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処遇改善加算 従業員の入社・退職

今回も処遇改善加算についての内容です

今回は、従業員の入社・退職で前年度の賃金総額との比較ができない場合は
どうするかという問題について説明します

処遇改善加算では、

4月に提出した賃金改善計画書の賃金【基準額】

年度が終了した時点の実際の賃金総額

を比較して、賃金がどの程度改善したかを把握します

計画と実績

ここで、よくある問題が、

事業が拡大し職員が増加すると、個人ごとの賃金改善をしなくても賃金総額が増える

ということがあります

例を挙げると、
前年の従業員 1名 前年度の賃金総額 250万円
今年の従業員 2名 今年度の賃金総額 500万円(250万円×2人)

この場合の賃金改善額は、500万円から250万円を引いて250万円になるのかということです

結論としては250万円の賃金改善をしたことにはなりません

従業員が新しく入社した場合には、前年度の賃金総額に、入社した従業員がいたものと仮定して、前年賃金の想定額を足してあげなければいけません

問 22  2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.4)(令和2年3月 30 日)問4において、「これにより難い合理的な理由がある場合」の例示及び推計方法例が示されているが、勤続年数が長い職員が退職し、勤続年数の短い職員を採用した場合等は、これに該当するのか。またどのように推計するのか。
(答)
・ 賃金改善の見込額と前年度の介護職員の賃金の総額との比較については、改善加算及び特定加算による収入額を上回る賃金改善が行われていることを確認するために行うものであり、勤続年数が長い職員が退職し、職員を新規採用したことにより、前年度の介護職員の賃金の総額が基準額として適切でない場合は、「これにより難い合理的な理由がある場合」に該当するものである。
・ このような場合の推計方法について、例えば、前年度の介護職員の賃金の総額は、
- 退職者については、その者と同職であって勤務年数等が同等の職員が、前年度在籍していなかったものと仮定した場合における賃金総額を推定する
- 新規採用職員については、その者と同職であって勤務年数等が同等の職員が、前年度在籍したものと仮定した場合における賃金総額を推定する
等が想定される。

令和3年度介護報酬改定Q&A ver1

例を挙げると、
以前から在籍している従業員 Aさん 
Aさんの賃金の推移
  令和元年度 230万円(勤続1年)
  令和2年度 240万円(勤続2年)
  令和3年度 250万円(勤続3年)

令和3年度から入社したBさん
  令和3年度 230万円(勤続1年)

この場合の令和3年度の実績報告では
実際にはBさんの令和2年度の賃金の支払いはないですが、
Bさんが令和2年度にいたものと仮定して前年度の賃金総額に足さなければいけません

今年度Bさんが入社した場合

つまり前年度の賃金総額は従業員の入社・退職によって金額が動いてしまうということです

以前は、計画書の変更を行っていたようですが、従業員の入社・退職の都度計画書を提出していると、役所の事務が煩雑になりすぎるので
計画書はそのままで、実績報告書の前年度実績の数字を変えるという方法に変わったようです

いずれにしても従業員の入社・退職の都度、賃金改善の元となる数字が変わってしまうので要注意です

以上で今回の説明は終わります
当事務所では、処遇改善加算のご相談、試算等についてもお手伝いができますので、介護事業所のお客様お待ちしていますよ~

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