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神戸姫路 お酒が紬ぐ旅 前編

旅のきっかけ

昨年2023年年末、再び旅に出たくてうずうずしていた。9月のロンドンパリ、10月の長野の旅を楽しんでからの約半年後となる2024年3月頃には次の旅をしたい。出来れば飛行機に乗り美しい空を眺め、素敵な地上を眺めたい。遠くへ行きたい。
常にオトクな航空券情報にはアンテナを張り巡らしている。メールやネットニュース、グーグルがすすめしてくる記事にはいつも目を通している。昨年12月末にANAのタイムセールかやってきて、その航空券を利用した能登半島一周の旅を計画した。能登半島へは、付け根となる富山県氷見市までしか行ったことはなく、ぐるっと能登半島を回るルートを考えるとワクワクした。能登空港への往復便、レンタカー、高岡駅前でのホテルも予約し、高岡で会いたい人との酒席の計画も済ませた。
2024年元旦。能登半島地震が起きてしまった。元旦の情報ではこれほどまで深刻な状況ではなかったために、旅を諦めるのはまだ先でいいと思っていたが、翌2日には旅を楽しむどころか旅が出来ない状況を受け入れざるを得なかった。氷見に眠る親友のお墓参りも計画していたが、きっとお墓だって倒壊しているに違いない。今回は諦めよう。また復興した暁には思いっきり楽しもうと全てキャンセルした。
とは言え、旅が趣味の私としては「旅」を失ったことはとても悲しかった。家族や家を失った方々にしてみれば、それはとてもとても小さく、悲しむなんて失礼な話だ。石川県の中でも来て欲しい金沢、来て欲しくない能登。復興支援のため金沢へ行こうかとも思ったが、石川県へ計画した旅は必ず復興するであろう数年後のお楽しみに取っておくことにした。
私には「芋焼酎」の繋がりで出会った友が各地にいる。その数人が姫路に集うと言う連絡があった。そこに私も誘ってくれたのだ。日程的に可能か?費用は?自分の体力は?と自問し、決断し、参加することに決めた。2度目となる姫路への旅。前回は新横浜から姫路まで新幹線。今回は羽田空港から神戸空港へのルートはどうだろう?飛行機に乗りたい!飛行機に乗りたい!元旅行会社社員であった私の脳とネットでのリサーチ。フル回転で旅の骨格を作っていく。この瞬間から私の中で、すでに旅は始まっているのだった。

オトクな情報

羽田空港から神戸空港へはスカイマーク航空と全日空が就航している。先の全日空ANAのタイムセールなら全国片道8,000円からと格安で行けるのだが、そのセールはすでに終わっている。しかしセール中ではないスカイマーク航空もキャンセル変更不可のチケットだとなかなか安い。そして便数も多い。行きは2便目、帰りは最終便を予約した。ビジネスホテルの予約をしようと思ってたところに友から楽天トラベルのセールで「ココのホテル」が近くてオトクと連絡が来た。高松からの友たちもここに泊まると言うので早速予約してみると、セール対象の客室の空きはラスイチだった。そして神戸に行ったら神戸牛を食べなきゃ!と軍資金を出してくれた妻。色んな口コミやタウン情報をリサーチして、食べログにてオトクなコースを見つけて予約した。旅立つ2週間前であっても、とっても素敵な行程が出来上がりそうだ。

遠足の前の日

飛行機に乗り遅れたら大変だ。そう思い、旅に出る前日のアルバイトさんを1名増強する。翌日に疲れを残さないためと閉店後の掃除を手伝ってもらい早く帰宅するためだ。その臨時に来てくれたアルバイトさんが、以前姫路へ行って穴子料理の店に入って穴子の刺身を食べてきたと言う。とても美味しかったと言うのだ。「うんうん良い情報をゲットだぜ!」とポケットモンスターの元・主人公サトシ風に言ってみた(心の中で)。と言うのも彼は大のポケモン好きである。今回私が利用するスカイマーク航空は2機のピカチュウジェットを保有し全国各地を飛んでいる。1日前にはどの便が該当するのかネットに情報が載るのだが、残念ながら行きの便は違った。
全ての準備を終えて、寝酒を少々。午前2時。フェイスブックを開く。すると以前長野へ旅した際に行ったマイクロブルワリー「長野みなみ風ビール」のオーナーが地ビールフェスティバルで神戸三宮に来ていることを知る。ここ長野みなみ風ビールには同級生が働いているきっかけで以前行き、長野市へ転勤した後輩と共に美味しい料理と地ビールを何種類も堪能したのだ。オーナーのフェイスブックの投稿に現地で会えたらいいなと書き込みした。オーナーは元々長野出身で横浜鶴見に長く住み、働き、地元な凱旋して地ビール店を開業した経歴の持ち主だ。
そして日付けが変わったので復路のピカチュウジェットの確認をすると、私の乗る帰路便が該当しているのではないか!と子どものようにはしゃぐ我が心だ。

ピカチュウジェットに乗れる!!

天気予報も羽田を飛び立つ頃に雨が降り出し(雪の予報もあったが)、到着する神戸では小雨、姫路に着く頃には止むと。まさに雨雲を飛び超えての旅だ。少々お酒の力を借りてぐっすり寝た。

晴男パワー全開!!

2月25日 神戸へ

起床。身支度を終えバスで京急鶴見駅へ向かう。羽田空港への直通運転は本当にありがたい。

急行羽田空港行き

少し時間に余裕をもって出発して来たので、ラウンジで飛行機を眺めて過ごす。

トマトジュースとコーヒーを

搭乗し座席に着くと、そこで降り出す雨。離陸の際のGを楽しむ。後方へ流れる窓の雨粒。分厚い雲を抜け、雲の上の青い空を楽しむ。この時間がたまらない。

この空の色がたまらない

今回は残念ながら富士山は臨めなかった。私は西に向かう際は必ず右側の窓際、戻る際は横浜の夜景を楽しめる左側窓際と決めている。ロンドンから戻る際は偶然にも都心部上空を飛行する新飛行ルートとなり、左側の窓から都心部の多くのランドマークを眺められるそれは、まさに遊覧飛行となったのだった。
兵庫県加古川市辺りで機体は左に旋回し、小雨降る神戸空港に着陸した。

小雨降る神戸空港

実はここ神戸空港は私が日本で一番来たかった空港であった。飛行機で旅することを決めた時からワクワクしていた。身の回りにある品々を使って風景などに見立てるミニチュア作家・田中達也氏の常設展がここ神戸空港の展望デッキにあるからなのだ。

展望デッキにある田中達也氏ミニチュアライフ

前述した長野への旅の二日目。上田市で行われていた田中氏の展覧会を観に行っていた。一昨年銀座の無印良品での催しも観に行った程大好きだ。
展望デッキへ出る。傘がいらない程の小雨の中、まずは滑走路向かって右側のガラス張りの部屋へ。そこは飛行機に見立てたミニチュアが並ぶエアポートゾーンだ。私の好きなハブ ア ライス(ナイス) トリップもここにはある。ご飯粒を雲に見立ててある。

ハブ ア ライス トリップ
パンを飛行機に見立てたミニチュア

旅にいつも持参する360度写真の撮れるRicohTHETAで撮影した写真も楽しんでもらいたい。下記リンクをタッチ(クリック)するとご覧頂ける。この旅の記録の随所にリンクを貼る。

そして中央には大きなブロッコリーを木に見立てて写真が撮れるスポットがある。自分がミニチュアの世界に入り込むような写真を撮影することが出来る。

ブロッコリーの木

左側の部屋は神戸ゾーンだ。神戸市を中心とした街並みを地域の物産、お菓子の箱やお酒のビンなどを建物に見立てて表しているコーナーは圧巻だ。

文房具で作る神戸 題して芯神戸
明石焼きならぬ 明石雪(あかしゆき)
かまくらに見立ててある

このような展示が20ほどある。そしてこの常設展は無料と言うのが嬉しい。ここで1時間程過ごしてポートライナーに乗車し、わずか18分で三宮駅に到着だ。

三宮(三ノ宮)駅前

私鉄各線は三宮駅、JRは三ノ宮駅と「ノ」の字が入ったり入らなかったりするのが面白い。雨の上がった三宮駅から予約した神戸牛を食べに「寅松の肉たらし」へ徒歩5分。

寅松の肉たらし

小さな雑居ビルの3階に位置するこのお店を選んだのは、神戸牛と黒毛和牛の赤身肉食べ比べが出来るお店だからだ。しかも150gずつ。そして食べログ経由の予約だとワンドリンクサービスが受けられる。アルコールもOKと言うことで、飲んだことのない地ウイスキーの「あかし」をロックで頂いた。

とても飲みやすい あかし

焼き手が見えるカウンターに席を取る。本日お焼きするお肉はこちらですと。

出前が神戸牛の赤身、奥が黒毛和牛の赤身だ

炭火で肉を炙る。網に載せたお肉の表面に牛脂をポンポン着けながら焼き上げていく。脂身の少ないお肉がパサつかないようにしているようだ。

牛脂をポンポンと

同様に焼き野菜も牛脂をポンポンしながら火を通していく丁寧さ。チビチビウイスキーを飲みながら育っていく肉を見るのはなんて楽しいんだろう。

神戸牛と黒毛和牛の赤身食べ比べ

神戸牛の赤身はとても柔らかく、旨味も強く、まさに絶品。黒毛和牛は良い意味で噛んでいて肉の繊維を楽しめ、どちらも甲乙つけがたい。ここ数年は脂がもたれると言う理由ではなく、赤身の旨さがサーロインよりも好みになった。しかし、とんかつはヒレではなくロースだ。まぐろは赤身もトロもだ。兵庫県産ひのひかりを使うご飯はお代わりが出来ると言うが、これからの食い倒れ飲み倒れに備えて一杯だけにした。
お店の雰囲気を知ってもらうにも360度写真は役に立つ。

再会

食後に長野みなみ風ビールのオーナーとメールでやりとり。今どこにいるのが確認してみると、三宮の明石焼きの店「たちばな」にいると言う。ここから5分もあれば行けるので向かう。到着すると、その店の前には長蛇の列。とても美味しくて有名なお店のようだ。天内を覗いてみても姿が見えない。再び連絡すると店を変えていて、たちばなまで来てくれた。共に再会を喜ぶ。簡単に近況報告、そしてまた会うことを約束し、10分程で立ち話を終え握手で分かれた。

会えてとても嬉しかったてす!!

姫路へ

JR西日本、新快速姫路行きに乗車し約40分の電車の旅。左側の座席から瀬戸内海が見えてくる。そして明石海峡大橋も。橋の向こうは淡路島だ。

車窓から眺める明石海峡大橋

いよいよ姫路駅に到着。

雨の止んだ姫路駅前

久しぶりに会う友達たち。私が出口を間違えてしまい、再会までに少々時間もかかったが元気な姿・顔に会えるのはとても嬉しいことだった。まずは再会を祝しての乾杯をしに。

試(こころみ)

姫路駅東口にある「試(こころみ)」には兵庫県内のお酒がこれでもかと並び、立ち飲みスタイルでおちょこ一杯180円から飲めるシステムだ。いわゆるアンテナショップ的なお店だ。私は少し辛口だという「姫路城」と言う銘柄を楽しんだ。

ここから姫路在住の友達の家に向かう。主に芋焼酎を沢山(以前は100を超え今は20数本に)所有し、やきとり屋を経営する私も飲んだことのない銘柄がここには沢山並んでいる。数々の美味しい料理を用意してくれて愉しい時間のスタートだ。旬の野菜を中心とした料理、自家製のチャーシュー、つみれ揚げなどどれも美味。お酒もグングン進んじゃう。

芋焼酎は主に飲んだことのないものを含め9銘柄
日本酒だって2杯!

芋焼酎9銘柄、日本酒2銘柄を5時間に渡って大いに笑い、飲み干し、炊き込みご飯で〆・・・のはずが、まさかの嬉しいラーメン屋新生軒へとハシゴ。

新生軒
透き通るスープは絶品。塩ラーメン

ホテルファース姫路に到着。翌日の待ち合わせをして各々の部屋へ。大丈夫。歯磨きだって出来た。大丈夫!二日酔いするなよ!頑張れ自分!
頑張れ!琉球伝説(ウコン)!!

ホテルファース姫路

後編へ続く

そして2日間の旅の動画はコチラ


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