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オーストラリア紀行 Day 5 ブリスベン市内観光
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ブリスベンに戻っても相変わらずあまり体調が上向かない息子。一緒にホテルの朝食を済ますが、ホテルでのんびりしたいと。息子のホームステイ先に行って、どんな所で暮らしているのか見たかったし挨拶もしたかったのだが、先方はバカンスで不在。その家の近くに海はあるものの、これだけゴールドコーストやグレートバリアリーフなどの素敵な海を見てきた後に、そこの海は全く見る価値はないくらい汚いと息子は言う。
ブリスベンに来たもう一つ理由が、日本から持参したカップ麺やご飯などの食料を届け、代わりにブリスベンで必要のなくなった物を一足先に持ち帰るミッションがあったのだ。もう着なくなった冬服や別の制服、壊れたパソコンなど。でも、自力で持ち帰るから良いというので、私一人で午前中、ブリスベン市内散策に出かけた。
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シティホールや川の対岸のサウスブリスベン、人工的に作られたビーチがあるプール、オーストラリアのどこにでもある赤い花や黄色い花が咲く木々、ブーゲンビリアなど、色とりどりな花に癒やされた。
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対岸に戻りボタニックガーデンを歩く。緑豊かな公園にも癒やされた。
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オーストラリアまで来たら、どうしても牡蠣を食べたかった。事前に調べていたジョージズ パラゴンと言うレストランに予約なしで来てみた。何故ここかと言うのは平日のランチタイムは半額だと言う。
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平日だからかすんなり入れてもらえ、早速テーブルに着く。私には高級過ぎる雰囲気のレストランだ。生牡蠣と白ワインを注文。先に届いたワイン。牡蠣が来るまで待てずにちょびっと口に。運ばれて来た牡蠣は9個。真ん中にチリ風味のマヨネーズがあるが味見しただけで無視した。レモンをかけただけで口に含んでみる。う〜ん!たまんない。そして白ワイン。3時間歩いた身体にしみる。牡蠣とのマリアージュも最高。小ぶりだが濃厚かつクリーミー。川沿いの美しい眺め、店員さんのサービス、もちろん味、値段と全て最高。
「楽しんでますか?」
「ええ、とっても」
「他に何か要りますか?」
「では、今度はムール貝とワインをもう一杯」
運ばれて来たムール貝はトマトソースとタイ米が下にしいてあり、とっても美味。私のチョイスは間違ってなかった。
「デザートはいかが?」
「もう十分です。ここブリスベンには息子に会いに来ました。もう一つの理由はシーフードを食べに。願いが叶いました。絶対にまたここに戻ってきます」
ウェイトレスさんとのこんな短い会話も楽しかった1時間であった。日本円にし4000円くらいの豪華な昼食となった。(後日調べてみると閉店)
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部屋に戻り息子に、コアラに会いに行きたいけど。体調優れないのならば、大丈夫。自分一人でも行けるよ。と。
こんな時、スマートフォンは助かる。グーグルマップの大活躍だ。ホテルのWi-Fiで繋ぎ、情報入手。歩く案内、乗り場案内、下車案内、全てしてくれる。部屋に再び息子を残し、バス乗り場に向かう。
3日目となる乗り放題のパスが効かない。つたない英語で伝えるとオーケー!乗りな。と。
バスの車内から眺める景色。人々が暮らす住宅地、ショッピングモールに自動車のディーラー。午前中のウォーキングの時もそうだが、羽が生えたみたいだ。自分の行きたい所へ行き、食べたい物を食べる。海外一人旅の醍醐味を約25年ぶりに味わう。決して家族や仲間との旅が楽しくないって訳ではない。自分だけの自由さと引き換えに孤独を感じられることの楽しさ。身近に体験している感想を言い合う人はいなくとも、そこは荒野に一人でいる訳はないのだから、話そうと思えば周りに人はいくらでもいるのだ。
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終点のローンパインコアラサンクチュアリに到着。早速入場券を買い求める。ガイドマップ片手に園内を歩く。まずはやっぱりコアラだ。居眠りしているコウモリのゲージを過ぎると直ぐにコアラの小屋が表れる。小さい小屋には1匹、大きめの小屋には2,3匹。殆どがみんな居眠りしている。到着した時間が3時くらいだったので、コアラ抱っこやコアラとの写真撮影は出来なかったが、手を伸ばせばもう少しで届きそうな距離にコアラを見られるだけで充分だった。いったい何頭いるのであろう。殆どが寝ているが、起きてユーカリの葉を食べている者、ケンカしている者、イビキをかいているような鳴き声を出す者様々だ。
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次に訪れたのはウォンバット。こいつは1頭だけ。寝ていた。
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コアラと同じくらい驚いたのはカンガルーだ。柵の二重の扉を抜けるとそこはカンガルーの楽園だ。
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100頭くらいいるだろうか。餌やりも出来る。草野球が出来るくらいの広さの中で、カンガルーは近づいてくる人間には怯えない。以前行った金沢自然公園のカンガルーにケンカを売られてビビった苦い思い出が蘇る。ヤツはこちらに向かってきて金網にキックしてきたのだ。でもここのは違う。比べて小さく、大きさこそ違うが、もしかしたらカンガルーにも種類があるのかも知れない。
その後、クロコダイルやタスマニアデビル、カモノハシにも出会えた。オオトカゲはその辺をチョロチョロしている。
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あっと言う間の時間の経過に、園の職員は私を見つけると出口を指差す。スマホを見ると5時だ。お土産店をざっと見たりしてバス乗り場へ向かう。誰もいない。ん?時刻表を見てみると4時58分にバス行ったばかりだ。しまった!
次のバスはこの時から20分後、行き先はシティ方面だがホテルから見て、北側に向かってしまう。ここでも園の無料Wi-Fiに助けられた。グーグルマップだ。経路を色々調べる。途中のショッピングモールで降りて、徒歩で5分の駅に向かえばそこからセントラル駅に行ける。乗り換えのタイミングもいい。もしくはそのままバスでなるべくホテルの近くまで行き、川沿いを歩いて30分もすれば到着するだろう。あるいは終点まで行き、タクシーを使うか。最後の手段は1時間ここで待ち、ホテルの近くまで行けるバスに乗るか。
どの道、ホテルに着くのは6時半と見た私はWi-Fiが繋がるここで息子に連絡を取った。夕食を共にするためだ。6時半にホテル前でと待ち合わせした。
私の選択は10分後に迫ったバスに乗り、乗り継ぎで電車をと。バスの運転手に事情を告げて再びタダ乗り。でも小心な私は不安を感じてきた。電車にも無料で乗れるだろうか。やはりパスは連続した3日間だけなのだろう。駅員に再び事情を説明し、バタバタして乗る予定の電車も逃すかも知れない。追加料金を払うのはイヤだ。途中のショッピングモールで降りるのを止め、なるべくホテルまでの最短距離で帰れるのバス停で降りて川沿いを歩くことにした。結果、これが功を奏した。ブリスベン側に輝く夕陽を眺めながら写真を撮ったり景色を楽しんだり出来たのだ。
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息子とした待ち合わせ時間の3分後に無事に到着した。さすがグーグルマップだ。いや、グーグルマップ様々だ。と言うのも、インターネットに繋がらないくて調べものは出来なくとも、GPSが今どこにいるのか教えてくれる。マップは何度も開いているので、メモリーされているので問題なく使用出来る。こちらにもお礼を言いたい。GPS衛星様々だ。
最後の晩餐に選んだ店はサウスブリスベンのウエストエンドにあるやきとり屋さん「Birds Nest」。ホテルから片道徒歩20分といったところだ。ここサウスブリスベンのウエストエンドは落ち着いた雰囲気で私は好きだ。シティ中心部は若者で溢れてるが、ここは年配者も楽しめる店が沢山ある。
このやきとり屋さんの内装は洋風だが、カウンター席が焼き場を中心に正面と脇にある。寄らなかったが、入口から覗いたとなりの日本食レストランの内装は純日本風。日本にいるような錯覚がおきそうだった。
私達が選んだ席は焼き手を横から見られるカウンター席だ。
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息子はコーラ、私はスーパードライの生ビールを注文。今日1日沢山歩いた身体に再び染みた。
食べ物は、かわ、ねぎま、つくね、手羽、ささみ、サラダにざる豆腐に温泉卵。
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焼き台に目をやる。炭は備長炭?と真ん中に穴の開いた炭をミックスしている。並べたやきとりに恐らく水をスプレーしている。料理酒ではなさそうだ。そして塩のかけ方が面白い。木製の二升くらいの大きさのマスに入れられたピンク色(岩塩?)を3本の指でつまみ、片道1回の往復2回ドバドバかけていく。見ていて絶対にしょっぱいと思った。でも後に出てきたやきとりは、しょっぱくて食べられないと言う訳ではなく、まあ確かに少し塩辛いが許容範囲内だ。そして胡椒だ。イタリア料理店とかで見るあの木製の大きなガリガリするヤツだ。タレの味は自分の好みより少し甘いが、日本で食べる大手チェーン店と同じと思っていい。タレは輸入かも知れない。
こちらブリスベンで息子はラーメンやうどんなど日本食はよく食べているようだが、このような居酒屋に来たのは初めてだと。冷奴を塩で食べるなど日本ではしてこなかった味わい方を息子は楽しんだ。
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2杯目はメニューで見つけた「旭萬年黒麹」をロックで。こちらで産まれたと言うオーストリア人とのハーフの女店主に、写真を撮るためにボトルを貸して欲しいと持ってきたのは「万年星」。麦焼酎だ。
「あれ?でも良いです良いです。これも好きですから」と言うと、ダメダメ‼と芋焼酎に交換。後で店主が飲むから大丈夫だと。つかの間の晩酌は日本円で10000円くらい。二人共おおいに楽しんだ。帰り道も歩いて帰った。街にはまだクリスマスの雰囲気が残っていて、これまた楽しい。
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いったい今日は何キロ歩いたんだろう。疲れた。明日は朝6時に起きてチェックアウトに備えなければならないので10時半に早めに寝ることにする。すべての身支度、パッキングを終える。入浴する際に感じた事だが、少々身体がダルい。風邪か?と自問自答。息子の風邪が伝染ったか?日本から持参した喉を消毒するスプレー。そしてロキソニンを飲んで横になる。大量の水も飲む。しかしどんどん体調は悪くなる。睡魔は一向にやって来ない。汗ばむ身体。子供の頃を思い出す。そう言えば風邪をひいた時に、母はバファリンを飲ませ、掛け布団を重いと感じるくらい何枚もかけて汗を出させた。熱を下げる方法だ。
ベッドに入って30分。全身が汗で濡れた。ヒルトンホテルのベッドに申し訳ないと思った。シーツも掛け布団も枕もビチョビチョだ。更に30分我慢する。そしてシャワーを浴びて着替える。すると10あった違和感が2くらいに軽減されたのを感じ、再びベッドの濡れてない場所を選んで横になる。20分経った頃だろうかようやく睡魔が訪れたようだ。