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人前でも自分らしく話すには?
こんなご質問をいただきました。
「同僚やグループでは自分の考えていることや意見を話せるのですが、人前で自己紹介をするときや、意見や気づきを話してください、みたいな状況になると、緊張して何を話していいかわからなくなってしまいます。どうすれば自分らしく話せますか?」
さて、あなたならどう答えますか?
一対多のコミュニケーションはやりにくい
僕は人前で話す仕事なので、一対一の場だけでなく、一対多の場もよくあります。「自分らしく世界とつながる」ということを実践しているくらいなので、人前でも自分らしく本当に思ったことを話すようにしています。これを言うと嫌がられますが、場数も大切です。
とはいえ、そもそも一対多のコミュニケーションは難しいものです。こちらからの発信は1本なのに、リアクションは複数戻ってくるので、やりとりには限界がありますよね。
大勢の人に対して話すとき、不慣れなうちは「この人たち」と決めて話すのも良い方法です。具体的に「◯◯さんや◯◯さんに話すような気持ちで」ということでもいいですし、会場でリアクションのいい(まるでその人と一対一で話しているような感じもある)人にフォーカスして話すというのもおすすめです。
人前で自己紹介するとき
大勢の前での自己紹介については、僕は簡潔であることがもっとも重要だと考えています。自分の属性、ひとつかふたつに絞って、簡潔明瞭に話します。
コツは、変にへりくだったり言い訳したりせず、クリアに話すこと。自己紹介は、この後のお付き合いのイントロです。その後の会話のきっかけになれば十分ではないでしょうか。
よく自己紹介で、ジョークなど交えつつ長々と話す人がいますが、順番に全員が話すなら他の人や全体の進行にも気を配るべきです。本人は「自分の主要な属性を網羅してアピールした」つもりかもしれませんが、周囲の人は「よく話す人だな…」という印象が残るだけかもしれません。
そもそも「気付きを発表して」という設定がおかしい
質問者の方がおっしゃるように、ワークショップみたいな場だと、「最後に、お一人ずつ今日の気付きをシェアしてください」みたいなふわふわした場が展開されることがありますよね。
でも、ひとつの場を通して、気付きが得られた人もいるかもしれませんが、得られない人だっています。「当然全員に何らかの気付きがあるはず」という設定と進行は、あまりに参加者に寄りかかり過ぎです。
質問者さんは、おそらく気付きなどなかったのだと思うのです。だから話したいこともなかった。
ただ、こういうのに慣れている人もいて、「冒頭のお話と、最後のお話は、全然違うようで◯◯でつながっていると思うんです。私も△△の仕事をしているので、◯◯とのつながりがあるなぁって思って、どうのこうの」みたいにとても上手に話す人もいます。もう芸の世界ですね。
こういう場は、主催者と参加者の共犯関係によって、ぎりぎりのところで成立している場合も多いのです。
本当に思ったことを話そう
自分らしく話すということは、本当に思ったことを話すということです。
だから、ワークショップを通してもし気付きなどなければ、無理に言わなくていいと思うのです。
僕はこういう時は、「気付きはありませんでしたけど、きょう一番面白かったのは…」みたいな感じで、感想を述べるようにしています。最後に「気付きなんかないです」じゃちょっと可哀想なので、「一番面白かった感想」を述べるようにしています。
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