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『企業変革の実務』を読んで
「企業変革の実務」の要約を書いた後、
中途採用責任者として、HRBPのリーダーとして現場にどう活かしていくべきかをmemoしておく。
まずは、要約から。
大きく本書が言いたいことは2つである。
1.企業変革には再現性の高い方法論がある
2.大切なのは変革開始後の「6か月」である
上記2つに関して、
1部は「理論」、2部は「実践」という2部構成で説明している。
全体像の理解をしたうえで、
実践での細やかなオペレーションについて考えていくというわけである
企業変革には再現性の高い方法論がある
そもそも、企業変革のゴールとは何か・・・
高業績の持続
優秀人材の輩出
つまり、企業価値と個人の市場価値の最大化である。
そんな、優れた企業の特質として3つ挙げている。
1.業績志向でありながら、透明性が高く、顧客に向けてオープンな企業風土を有する
2.事業戦略や組織など、企業における大きな建付けが優れているのみならず、日々のオペレーションでの優秀性を有している。
3.環境変化に対応できる自律的な課題解決能力を組織能力(スキル)・体質として保有している
上記のような、優れた企業にしていくための企業変革活動について具体例を用いて説明しているのが本書である。
企業変革全体の活動計画は3つの基本要素と時間軸によって構成されている
基本要素
1.「課題解決ガバナンス」の構築・運営
2.「変革プログラム」の設計、実行
3.「変革活動への着手、拡大、浸透」
時間軸
Phase1 : 準備(変革開始2か月前~変革開始)
Phase2 : 新体制立ち上げ(変革開始~1、2か月後)
Phase3 : 変革プログラム設計(1、2か月後~3か月後まで)
Phase4 : 変革プログラム本格起動・安定稼働(3か月後~6か月後)
Phase5 : 成果拡大・増殖(6か月後~1、2年後)
Phase毎に章立てされて、基本要素をベースにした期待値とタスクについて説明されているため、いつ、何を、どの順番で行えばいいのかが分かりやすく書いてある。
大切なのは変革開始後の「6か月」である
企業変革は、置かれた状況によりやや異なるものの、成功する際は通常1~2年で目処を立てる、つまり時間をかけて成功させるのではなく、短期間のうちに一気呵成で立ち上げること
このタイムフレームで企業変革活動を捉えると、就任後6か月程度で変革を軌道に乗せるための基本エンジンが必要になってくるという
改革初期は確固たるやり方や仕組みが整備されておらず組織が不安定であると同時に、新たな取り組みを進める絶好のチャンスでもある、そのため、この大切な期間を逃さず、基礎部分となる経営のOSをどうスピーディーに立ち上げるかが最初の関門となると理解されたい。
(中略)
その中心的なエンジンとなるのが経営のOSたる自律的な課題解決ガバナンス構築である。したがって、特にこの部分については一つの独立した塊の施策として設計し、他の施策に先駆けて早期に立ちあげることが肝要である。
自律的な課題解決ガバナンスとは、業績を支える企業体質が変革の閾値を超えて改善し、後戻りしにくいレベルに達することをいう。そして、結果として業績が健全企業並み以上にまで向上し、安定するという。
いつ、何を、どの順番で行えばいいのか
プログラムの設計方法から丁寧に300P以上かけて説明してある本書をぜひ読んでいただきたい。読み込めば読み込むほど色々なエッセンスが入っていることに心打たれる。何度読み返しても飽きの来ない保存版の図書といえるだろう。
リーダーとしてどう活用していくか
本書を読んで最初に感じたことは、「弊社の経営陣や部長陣は本書の各Phaseを意識した施策の立案・実行をしているのだな」ということである。
変革のフレームワークに沿った初期診断や、「就任直後」という絶好のタイミングを生かしたシンボリックな施策提案、オープンな課題解決に向けた環境設定など挙げ出したらきりがないが、本書に書かれている重要な手順を順当に踏んで事業推進をしている印象を持った。
逆に、今後どういうアクションを取っていくのか、そして、実は片手落ちになっていたのではないかという予想もつくようになった。
HRBPとして事業に資する人事としては、経営層の考え方を理解し、伴奏していく必要があると考える。そのためにも、HRBPチームメンバーに対して、重要な経営コンセプトや言語の統一化を図ったり、様々な課題解決に求められるスキルの底上げを行いたい。
底上げ方法としては、本書にある学習方法をそのまま活用してみたいと思う。自分が講師になれるくらいまで理解度を高めることを前提に本書を課題図書にやってみたいと思う。
【学習方法】
1.講義内容資料を各自で互いに相談することなく読ませ、不明点やわからない箇所にポストイットを貼らせる。
2.各グループにてポストイットが付いているものに関してグループ内でQ&Aをやらせる。わかっている人がわかっていない人に教えるわけでもある。
3.上記を行った後、各グループとして、まだ「わからないもの」、「不明なもの」をそのまま残し、それを他のグループにあてて答えさせる。
4.上記を繰り返しても、なおすべての受講者にとって「わからないもの」、「不明なもの」、「理解が怪しいもの」に対して講師が解説する。
5.講師の全体的な説明は、全体像を再確認する位置づけで、最後に行う。
さいごに
「企業変革の実務」を読んで、いま自分の周りで起きていることが少し構造的に理解できるようになった。
構造的に理解することで、次の手を打つべきなのか、我慢強く運用をまわし続けるべきなのか、見極めがしやすくなると思う。
優秀な企業ほど日々のオペレーションの優秀性を有しているとのことなので、目の前のオペレーションの最適化を一層高めてよりとい企業に成長させていきたい。