まずゼロをイチにするために「雑力」を発揮しよう
文章を書くときに「書き始めが難しい」なんて言われることがあるように、何かを始めるときにも「動き始め」がうまくいかないことがあります。
特にマジメな人や周囲から完璧主義と言われるような人は、「ちゃんとやろう!」という思いが強すぎて、なかなか事が始まらないことがあります。僕はもともとそういうタイプですが、「雑力」を身に付けてだいぶ変わりました。
「ちゃんとやろう」などと考えるから出来なくなる
「ちゃんとやろう」と「とりあえずやってみよう」だと、どちらが結果のつながるのでしょうか。もちろん、時と場合によりますよね。でも、まったく新しい何かをつくり出そうとする時、つまりゼロ(0)をイチ(1)にするような局面においては、「ちゃんとやろう」が仇になる場合があります。
・まず勉強しよう
・まず調査しよう
・まず訓練しよう
・まず計画を立てよう
どれも間違っていませんが、こうした行動があまり続くと、失速の原因になります。本人は前に進めるために準備をしているつもりでも、実際には後退しているのです。
もしそういう傾向があるのなら、「ちゃんとやりたい」「絶対に失敗しないようにやりたい」というような考えが、原因になっているのかもしれません。
「雑力」とは?
雑力とは、一言で言えば「雑の始める力」です。「ちゃんと準備してから始めよう」ではなく、「雑でいいからとりあえず始めてみよう」という考え方です。
僕自身の個人的な経験だと、stand.fm(音声配信のプラットフォーム)で番組を始めたときが、そうでした。僕は「ちゃんとやらなきゃ」というタイプなのですが、「雑力を発揮しよう」と意識して、3日で番組を始めました。まさに、「とりあえず」という感覚です。
その結果、2ヶ月半でSPPと言われる公式パートナーに認定され、リスナーのみなさんとの交流も増えて、一緒に仕事をするような人たちとも出会えました。僕にとっての「雑力」の成功体験のひとつです。
あなたがいま「雑」に始めたいことは?
周囲から「完璧主義だよね」と言われているみなさん、いかがでしょう、何かいま始めたいことはありませんか? いまはゼロだけど、イチにしてみたい何かです。もし、動き出しが重いな〜と感じたら、「雑に始める」というのを試してみたらどうでしょうか。
もちろん、雑に始めると不都合もあるでしょう。でも、ゼロをイチにする前にいくらバタバタ動き回っても、ゼロはゼロのまま。新しい出会いもなければ、新しい体験もありません。でも、一度イチにしてしまえば、そこを改善していくことには(もちまえの完璧主義を発揮して!)じっくりやることも出来るはず。
ゼロをイチにする──簡単なように見えても、もっとも大きな第一歩です。