家族に替わる手段を
クリスマスやお正月などがある年末年始って、「家族」を意識する機会が増えますよね。そんな時期だからこそ「家族に替わる手段を」というテーマを取り上げて、視野を広げてみたいと思います。
「あなたにとって一番大事なものは?」
ある調査(*下記記事参照)によると、「あなたにとって一番大事なものは?」という問いに対して、もっとも多い答えが「家族」でした。選択肢から選ぶ形ではなく、自由回答での調査で、「家族」がぶっちぎりの一位で、しかもそれが増え続けています。
一方で、晩婚化が進み、結婚しない人たち、結婚したくても出来ない人たちが増え続けています。家族を求めているけれど、実際には単身世帯が増え続けていて、家族はだんだん「求めても手に入らないもの」になりつつあります。
だからこそ、昭和の時代のような「婚姻関係の男女と血縁の子ども」や「◯◯家」を基調とする「The 家族」ではなく、「家族に替わる手段」または「新しい家族の形」が必要です。
人生ゲームのルールチェンジ
今はどうなのか知りませんが、子どもの頃にやっていた「人生ゲーム」では、ゲームの最後に集計することで勝敗が決まります。稼いだお金だけでなく、子どもの数も換金されて計算に含まれます。子ども時代の僕は、「なぜ、子どもがお金に変わるんだろう?」と疑問でした。
ゲームの設計の背景には、「子どもは親を養うもの」という価値観があり、だから子どもがいると、それが換金され、人生の勝敗を左右するのです。
でも、極端な少子高齢化社会で、子どもを自分の老後の保険に出来るような社会は、もう過去のものになりました。
家族がいなくても幸せに生きるために
いま結婚していて家族がいる人でも、それが続くとは限りません。離婚など
で家族関係が解消されたり、パートナーと死別したりすることもあり得ます。こうしたことはすごく自然なことなのに、不思議なほど可能性として検討されません。
「家族が大事だ」
「家族がいることが幸せだ」
そんなステレオタイプな考えばかりで、バリエーションが貧弱です。家族が好きで家族といることが幸せだという人は、もちろんそのままでいいのです。でも、家族がいなかったり、家族と一緒にいると苦しいという人は、「家族に替わる手段」を積極的に模索すべきだと思うのです。
家族を因数分解し再構築する
家族に求められる機能って、他の方法でも補えるはずなのです。従来の家族に求められていた機能は、ものすごくたくさんあります。
育児
介護
支え合いによる情緒的安定
夫婦相互の独占的な性関係
衣食住の基本機能
稼いでお金を持ち帰る
地域社会とのつながり
他にもまだまだ出てきそうですが、育児と介護だけをみたって、そんなの共働きの核家族が担えるはずもありません。
日本の年金制度や社会福祉制度は、家族制度を大前提に設計されています。旧来の「The 家族」が幻想や一部の例になりつつあるいま、家族機能を「他の方法で、より楽しく、より自分らしく賄うためには?」という問いを立てるのがよさそうです。