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女性とまともに会話ができるだけで男はモテる

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 かつて、こんなに簡単そうなモテ術があっただろうか。

「女性と仲良くなりたい、でも、どうしたらいいかわからない」

 そんな男性のためのコラムシリーズ、今回は会話編だ。

「会話ができるだけでモテる? 嘘だ! だって、俺は会社の女性社員や、飲み屋の女性と会話してるけど、言い寄ったらフラれるし、連絡先すら教えてもらえないぞ!」

 そう思った、そこのアナタ! あなたにこそこの文章が必要だ。なぜならあなたは、女性と会話できている気になっているだけの可能性があるから。

 他の記事でお見せした、女性が男性を好きになるまでの過程の図を覚えているだろうか?

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 多くの女性にとって男性は「普通の人」ではなく、「危険かもしれない人」という警戒ベースからスタートしているということを表した図だ。いままでの記事では女性から信頼を得て、まずこの「普通の人」認定される努力をしようということを述べてきた。

 男性の中には「女性と普通に会話くらいできるし!」と思っている人も多いだろう。そんな男性が女性から「連絡先も教えてもらえない」「2度会うことができない」「誘っても断られる」のなら、あなたがまともな会話ができているかを疑う必要がある。それはあなただけの思い込みかもしれない。

 だが、安心して欲しい。これを書いている筆者はあなたたちと同じ男性だが、女性だと思われて男性に口説かれたことがある。そんな経験から思うのだが、『話が通じない男性』は他にもたくさんいる。だからこそ、まともに会話ができるというだけでその他の男性よりモテてしまうのだ。

 だって、そうだろう。もし仮に「やめてください」という言葉を、なぜか「やってください」と解釈する男性がいたとして、そんな人と一緒にいたら危ないし、なにをされるかわからない。会話が通じない男性は話が面白くないだけじゃなく、安心してそばにも置いておけないのだ。

 では、会話が成立するとは、どういうことかをまず考えていこう。例えば、こんな会話があったとする。

A「――で、昨日遊園地に行ったんですよ」
B「そうなんですか。猫ってかわいいですもんね」
A「え? 遊園地に行ったんですよ?」
B「わかります。私も甘い物は好きです」

 こんなの会話が成立しているとはいえないし、なんならこれが男同士だったとしても「この人ちょっとおかしな人かな」と感じると思う。

「やっぱり極端だ! 俺はここまで酷いレベルの会話はしていない」

 本当だろうか? だけど、先の会話をこういう話に置き換えてみるとどうだろうか?

A「――で、昨日遊園地に行ったんですよ」
B「そうなんだ。ていうか、君、かわいいよね」
A「え? あはは……それでジェットコースターがあるんですけど――」
B「うんうん、ねぇ、番号教えて」

「遊園地に行った」という話題と、「君、かわいいよね」は何の脈略もない。ああ、厳密にいうと《あなたには》あるかもしれない。あなたはかわいいと思ったからかわいいと言ったのだろうし、口説きたいから連絡先を聞いたのだろう。だが、向こうからすると「会話の通じない人」だ。

 こんなの上記と同レベルなのだが、男同士ではこんなおかしな会話しないのに、女性に対しては途端にこうなってしまう男性がいる。もちろん一言目からこうなる人だけではない。話し始めて数分後、数時間後におかしくなる人もいる。

 これをしない男性からすると衝撃だと思うが、世に溢れる女性を口説こうと躍起になってる男性なんてこのレベルなのだ。だからこそこのコラムシリーズは常々いっている。多くの男性が女性を口説く「スタートライン」にも立っていない、と。

 それはひとえに女性を口説こうとする男性が、相手を「個人」ではなく「女」として見ているから。こっちがその気がないのに、勝手に自分を恋愛対象・性対象として見てくるから、突然その男性が『話の通じないモンスター』に豹変してしまうのだ。

 とはいえ、会話の正解なんてものはそれこそ『人による』し、誰かの不正解が誰かの正解だったりもする。しかし、このシリーズはそんな『人による』を、女性と接する機会の少なかった男性にもわかるように、できるだけマニュアルに近い形で提供することを目的としている。

 慣れるまでは、このあとご紹介する会話の基礎を念頭に入れておくといい。

 まず前回「女性と会話する上での最低ルールを覚えよう」の回でお伝えした、「女性と会話を始めるには《相手から見た》必然性が必要」という話のおさらいからしていこう。

 女性は男性へ警戒ベースで接するので、まず会話の基本はこの2つ。

・相手から見て「この人と私が会話をするのは普通のこと」という状況でないと基本的に話しかけないほうが良い
・会話の内容にも相手から見た「この話からこの話になるのは普通のこと」という必然性が必要

 職場や、なんらかのパーティー、飲み会、フラリと入ったバー、SNS上なんかでもこの必然性があるのとないのとでは、会話が始まる違和感が全然違う。

 初回で口説き方を学ぶアドバイスとして書いた「1度、出会う全女性を『恋愛対象・性対象』として見るのを辞めてみる」だが、アレは会話する女性を「女」ではなく「個人」として見る練習をするためのものだった。出会う女性に見境なく「女だー! 女が来たぞー!」と飛びつくと、女性に対して「この男も私を女体としてしか見ないつもりだな」と思わせる。到底先の図の「普通の人」認定なんてされない。

 だから、さきほど挙げた場所で、あなたがなんの理由もなく初対面の女性に話しかけると、女性にもよるが基本的に「え? なに、急にこの人……」と警戒されてしまう。

 だから、きっかけがない限り話しかけなくて良い。それで失う出会いはもちろんある。だが、あなたが「ハァハァ……この女だ! この女に話しかけないと、俺はもうこの先女と付き合えないかもしれない。なんとしてもこの女を………!」という態度は女性にとってめちゃくちゃ怖い。

 そもそも「この先女と付き合えないかもしれない」と必死になるくらい自分がモテないことを自覚しているのに、いきなり声をかけて成功する可能性はいくらかあると思っているのが気持ち悪い。その時点で相手の女性を軽く見ている。

 前にも書いたが、「女性が女性に見られること」にはリスクがある。世の中には痴漢がいるし、レイプ犯もいるし、そんな相手に無理やり犯されたところで妊娠したら自分ばかりが負担を負うのだ。そんな中、自分を軽視して近づいてくる男についていこうなんて女性はそんなにいない。まず女性にアプローチをする前にあなたがしなければいけないのは、そんな彼女らの不安を理解することからだ。

 だから、これから先はなんらかのきっかけを得て、女性との会話がスタートした場合の話だ。会話の基礎を覚えたからって、いきなり道行く女性に片っ端から実践してはいけないということを覚えておこう。

 さあ、あなたはなんやかんやあって、女性と話す機会に恵まれました。

「なんやかんやってなんだよ!」

 という声が聞こえてきそうだが、この「なんやかんや」は意外とあるのだが、「出会いがない」といっている男性が多いのも自分からすると不思議だ。

 例えば、職場に女性がいるなら仕事の話をするだろうし、美容室などで女性の店員さんと会話することもあるだろう。友人の集まりで女性は来ないのか。そもそも友人自体がいないなら、尚更あなたは女性にモテる前に、ここから先の対人コミュニケーションを学んでいかなければならない。

 これからお伝えする内容は色々なパターンで利用できるが、説明のために今回は女性側から話しかけてもらえたという前提で説明しよう。

 ああ、その前に一応前回の「女性と会話する上での最低ルール」で書いた箇条書きも貼っておこう。どれだけ会話が盛り上がっても、基本的にこの項目は守ったほうがいい。詳しくは前回のノートをご覧いただきたい。

・いきなり容姿に言及しない
・身体に触らない
・大きな声や大きな音を出さない
・パーソナルスペースに立ち入らない
・相手から見た「必然性」を意識する
・断られたら潔く諦める

 まず会話の基本の前に、ただ話が通じているだけで会話になっていないパターンをご紹介しよう。

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 うん、まあ、たしかに話は通じている。先の会話例のようにすぐに「かわいいね!」「番号教えて!」とかいわない分、そういう人たちよりかはマシとも思える。しかし、まともな会話とは呼べない。「会話が一方通行」なのは、なにを考えているかわからないという点で、警戒心を解くのに時間がかかることが多い。会話はキャッチボールのように、投げたり投げ返したりして続けるものだ。

 もし「俺もこんな感じで会話するけど、女の子と結構話し続くよ」という方がいたら、それは相手の女性が気をつかって話題提供をしているだけだ。それが冒頭の《あなただけが会話できていると思い込んでいる可能性》なのである。例えば、飲み屋の女性なら仕事だから話題を必死に考えるし、人によってはデートでも気をつかって向こうから話を振ってくれる女性はいる。

 あなたは「なんか今日喋れたなー。あの子と俺、相性いいのかもしれない」なんてウカレ気分だが、向こうはドッと疲れを感じている可能性があるのだ。

 また一番女性にとって悲劇なのは、あなただけが会話できていると勘違いして、「あの子は俺に気がある……!」といきなりキスしようとしたり、ホテルに連れこもうとすることだ。前にもいったが、あのランクはいつでも降格するので、あなたが間違えた時点で「何をしてくるかわからない、男性という恐い人々」枠に逆戻り、もはやほぼその先はない。

 あなたが女性に対して一切「恋愛対象・性対象」に見る気がないというなら、一生上記のような会話でもいいのだが、これを読んでいるということはそうではないはず。だが、何度もいうようにその会話の内容には≪相手から見た≫必然性が必要だ。そんな必然性のある会話を理解するために、下記の図をご覧いただきたい。

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 連想ゲームはやったことがあるだろうか? 複数人が集まって、前の言葉から連想される言葉を順番に答えていくアノ遊び。あまりにも連想できないものを答えたら負けというシンプルなルールだが、連想できるかできないかをジャッジするのは他人だ。

 実は人と人との会話というのも、基本的にこうして成り立っている。そこで以下の会話を見て欲しい。

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 暑い→8月→夏→海→沖縄……と、同じ話のように見えて少しずつ内容が変化しているのがわかると思う。「暑いですね」というワードが出たところで、本来それに対する回答は「暑いか、暑くないか」しかない。しかし、それではさっきと同じだ。

 この例の男性は「暑い」ということから「8月」という違う話題を提示している。そして、今度は逆に女性が「8月」から連想して「夏」という言葉を答えた。双方での会話の流れが成立するとき、実はみんなこれを無意識にやっているのだ。

 この「暑いですねー」という言葉に対する回答が「8月ですもんね」で成立するのは、「8月は暑い時期だから」という2人の共通認識があるからだ。だが、もし「俺は8月なんて全然暑くないよ」という人が見たら、これは変な会話をしていると思うことだろう。

 それを踏まえて、最初の「おかしな会話例」を見ていただきたい。

A「――で、昨日遊園地に行ったんですよ」
B「そうなんですか。猫ってかわいいですもんね」
A「え? 遊園地に行ったんですよ?」
B「わかります。私も甘い物は好きです」

 これがなぜおかしいかというと、最初に出た「遊園地」というワードと、「猫」というワードが繋がっていないからだ。もしかしたら、このBという人物の中では「遊園地→テーマパーク→サンリオピューロランド→ハローキティ→猫」とか、そんな理屈で「遊園地」と「猫」に関連性があったのかもしれないが、大体の人はそこまで話が飛躍しない。だから、おかしいのだ。

 対人関係のコミュニケーションは、このようにして「互いの認識」を確認し合うことから始まる。そうして、この人は「話が通じる人か、そうでないか」を判断する。

 恋愛関係以外の例えでいうなら、さっき知り合ったばかりの人に「お金貸してください」といわれるのと、10年来の親友に「お金貸してください」といわれるのではワケが違うのはわかるだろう。それでも「絶対にお金貸さない主義」の人から見れば、それをいっただけで「こいつヤバい奴だ」と思うかもしれない。でも、やはり印象は違う。だから、極端にいえば、「遊園地→猫」という連想が一般的ではないということを知るだけでもいいのだ。

 先のように「まともな会話ができない」ことによって、女性側と認識のズレを作ることに問題があるのは、あなたからすれば「きっと俺に気がある」と思って口説いても、向こうからしたら「そんな関係じゃないのに口説かれた」という、必然性がなくて気持ち悪い行動に思われるからだ。せっかく「普通の人」枠に上がってもすぐ降格する。

 なぜなら、あなたは「まともな会話ができない」まま、いきなりキスをしたり、ホテルに連れこんだりしてしまうし、そのときだけ相手に許可を得ようとしても「全然そんな関係じゃないのに『ホテル行こう』っていわれた」と思わせてしまうから。

 これで相手の女性が嫌がっているのにも気づかず行為に及んだら、最悪次にその女性と会うのは法廷になるかもしれない。もしあなたが「ホテルに連れこんでみて、嫌がったらやめよう」とか思ってるなら、まず嫌がられるかもしれないことをやってみるというクソみたいな発想をやめよう。本当にいつか捕まる。

 それはともかく、これが《相手から見た》必然性のある会話の基礎と思って欲しい。要は会話の内容が、連想ゲームで間違えたときのように「え、それ、いま関係ある?」と相手に思わせたら、恋愛対象どころか「変な人」認定されるということ。

A「――で、昨日遊園地に行ったんですよ」
B「そうなんだ。ていうか、君、かわいいよね」
A「え? あはは……それでジェットコースターがあるんですけど――」
B「うんうん、ねぇ、番号教えて」

 どうして女性を口説くときに、多くの男性がこういった「遊園地→猫」レベルの会話をしてしまうのかというと、まさしく自分目線だけで話しているからだ。あなたの中で「気になった人を口説くのは当たり前」でも、向こうにとってはそうではない。

 こういった会話に対するチグハグ感は、女性に対して「この人なに考えてるかわかんなくて怖いな。いきなり綺麗とかいうし、ストーカーにでもなったら最悪だから距離を置こう」と思わせる。

 またこの考え方は、初対面の女性の場合以外も応用可能だ。例えば、自然と女性と会話することの多い職場の話で考えてみよう。

 例えば、あなたが部下の女性を呼びつけて「この資料コピーしといて」と指示したとしよう。「わかりました」とその女性。そこであなたは「お? メイク変えたんだ」といった。

 これも「職場」という場所で「仕事の話」をすることは《相手から見て》必然性がある。だけど、そこから「メイクを変えた」という話に移行するのは必然性がない。

 わかっている。もちろん、それが嬉しい女性も中にはいる。だが、人によっては「なんで職場でそんなこというかな……」と不気味に思うのだ。それに、毎回いう。ピンポイントで刺さる誰かを見つけるまで、数多の女性に嫌われるつもりなのか。場合によっては、セクハラで訴えられかねない。その自分さえよければ、なにをやってもいいという犯罪者思考は捨てよう。

 だが、あなたが先のまともな会話ができるようになると、その女性「個人」のして欲しいこと、されたくないことの認識を知ることができる。さっきの職場の例だって、その女性が普段から「私はいつでもどこでも誰にでもメイク変えたら気づかれたいです!」といっているという情報があったのなら、必然性が生まれるし、きっと彼女は喜ぶことだろう。

 だが、まともなコミュニケーションがとれていないうちから「女性が喜ぶであろうこと」をなんとなくでやってしまうと、大やけどをする。あなたは女性を「女」として見る前に、実際の女性たちとまともな会話を繰り返して、あなたの中にある「女はこう」という認知の歪みを治さなければいけない。

 相手から見た必然性を意識する、それは「相手の目線に立って考える」というコミュニケーションの基本だ。そんなの当たり前、常識。その通り。だが、そんな誰にでもできる気づかいが、女性に対してだけはできない男性がたくさんいる。

 このシリーズ初回の飲み屋での待ち伏せ然り、例えば、自分の話でいうと、昔つい数日前に仕事で出会っただけの男性から、真夜中「大島さん、俺、大島さんのこと勝手に好きになっちゃっていいですか」といきなりLINEが来たことがある。ダメに決まってるだろ、バカなのか。

 いや、正確にいうとダメではないけど、本人にいま伝えるな。――とはいえ、僕も男性だからわかるのだ。「好きはプラスの表現だからいわれて嬉しくない人はいない」みたいな発想。だが、いま女性の見た目で暮らしてみて感じるが、興味のない男性からの好意ほど面倒なものはない。ましてや、そいつは話の通じないモンスターと来てる。最悪だ。

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