きみはまだGOROを知らない -後編-
ご挨拶
このnoteは前編の続きになりますので、まだの人は前編を読んでみてくださいね
後編では残りのGORO作品を見ていきます。
また、前編・後編ではあくまで氏の記述をベースとして極力客観的に書こうと努力してきたため語りたいけど語れなかったことが山程あります。
そのため、主観全開で書く番外編も後日投稿しようと思っていますのでそれもstay tuned!
GORO作品を見てみYO!!(後編)
前書きのせいであまりにも文字数が多くなってしまった前回に引き続き、今回は下記の3つのプロジェクトを見ていきましょう。
MiniGoros
SolGoros
NeverNeverNfts
MiniGorosとSolGorosはまとめて記載します。
MiniGoros & SolGoros
この2つの作品についてもGORO氏は様々なところで言及しています。
今回はPolygon Japanさんの記事の中から氏の2つの発言をピックアップします。
各作品を単体で見るのではなく、壮大なGOROプロジェクトの一部として考えると見えてくるものがあるので、それについては特に詳しく書いていきます。
流動性とマーケティング
これはGORO氏が重要視している流動性についての話とマーケティングについての話ですね。
GORO氏は度々、流動性の大切さについて語っており、新作リリースの一番の目的はやはりここにあるのではないかなと個人的には考えています。
ちょうど先日、GORO氏による虎の巻も公開されたので氏のマーケティング戦略に興味のある方はぜひ読んでみてください。
MiniGorosリリース時点ではosakanaはまだGORO氏を知らなかったので細かな動きはわからないのですが、SolGorosのときにはGORO氏のTwitterフォロワーが一気に倍近く伸びたのを覚えています。
discordに参加するメンバーも増え、最近は少々ペースダウンしてますが、毎日のように新たなRAMEN画像が投稿される様子は見ていてとても楽しかったです。
そういった新メンバーがGORO氏やコミュニティのことを知り、CryptoGoros購入にも繋がっていきました。
ヘンリー・ダーガー 『非現実の王国で』
下記は「コアな価値観として意識していることは?」と問われたときのGORO氏の回答の一部です。
この記述はGOROプロジェクトを読み取る上でとても重要なものに思います。
ここで結論として述べられているヘンリー・ダーガーについて見ていきましょう。
ヘンリー・ダーガーは『非現実の王国で』という小説の作者として有名です。
作品のあらすじとしては、「グランデリニアンという悪の存在から子どもたちを救うために立ち上がった7人の少女"ヴィヴィアン・ガールズ"の物語」といったところでしょうか。
要はファンタジー小説です。
小説と言っても、ハリーポッターのように1巻ずつ作者が書いては出版されというタイプのものではなく、その驚くべき来歴から今となってはかなり有名な芸術作品として認知されています。
この物語は、ダーガーが約60年にも渡りたった一人黙々と書き続けてきた約1万5千ページもの文章と数百枚の挿絵で構成されています。(未完の続編も含めるともっと多い)
特に親しい人もいなかった彼は、ご近所さんからも「よくわからない人」と認識されており、彼が死ぬ直前まで誰もこの物語の存在を知りませんでした。
作者が死ぬ少し前に、彼の部屋の片付けをしていたアパートの大家(ネイソン・ラーナー氏)がたまたま部屋からこの作品を発見し、後に発表、世界はビビリ散らしました。
この作品の価値に気付いた大家のネイソン・ラーナー氏は本当にすごいと思います。他の人に見つかっていたら多分捨てられてた。
この物語では子供たちの虐殺といった表現も多く出てきます。
作者自身、少年時代は悲劇的な体験を経ており、そういった体験から生まれてきた物語なのかもしれませんね。
もっと詳しく知りたい人は下記のヘンリー・ダーガー公式サイトが多分一番いいです。挿絵の画像も載っています。
英語ですがまるっとグーグル翻訳でも十分読めます。
ちょっと調べた感じ、日本語情報はそもそも間違ってたり情報少なかったりするので。
正直憧れる生き方ですね、ヘンリー・ダーガー。
ゴローワールドと『非現実の王国で』
Mini/Sol Gorosの話に戻ります。
忘れがちですがMini/Sol Gorosには裏設定が存在しています。
MiniGoros
MiniGorosはゴローワールドに住むGORO氏のコピーであり、犯罪者たちであるとのことです。
SolGoros
これは正直よくわからないのですが別のチェーンからきたミステリアスGOROたちが世界を支配するでしょうという予言だそうです。
もっと詳しく裏設定が書かれたことがあった気がしたのですが見つけられず…気のせいかも。
おまけ:CryptoGoros
ちなみにCryptoGorosにも存在しています。
このように、それぞれのGorosにはバックグラウンドとなるストーリーがあります。
おそらく今後も別のチェーンでGorosが誕生するんじゃないかなと個人的には予想しています。
これまで、そしてこれからもたくさん作られるGorosたちがひとつの大きな世界『ゴローワールド』を構成する未来を想像してみてください。
そのゴローワールドがどういった形で表現されるのか、とても楽しみですね。
なんてことを思いながら以前こんなツイートをしてました。
NeverNeverNfts
NeverNeverNfts(NNN)はコンセプチュアルアートとosakanaは解釈しています。
コンセプチュアルアートは説明がすごく難しいのでGORO氏の美術史noteによる解説を待ちたいところではあります。
マルセル・デュシャンの"泉"を例にとった説明だと普通すぎてつまらないので、ジョセフ・コスース <1つと3つの椅子>という作品を例にとって解説文を一回下書きで書いたのですが、めちゃくちゃ長くなったので消しました。
検索したら読みやすい記事があったのでリンクを貼っておきます。
細かく知りたい人は読んでみてください。
簡単に言うと、パッと見のビジュアルだと何が良いのかわからないけどその作品の制作プロセスだったりを細かく分析したりするとめっちゃおもしれーー!ってなるし作者もそうやって見てもらうことを前提に作っている作品といったところでしょうか。
なんというか、小難しく考えながら脳で見る作品ってわけです。
また、NNNは作者が語っている情報が皆無、かつ、おそらく今後も語られることはないであろう作品ですので、今までの作品解説と違って全て推測に基づくosakana解釈で書いていきます。
今までは事実ベースでなるべく推測を挟まないようにしていたのですが、NNNはもう遠慮なく推測で書きまくります。
NNNの仕組みの解説
osakana解釈を書いていく前にまず、そもそものNNNの仕組みを解説してから次の小見出しで作品を読み解いていきたいと思います。
この作品はブロックチェーンの仕組みやNFTでよく使用されるIPFSの仕組みを活用していてなかなかテックな作品です。好き。
逆に言うと、そういった仕組みを知らないとなかなか難しい作品かなとも思います。
もちろん仕組みを知らなくても次々と追加される絵や突然なにかが起きたりする様子を見ているだけでも十分楽しめます。
NFTやSTEPNなどからクリプトに参入した人の中にはいまいちブロックチェーンの仕組みがわからない人も多いと思うので、基本から説明していきます。
しかしosakanaはエンジニアではないので記述が間違っている部分があったらつよつよな方はこっそり教えてほしいです。
この辺の話聞かなくてもわかっとるわ!という人は下に羅列した特徴だけ読んでから次の小見出しへと行っちゃってください。
NNNの特徴は下記です。
直コンmint
2056年5月6日までrevealされない
reveal後の画像が最初からIPFSにアップされている
IPFS上の画像はあとから作者が差し替えられるようになっている
reveal前の画像もあとから差し替えられるようになっている
reveal予定日とコントラクト以外、全ての情報を作者が公開していない
ひとつずつ見ていきましょう。
・直コンmint
etherscanにアクセスし、特定の情報を書き込むことで誰でもmintすることができます。
(NNNのコントラクトアドレス)
https://etherscan.io/address/0x5ff463d1d855cedfafa7dae56139f2897327190f
ほとんどのNFTは作者が用意したサイトでmintボタンを押すことでmintしますよね。
そのとき裏では、このコントラクトに必要情報を書き込みmintするという挙動が行われています。
多くの人にとっては直接コントラクトに書き込む作業はハードルが高いものです。
そのため、わかりやすくするためにサイト上にmintボタンが用意されているのがほとんどのNFTプロジェクトです。
しかし、直接コントラクトに書き込むスキルを持っている方は別にサイト上でボタンを押さなくても直接eherscanから必要情報を書き込んでしまえばmintできます。
この直接書き込みmintすることを直コンと呼びます。
あえて直コンのみでmintさせるという方式は結構前からありました。
注目されるようになったのは昨年の夏ごろに話題になったLootプロジェクトからかと思います。
(Loot作者のdom。好き。)
そしてNNNリリース前にサイトが用意されておらず直コンでのみmintできるというNFTが話題になりました。
Nothingです。
そしてGORO氏はこれに憧れてNNNを作ったとのことです。
・2056年5月6日までrevealされない
通常のNFTはせいぜい数日でrevealされますが、NNNはなんと2056年までrevealされません。
・reveal後の画像が最初からIPFSにアップされている
NFT=画像と勘違いされている方がたまにいらっしゃるので基本から簡単に解説します。
そもそもNFTの本体はノンファンジブルなトークンです。つまり暗号通貨です。
多くのNFTは、そのトークンに対してIPFSという分散型ストレージにアップしたpngやjpgなどの画像を紐付けています。(PlutoさんがPFPにしていたり、osakanaも持っているCyberBrokersなどの例外もありますが)
このトークンこそがみなさんがNFTと呼んでいるものの正体です。
さて、ではNNNはどうなっているかと言うと、例に漏れずreveal後の画像はIPFSにアップされています。
というかアップされてしまっていてしかも画像にアクセスできます。
普通のNFTならreveal前は見られないようになっています。
が、あえてそれをしていない。
ということは、最初から画像は見てしまってもいいという前提の作品ということです。
・IPFS上の画像はあとから作者が差し替えられるようになっている
IPFS上の画像はあとから作者がいくらでも変えられるようになっています。
ある日突然すべての画像がGORO氏の自撮りに差し替えられるのではないか!と戦々恐々としていたのですが、そんなことはなく、新たな画像がアップされましたね。
・reveal前の画像もあとから差し替えられるようになっている
これも差し替えられましたね。
reveal後reveal前どちらも自由自在に差し替えられる状態というのは自由度が高くて楽しいです。
・reveal予定日とコントラクト以外、全ての情報を作者が公開していない
これ以外なんの情報もないです。
だからこそ面白い作品になっています。
作品意図 -解釈①
さて、一通りの仕組みの解説が済みましたので作品意図を読み解いていきましょう。
この作品は2通りの解釈ができると考えているので1つずつ書いていきます。
まずは解釈①です。
これは後に説明する②より複雑なものです。
個人的にはこれかなと思っているのですが少々深読みし過ぎているかなとも思っています。
解釈①は、NNNというNFTを手段として用いて市場参加者の動き(トランザクション)自体を作品とするブロックチェーン芸術と考える見方です。
ブロックチェーンでしかできないことをやっている大変面白い作品です。
NNNの仕組みを用いることで通常のNFTではありえない*市場や市場参加者の動きを観測することができ、その動きが記録されたトランザクションが作品です。
(※2056年までの超長期でreveal前トランザクションが発生するという意味で)
NNNで生じる取引はブロックチェーンの仕組みを使った面白い動きも観測できます。
ブロックチェーンなので、当然、市場参加者もその性質を利用して取引します。
例えば、NOTDAOが誰でもreveal後画像を確認できるサイトをリリースするまでの間は、やり方を知っている人だけが見られる状態が数日続いていました。
そこで、やり方を知っているosakanaはreveal後の画像を見ながらOpenSeaに出品されているものの中から欲しい絵柄のものをピンポイントで買うという性格の悪い動きをしていました。
ただし、ここであまりにも不自然な金額で買ってしまうと、reveal後の画像が見ることできると他の人にも気づかれてしまう恐れがありますので、あくまで自然な動きで買う必要がありました。
そういった市場参加者の心理も含む様々な動きはすべてイーサリアムチェーンにトランザクションとして刻まれていきます。
その膨大なトランザクションそのものがNNNという作品の本体です。
作品意図 -解釈②
これは単純明快な解釈なのですが、
度重なる先物トレードで爆損し続け生活費に困ったGORO氏が重い腰を上げて本気を出し、(前述した)Nothingにインスパイアされた作品を作ったところ、コードをミスってIPFS上の画像が最初から見られるようになってしまっていた。
という考え方です。
つまり全くの偶然でosakana解釈①のような解釈ができる作品が出来てしまっていたということです。
GORO氏のことだからまさかそんなことは無いと思いますが。
しかし仮に解釈②が事実だったとしても、そんなことはわりとどうでもいいことであることは記載しておきたいです。
作者が意図していない形で作品が解釈されることはよくあります。
osakanaも2011年以降の数年間に作った作品は海外のコンペでは「この作者は日本でのTSUNAMIの影響を受けてこのような表現をした」と解釈されてしまい、違うんだよなあと思いながらも英語で説明するのが面倒くさすぎて「YEEEEES!!!」と答えたりするくらい適当でしたがそれはそれで作品としてはちゃんと評価してもらえたりしてました。
考えようによっては作者自身が無意識にTSUNAMIの影響を受けた表現をしていたとも考えられます。(実際自分があの震災で多大な影響を受けたのは事実ですし)
また、作者も気付かなかったけど実は歴史的に意味のある作品であることにあとから別の誰かが気付いたという例もあります。
(正確には「そういう例がある」と以前どこかで読んだだけなので事実確認がとれていないです。ファクトチェック出来ておらず申し訳ない。。もし知っている人いたら教えてください)
後編の終わりに
前編の公開から実に半年が経過してからの後編投稿となり、楽しみにしてくださっていたみなさんにはお待たせして申し訳ないという気持ちでいっぱいです。
「きみはまだGOROを知らない」の連載はあと1回、番外編の投稿で終わる予定です。
番外編では、
・osakanaがなぜGOROプロジェクトが好きなのか
・コミュニティメンバーの一人としてこれからどうしていきたいのか
・osakana自身のスタンスの表明
といったすごく個人的な内容を記載する予定です。
つまりなぜosakanaがGORO氏にここまで入れ込んでいるのかという理由/目的の透明化を行うためのnoteになります。
先出しでちょっとだけ理由を書いておくとosakanaがかつて人類だった頃に抱いていた夢を実現できてしまうかもしれない存在がGORO氏であるからというところです。
また、クリプトの世界は詐欺師や怪しい人たちが多いので、基本はみなさんにも「Don't trust, Verify.」を忘れないでいただきたく、osakanaのこともtrustしてほしくないのですが、この一連のnoteで情報発信したりモデレーターをやったりする中である程度osakanaの発信する情報をtrustしていただく形になってしまいます。
そういった理由もあり、みなさんがverifyするための情報提供という意味でも自分のスタンスはどこかのタイミングで一度明確に表明しておきたいなと思っていました。
今回もまた長くなってしまいましたが読んでくださったみなさん、ありがとうございます。
最後の行まで読んでくれた君だけに、この言葉を贈りたい。
GORO = GORO
osakana.eth