真夏の夜の夢【毎週ショートショート/棒アイドル】
「アイス食べに行こうぜ!」
友達に誘われて
小学校から顔馴染みの駄菓子屋に行った
「おばちゃん!アイスある?」
「おもしろいアイスがあるのさ
高校生にもなって
こんな駄菓子屋にきてくれたしねぇ……
プレゼントするわ」
「まじで!おばちゃん、神!」
調子のいい友人のおかげで
俺までアイスをゲットした
最高気温36度
アイスの冷たさが心地いい
「お前の、当たりじゃん!」
人生初の【当たりアイス棒】
無駄に嬉しくなる。
「もっかい行こうぜ!
っーか、ホントに当たりか?見せろって」
友人が取ろうとした瞬間
「いや!触らないで」
どこからか、可愛い声がした。
「今どきの男の子って
なんでこんなに乱暴なの!
アイドルって雲の上の存在なのよ
失礼しちゃうわ!
あっ、この棒に
好きな子の名前を書いて
枕の下に入れて寝てね。いいことあるわよ」
その晩
あの子と手を繋いで
映画を見る夢を見た
朝になり、
机には1通のメモが
「棒アイドルは、夢を叶えるお仕事です」
また買おうと
駄菓子屋にいくと
そこには空き地しか、なかったのだ
435文字
毎週ショートショートに参加してます。
意外と難しい。
言葉を選ぶのが大変ですが、
なぜか楽しいのです。
詳しくはこちら
🔻
サポートいただきありがとうございます。励みになりますし、記事が、何かお役に立てれば光栄です!