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チーズをケチってはいけない シーフードグラタン
どーも。都内一流ホテルで16年勤務した、フリーシェフ、僕です。
今日はシーフードグラタンを作ります。
この料理のポイントは一点。ホワイトソースにつきます。
フランス料理ではベシャメルソース sauce béchamel という、基本中の基本のソースです。小麦粉を炒めて作ったソースをルー roux と呼びますが、小麦粉の炒め方でホワイトルー、ブラウンルーと分けます。出来上がりを白くするか茶色にするかの違いです。このルーを適切に伸ばしてホワイトソースとします。
ホワイトソースは牛乳で伸ばすのですが、伸ばした量によってグラタン用、クリームコロッケ用、クリームシチュー用に分けられます。工程は同じなので確実に覚えていきましょう。
余談です。カレーはブラウンルーにしてもいいのですが、今回のホワイトソースを使うグラタンやクリームシチューは是非白く仕上げられるようにやってみましょう。簡単!ではありませんが、単純ではあります。ちょっとしたポイントを守れば出来ますよ。
THE材料 2、3人ほど)
ほうれん草 1/2把
ブロッコリー 4かけ
サーモン(塩鮭でもOK。今回はアトランティックサーモン使用) 1切れ
ホタテ 4粒
アサリ 8粒ほど
剥きエビ 2尾
(シーフードは、ほとんどのもので代用できます。仕込みはほぼ同じ工程です。揃えられた材料だけでもおいしくできます。)
無塩バター 50g
小麦粉 50g
牛乳 300cc
(牛乳250cc+魚介出汁50ccでもいいですよ)
調味料)
塩コショウ
白ワイン
耐熱容器に塗るバター
ほうれん草ソテー用バター
好みでナツメグパウダー
(ホワイトソースに使います)
チーズ
(ミックスチーズで十分美味しくできます。シュレットチーズ、パルメザン、モッツアレラなどが候補です。)
ホワイトソース用の濃度調整用牛乳 コップ一杯
↑はチーズの参考までに。スーパーに行けばこんなのがあるはずです。
工程)
ほうれん草を洗ってカット、再度流水に15分ほどかけて泥を落とす、水を切っておく、ブロッコリーを一口大にカットして水に漬ける、ほうれん草はブールノワゼットで(後述)ソテー、ブロッコリーは柔らかくボイル、サーモンホタテをカットしてエビとともに塩コショウ白ワインを振る、砂抜きしたアサリを白ワイン蒸し、アサリ汁で残りの魚介を蒸す。液体が足りなければ白ワインを少し足して蒸す、耐熱容器にほうれん草、魚介を組む(といいます)、牛乳を沸かしておき電子レンジでも調整用の牛乳(に、あれば魚介汁を加える。)を沸かしておく、鍋にバターを溶かし、粉を炒め、沸いた牛乳をひたすら混ぜる。必要であればナツメグを入れる、とろみとツヤが付いたらソース完成、耐熱皿にソースを盛り、ブロッコリーを乗せ、チーズを振り、オーブンかトースターへ。きつね色になったら完成。
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まず軽くでも水で洗ってからまな板に乗せましょう。たっぷりの水と流水で流します。
泥はO-157を含んでいます。でも流水でしっかり洗い流せば問題ありません。
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ある程度細かくカットした方がきれいに仕上がります。
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順番としては、ほうれん草カット→ざるにほうれん草入れる→まな板と包丁洗剤で洗う→シンクを一度水で流し手洗剤が入らないようにしてから、
流水にかけてください。料理は一つ一つ片づけていきましょう。
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バターがこの状態をブールノワゼット、ハシバミ色、ヘーゼルナッツ色とされています。
塩コショウして炒めますが、ほうれん草という葉物食材はどんどん小さくなっていきます。その後、水分がある程度抜けるまで強火で炒めましょう。味見して柔らかくなっていたらOK。
出来たらお皿に取っておいてください。
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アレルギー反応として、アナフェラキシーショックが発生する可能性もあります。
その後、たっぷりの塩お湯で柔らかく茹でて冷水(できれば氷水)で色止めをしてください。
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ヒモは食べちゃいましょう。
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取り忘れたのですが、エビも同じように下処理してください。
アサリがあれば砂抜きして白ワイン(貝殻にかぶる位の量)蒸し、殻から外して、アサリ汁に白ワイン少量加えて沸かす。残りの魚介を入れてかき回す。火を止めて蓋をして、2分ほどで引き上げる。蒸し汁は使います。火入れの時間は永久の課題、と言われます。この場合、ホタテサーモンエビはガンガン強火で火を入れない方法を取ります。中途半端に火を入れると食中毒の原因になります。食べてみてから引き揚げてもいいですね。美味しければオーケー。今回は日にち超えることがないのですが、肉で言うところのレア状態で温いソースと一緒にすると、あっという間に食中毒の原因になります。しっかり火入れしてしっかり冷ますか残さず食べちゃう、これが原則です。
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ソースを流すところまでの作業を『グラタンを組む』といいます。
今回は2人分ですが、各皿で差が出ないように盛り付けてください。
食べる人の間で戦争になっちゃうし…。
ブロッコリー多いのは僕のサラダです。必要な分だけ使ってくださいね。
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レストランだとこれにソース乗った状態で冷ましてスタンバイされています。
ソースかけた状態で電子レンジチン、チーズ乗せて焼く
というオペレーションです。
さて、次から今回のハイライト、ホワイトソースを作ります。
バターと粉(できればふるう)を計量して、鍋に牛乳とあれば魚介汁を沸かします。電子レンジではマグカップに50ccくらいの牛乳を沸かしておきましょう。マグカップ牛乳は使わない可能性があります。余ったら飲んじゃってください。これはホワイトソースの状態を見てからですので、何とも言えないんです…。
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鍋にバターを溶かし、このくらいの状態にします。加熱してバターの水分が泡になって落ち着いてきます。ここまで加熱。強火にします。
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どんどん炒めてください。状態が変わるといったのはどの程度粉を炒めるかによります。
粉の粒子1粒1粒、炒めることによって、美しいホワイトソースになるとされています。
しっかり炒めてください。ただし、焦がしてはダメ。ダマがあってもダメ。
写真よりももうちょい炒めましたが、バターの油分と粉がしっかりくっつくのが目安です。
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しっかり混ぜてソースに艶を出すことが目的です。
ダマはできていないはずですが、万が一できていても今回は気にせず焦がさないように
混ぜることを優先しましょう。
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この分量ですと牛乳が足りないと思うのですが、繰り返します。
ソースの状態見ないとわからないのです。
良さそうな濃度にすることが目的です。
今回、僕は25ccほど牛乳を足しました。冷たい牛乳を加えるとダマになる元です。
牛乳分が苦手でしたらナツメグ少々で臭みを多少なりとも消しましょう。
なくても美味しくできます。
ソースが固ければ電子レンジのマグカップ牛乳を加えてください。
加えたら沸かして混ぜてくださいね。火を消したこの状態でもこのソースは焦げます。
フランス料理のレストランではこの後、布で漉します。なめらかなソースにするのが目的です。
出来たソースはボウルに移すか即座に耐熱皿に流してください。
このソースは冷めると固まり流せなくなります。
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チーズを『遠慮なくケチらず』かけます。
今回の僕はチェリーモッツアレラ、シュレットシーズ、粉チーズをかけました。
では、オーブンへゴー、の前に。グラタンの命を覚えておいてください。
『アツアツ』です。
もし、ホワイトソースに手間取ったり、グラタンの中身が冷たくなっていたら一度電子レンジかけておいてください。その後、熱いホワイトソースを流し、チーズを振ってオーブンです。
オーブンか『トースター』でも出来ます。
レストランではサラマンダーという上火だけのオーブンできつね色にします。
オーブンの場合は最大火力です。
もし電子レンジしかない場合は、電子レンジでも出来ます。きつね色にはできませんが、チーズがとろけて美味しくできます。
焦がしちゃだめですよ。
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しかし。
焼き色付けるとおいしそうですね。
テーブル耐熱容器を置くときはタオルなどをかましてください。
場合によってはテーブルが溶けます…。
おまけ。
ホワイトソースの小麦粉とバターは同量と覚えてください。
そういえば、バターと小麦粉と牛乳ですから、お菓子にも使えます。ちょっと情報源が怪しいのですが、そんなお菓子があった、ような…。有名ではないのですが…。どなたかご存じの方ご連絡いただけると嬉しいです。
今回、あまり塩を使っていないように見えますが、チーズでかなりの塩が入ります。また、魚介出汁を使った場合は結構な魚介の旨味を感じられます。肉のソースには肉の出汁、魚のソースには魚の出汁、です。基本とされていますが、別に食べておいしけりゃいいのです。
熱いうちに召し上がってくださいね。
読んでいただいてありがとうございました。