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鮎釣りを教えたい父2023②
2023年7月某日、3人の弟子(夫、弟、私)はそれぞれに鮎釣りに対する気持ちを昂らせて実家の父のもとに集結した。我らは皆、父にウェアと道具を揃えてもらっていた。持ち物は鮎に対する熱き気持ち、これだけである。
だが弟子たちは気持ちが昂り過ぎて、「鮎釣りといったらコレでしょ」と竹傘をネットで買った。お揃いの渓流魚Tシャツも用意した。その姿を見て父は「お前たちはしょうもないな」と言いながら少し嬉しそうにも見えた。
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竹傘はマストアイテムと思われた。
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川に到着し、竿の扱い方とオトリの付け方のレクチャーを受けると、すぐさま弟子たちは川に飛び出した。
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師匠は言う。「やって覚えろ」そして川べりで眠り出した。これが師匠の流儀である。
清流の中、四苦八苦しながらオトリを操作して試行錯誤しながら9mの竿を取り回した。お揃いで買った竹傘に釣り糸が絡まる…!素人に竹傘は早かったか…
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【昼食】
母が事前に我ら弟子たちにリクエストをとって用意してくれたおむすびは、今まで見たことがないくらい大きかった。忘れていた、女将の手はヒグマのようにデカいのだ。
4個!とか大声で言ったあの時の私を殴りたい。
夫は5個、弟は6個。3人とも魚のような目をしておむすびを見つめる。
…これも修行の道なり…
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弟子たちはヒグマ女将の愛情を感じながら、夢中で特大おむすびを頬張った。
女将、ごっつぁんです。
その日はなんとか3人ともかわいい鮎を何匹かずつ釣ることができた。
鮎はとても美しい。
竿先から手元に伝わる躍動。タモへ取り込むまでの緊張感あるヤリトリ。タモの中で見たことない輝きで煌めく鮎は、これまで40年以上父の心を捉えてきたのだろう。その気持ちを少し垣間見ることができた。そして私たちの心を捉えるにも十分な感動だった。
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大満足の1日。父プロデュースの鮎釣りは無事に幕を閉じたのである。