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「ドラえもん」という共通言語を持っているからできる爆高解像度トークの愛おしさを語る

共通言語について考えるとき、私はいつも『金魚屋古書店』というマンガを思い出します。
『金魚屋古書店』では、登場キャラクターが自分と同じ作品を読んでいて同じレベルで語れることを「共通言語」と表現していました。
共通言語を人に求めすぎると人間関係の構築に支障がでてしまい、相手にマイナスな印象を与えかねません。
しかし、上手く使う分には「共通言語」は最高の考え方だと思うのです。

私にとっての共通言語は「ドラえもん」

私にとっての共通言語は「ドラえもん」です。例えば、私が愛して止まない「太陽王伝説」という映画について話すとき、共通言語がない人にはあるひみつ道具の不具合で知らない世界につながってね……というところから説明します。
しかし、共通言語がある人には「太陽王伝説」というだけで「『1+1は1よりも大きい』というセリフはのび太の名言の中でも至高」という言葉が返ってくるわけです。

共通言語のメリットは「会話のプロセス」を省略できること

私は、こういう「会話のプロセス」を極端に省略できるときに、テンションが爆上がりします。
共通言語さえあれば、ツーと言えばカーを初対面の人とでも再現できるわけです。

しかし、共通言語とは多くの人が持っていなければ意味がありません。英語を使う人口が多いから日本でも英語の勉強が必要になるわけで、とにかくニッチな言語では誰とも会話ができないことになります。

ドラえもんという共通言語は約5000人が持っていそう

「ドラえもん」という作品は、かなり多くの人が愛している作品です。7万7000円した『100年ドラえもん』が1万セット売れたあたり、少なく見積もっても国内に5000人はドラえもんのことを愛しているといえるのではないでしょうか。
(もちろん、愛の定義は人それぞれではありますが)

ドラえもんという作品がはじまって、50年以上が経過した現代でもそれだけの人が愛している(=共通言語を持っている)と仮定できるわけです。
まだ話したことがない共通言語を持っている人が約5000人もいると思うと、テンションが上がってきますね。

楽しすぎた高解像度のドラえもんトーク

そもそも、どうして共通言語の愛しさを語っているのかというと、先日はじめて会ったドラえもんが大好きな人との会話が楽しすぎたからなのです。

その日が本当に初対面で、それまで関わったことはありません。
手土産にむぎわらしんたろう先生がデザインした夢ごこちを用意したにも関わらず、思いっきり忘れて取り寄せバッグの有用性を噛み締めた冬の日でした。

ドラえもん度が高いと仲間意識が湧いてくる

はじめて顔を合わせた瞬間にまずお互いの「ドラえもん度」で距離を測ったことで、「あっ、この人は共通言語持ってるわ」と判断できたのです。
私はドラえもん度を、持ち物にドラえもん要素があるかで測ります。愛を示す人の多くはキーホルダーやアパレルグッズ、ペンなどで示してくれるので分かりやすくて最高です。

この初対面のドラえもん度が高いと勝手に仲間意識が湧いてきます。
もちろん、ドラえもんがかわいすぎる余り持ち歩くと恥ずかしいと思ってしまう人もいるので、持ち物がすべてではありません。
ただ、私のような変態への「共通言語持ってるよ!」というアピールにはなるので、ゴテゴテのドラえもんグッズじゃないペンとかを持っておくのもおすすめです。
圧倒的な視力で見つけ出すので、ぜひこっそりアピールしてください。

共通言語があると、ほんの少しの会話であらゆる情報をくみ取れる

共通言語があると、話は恐ろしいほどスムーズです。「どの映画が好きなのか」という質問だけである程度年齢を推測できるうえ、性格や趣味嗜好も連想できます。

つまり、好きな映画という情報だけからあらゆる情報をくみ取れるのです。
文字にすると気持ち悪いですね。でも、共通言語があるだけでそんなことができるのだから、テンションが上がるのも分かってもらえるのではないでしょうか。

ドラえもんトークでの私のテンションピークは太陽王伝説への愛を肯定された瞬間

先日のドラえもんトークにおける私のピークは「太陽王伝説が好きなんですよ」といったら「分かる!」と肯定されたときでした。
太陽王伝説はかなり異色のドラえもん映画なので、ファンの中でも割と好みがわかれる作品です。ドラえもんらしさが薄い部分もある、「こんなドラえもんはじめて!」みたいな映画になっています。

だからこそ、太陽王伝説を1位に挙げると否定されることもありました。
そんな話をしたとき、「あれはドラえもん映画史上最高ののび太の名言があるのに」といわれたときの感動を私は一生忘れないかもしれません。

のび太の名言という「共通言語」に大興奮

私は今までの人生で好きな言葉は「1+1は1よりも大きい」にしてきたほど、筋金入りの太陽王伝説ラバーです。マジで本当に中学の生徒手帳に書いていました。
思い入れが深すぎるのでこののび太の名言なら、ちょっと気持ち悪いくらいの反応速度でいう自信があります。
しかし、全てのドラえもんが好きな人がすぐに思い出せる名言ではないのです。

そんな前提があるので、のび太の名言に関する言及があるとは思わずテンションが爆発してしまいました。
ああ、本当に共通言語がある人との会話は楽しいなと、心から噛み締めた瞬間でしたね。

「ドラえもん」という共通言語は積極的に使っていきたい

私という人間を構築する一番大きな要素は「ドラえもん」です。自己紹介するより、好きなドラえもん映画を話した方がきっと私のことをより速く・深く分かってもらえるでしょう。
こんな便利な言語なら、もっともっと使っていく方がお得な気がします。

あくまで共通言語を持っている前提なので、ちょっと限定的かもしれません。
それでも、この先の未来、きっと私が想像するより多くのドラえもんが好きな人と出会うと思うので、「好きなドラえもん映画って何ですか?」から関係を作っていきたいなと思います。

先日のはじめましてドラえもんトークは、「ドラえもん」という共通言語の愛おしさを心の底から実感できた、素晴らしい体験でした。

これを読んでくれたドラえもんの共通言語を持っている人とも、いつか楽しいドラえもんトークができることを願っています。

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