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「win-winの関係」に対する気持ち悪さ

よく「win-winの関係」って耳にしますよね。商取引の世界なんかでもよく聞かれます。でもいつも、どこか嘘っぽいというか、何だか気持ち悪いというか、そんな違和感を感じていました。

カフェを経営して商取引を学んだ

僕が代表をしているNPO法人れんげ舎では、15年間に渡ってカフェ経営をしました。もともとは子どもの居場所づくりをしていた団体ですから、カフェ経営は新しい世界でした。

もっとも新しいと感じたのは、カフェというより、商売の世界でした。新しすぎて、僕には商取引というものがよく分かりませんでした。店をやると様々な取引先が出来ますし、営業もかかります。資金も限られていましたから、はじめのうちは「とにかく自分たちに有利になるように」と考えていました。

でも次第に、それではダメなのかもしれないと思うようになりました。こちらにとってのメリットを追求し過ぎると、その後の展開が必ずしもよくないことに気付いたからです。相手にとっても「この店と取引出来てよかった」と思ってもらえないとダメだな…と思うようになりました。

視野が狭いからwin-winが成り立つ

そんな経験から、「win-winの関係」という意味合いは分かるつもりでいます。その上でやっぱり、なんだかちょっと気持ちの悪い表現だなとも感じます。そういうことを言っている人を、醜いと感じることもあります。

「win-winの関係」とは、自分の相手、2者の関係にフォーカスしています。両者にとってよい取引ということで、なんだかパーフェクトな出来事のように言われていますが、それは視野を2者だけに絞った場合です。

まわりの人たちにとっては、winじゃなくloseかもしれません。

自分のことだけ考えている人って、ちょっと醜いと思うんです。「私たち、win-winの関係なんです」なんて悦に入ってアピールしている様に、そうした醜さを見つけて不快に思うのです。

そして不快なのは、僕自身の中にも同質の醜さがあり、その存在を感じ取るからだと思っています。

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長田英史(おさだてるちか) / NOT SHIP
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