胃:熱の場合の食欲不振、腹痛、下痢、口の渇きや粘り:黄ごん滑石湯
寒飲客肺:発作性の咳、うすい痰、冷え:小青竜湯
痰濁阻肺:咳、痰が多い、胸苦しい:二陳湯
痰熱阻肺:咳、黄色い痰、高熱、:麻杏甘石湯
大腸湿熱:悪臭ある下痢、腹痛、肛門の灼熱感:黄ごん湯
膀胱湿熱:排尿痛、混濁尿:五淋散
とこの様に大分多岐にわたる薬を使う。
有名な薬である五苓散は熱症状が無ければ幅広く痰湿に使うことは出来る。
痰湿の話をするときは、天気頭痛とダイエットの話は欠かせない。
天気頭痛には五苓散が良く効くと言われており、頓服で飲んでも良い効果が出る。
因みに航空機中耳炎も五苓散が効く(記憶が正しければ。症状出たときも予防にもなると聞いた事がある)。
どれも痰湿が絡んでおり、水分が詰まって痛みが出ている(不通則痛。通じてない=巡りが悪い、と痛み出るという意味)と予想できるし、どちらも低気圧が絡んでいる。
ダイエットの話だと、余分な中性脂肪や余分なコレステロールは痰湿と捉える事がある。
肥満の人は血液がドロドロしていると良く聞くと思うが、漢方的に考えたら瘀血+痰湿でドロドロしていると考えられる。
ダイエット漢方として有名なのが防風通聖散だが、以外にもダイエット漢方として優秀な配合をしている。
活血として当帰、川芎、大黄。利水として滑石、山梔子、麻黄が入っており、芒硝で固まりを散らして、便で出す。理気の薬も入っていたりするので気血津液全般を巡らせられる。
防風通聖散で痩せられなかったら虚証の可能性が高い。
実は漢方で言われている事の一つに、「太っている人は虚証の可能性が高い」という考えがある。
ダイエットで注目する臓腑はメインは脾と腎、サブで肝を考える事が多い。
それぞれの役割を考えると
脾→余計なモノを入れないようにする。便秘の改善。栄養失調型の肥満の改善
腎→新陳代謝を上げる。デトックス
肝→ストレスによる食べすぎを防ぐ。デトックス
と考える。
虚証で太っているなら、脾腎肝の3つとも弱っている可能性が高い。
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