見出し画像

子供を育てる経験にかわる経験は、この世に存在しない

子供を育てる経験にかわる経験は、この世に存在していないと思う。
そして、子供を育てる経験は、ものすごく、もんのすごく、素晴らしい。

私は、めちゃくちゃ顔がタイプで性格もめっちゃ好きな人と結婚したので、「二人の生活でもいい」と思っていたが、なんやかんやで運よく授かることができて、今年娘が9歳になった。

その全ての日々が愛おしく、年少さんから毎月写真を印刷してコレクションし、それ以前は絵日記を描き、娘の全てを記憶したいと思い過ごしてきた。昨晩も、お皿洗いを優先させてしまって、先に娘が1人で眠ってしまった時には絶望から涙が出そうになり、「皿なんて割って寝かしつけに専念すればよかった」「貴重なイチャイチャタイムを逃した自分を許せない」とのたうち回った。

これからも誰よりも愛しているし、自分の命を削ってでも娘を守りたいと思っている。お前は俺が守る。ガチで好き。マジで好き。好きすぎて死んじゃう。愛しすぎちゃってる。「こんなに好きになると思ってなかった!一生分の好きを使い果たしそうだ!」日向坂46の気分。(「ドレミソラシド/日向坂46)

ちなみに娘への「好き」は無限に湧いてくるので、フォーエバーラブでエターナルラブなので、一生分の好きは使い果たさないんだけどね。そこらへんのポッと出の少女の恋愛と一緒にされては困るんだ。

なので、「子供はいらないかも〜!」なんて言っていた20代の私を見つけたら、首根っこを捕まえて監禁して、「いいから産め」と説教したい気分ではあるが、「子供を持たないと、人として立派になれないか」と言えば、そんなものは、当然NOであり、断然NOであり、「子供を持っている人は、立派か」と言えば、そんなものも、当然NOであり、断然NOである。

子供を持ってもロクでもない人間はごまんといるし、結婚も子供もいなくても、「人間ってこの世に修行に来ているって聞いたんですけど、あなたはどうして人間界におられるのですか?」という人もいるから、マジで関係ない。

私も当然、未熟な修行中の人間界のクソガキのまま、僭越ながら娘を育てさせていただいている。この間も、夕飯を作るお手伝いをしてくれていた娘がラップを変なふうにちぎってしまったことに腹を立てて怒ってしまい、「先ほどは、イライラして本当にすいませんでした。ママが悪かったです。許していただけるだろうか」と謝罪したところである。ぎゅーして仲直りである。

結婚した、子供がいる、二人産んだ!いや私は三人!みたいなマウントをする人が、万が一あなたのそばにいるとすると、それは「この持ちモノ以外に、あなたにマウントを取れるモノを持っていません」という降伏宣言であり、そもそもなんかそれらを「モノ」として自分に飾っている感じなので、めっちゃダサいから、「(へ〜だっさ)そうなんですね〜」「持ってるんですね〜」と棒読みで流す方が良いです。

「あなた、子供1人!?2人以上産まないとダメよ!うちは娘が2人だけど、1人は結婚したけど、1人は結婚もしないで困っちゃうわよ。まあ結婚してない方がたまに私の世話をしてくれるんだけど。2人産まないと、世話してくれる人がいなくなっちゃうわよ!」と、急に知らんババアご近所の初対面のご婦人に言われたことがあるのだが、「ああ〜(うるせえババアだな)」「へえ〜(面倒見てもらってて、娘のこと貶してんのかよゴミクズが喋りかけんな)」「そうなんですねえ〜〜(私は1人で楽しく死ぬんで大丈夫です〜)」で流した私である。

そんな感じで、結婚して、子供を産んでも、よくわからない当たり屋みたいなマウントに合うので、無理に好きでもない男と、したくない結婚をして、欲しくもない子供を産んでも、このマウント地獄からは逃れられないので、「外からどう言われるか」より、「私がどうしたいか」で決めた方が良い、ということも申し伝えておきます。

とはいえ、子供はめっちゃ可愛い。自分の子供はマジで可愛い。もうどうしたらいいかわかんないくらい可愛い。私は産むまで、子供嫌いで、「うるせえな」と睨みつけているレベルだったが、もはや9歳以下(娘より年下)の子供は、娘の「その頃」を投影するから、朗らかな気持ちで眺めているし、なぜかニコニコして見つめている気持ち悪い中年のおばちゃんになった。

娘が好きだ。娘に幸せになってほしい。そのために私が必要なうちは、元気でいたい。一緒にいたいと思ってもらえるうちは、一緒にいたい。娘が生まれてからの9年間、私の願いはこれに尽きる。




いいなと思ったら応援しよう!

おさかながお
読んでいただけて嬉しいです。いただいたサポートは、わたしのおやつ代になるでしょう。太らせたくない場合は少しにしてください。

この記事が参加している募集