泣いている障がい者もいる。なぜ頑張れないのか、黙して死んでいった人のことも、教科書に載せて:上東麻子さんが医学ジャーナリズム協会賞受賞


上東麻子さんの受賞


先日(10月30日)札幌いちご会でお招きし「私たちはなぜ殺されるのか」という題で津久井やまゆり園事件を中心にお話いただいた、毎日新聞記者の上東さんの本「ルポ『命の選別』 誰が弱者を切り捨てるのか? 」が、医学ジャーナリズム協会賞を受賞しました。
https://mainichi.jp/articles/20211027/ddm/012/040/110000c
15日に受賞シンポがあり、オンラインで配信され誰でもみることができます。ほかの受賞者の話もおもしろいかもしれません。ご参考までに。
https://www.mejaj.org/award


教科書に載せるのは、乙武さんの話しだけではだめだ


障がい者といえば、「五体不満足」の著者である乙武さんが日本人ではいちばん有名かもしれないが、乙武さんの経験が全ての障がい者の経験を代表するものではないと、私も知っているし、これは全ての障がい者が知っている。

障がい者で頑張っている人達の話しを本に載せて、「がんばれ」というのはおかしい。頑張れなくて、ないている障がい者もいるのだ。なぜ頑張れないのかを追及した本もあっていいはずだ。沈黙して死んでいった人のことも、この世に歴史を残していかないとだめだ。

私も「がんばってるね」とよく声を掛けられるが、頑張らないと死んでしまう、障がい者の自分は生きるために頑張っている。でもそこで頑張れなかったとしたら、自分の意見も言えないで孤独になったり、施設にいられてしまう。そういう障がい者の歴史が何十年・何百年と続いていることが悔しいのだ。

上東さんがご本で書かれているように、障がい者がなぜ殺されるのかという理由を教科書に載せるべきです。まだ訴えたことがないのでわかりませんが、教科書会社や文部科学省などにご本の抜粋などを掲載できないかどうか聞いてみるのもいい。小学校高学年や中学校の子どもたちにもわかりやすい言葉にして、載せることが重要だ。

障がい者と触れ合う機会を作れば、ケアの心も育まれる


私には付き合いの長いボランティアさんがいた。その方が小さい頃に、知的障がい者の同級生がいて、その子の鼻をかんであげていたという。「将来このような人のための仕事をしたいな」と考え、大人になったらいちご会のボランティアになってくれた。

私はその人とスウェーデンに行った。その人はその後静岡に移住して、養護学校の先生になった。いまでも交流は続いており、札幌いちご会を支えてくれている。いま思うと、この人は私の一番最初の秘書であった。

障がい者と健常者を区切らないことで、ケアをする心は、子どものなかにも育まれるのだ。このような話も、子どもの読む教科書に載せるべきだと思う。

新聞やテレビでいくら障がい者のことを見聞きしても実感はわかないと思う。子供たちが自分でケアの心を育てて、友達が「障がい者がきたない・邪魔だ」などと言ったときに、止められるようにするのが真の教育だ。

いちご会のZOOM講演会に参加された皆さん、感想を送ってください

先日のZOOM講演会で言い忘れてしまったことがあります。参加された方の感想が聞きたいです。札幌いちご会では今回「障がい者の未来を探す」としてシリーズで三回無料の講演会を行いました。インターネットなので、皆さんのお顔を見ることができませんでしたが、それぞれ当事者の方、行政や代議士の方、施設や事業所で働いているかたが、土岐めぐみ先生・木村英子参議院議員・上東麻子記者の話しを聴きに集まってくださり、質問も下さったのです。皆さんが参加してみての感想をいちご会にお送りいただけませんでしょうか?今後の励みにしたいと思います。よろしくお願いします。

メールは info@sapporo-ichigokai.jpです。


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