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#14 テレビはオワコン?

そもそもオワコンとは、インターネットスラングで「終わったコンテンツ」を意味する言葉です。世間的に飽きられている、流行が過ぎているなど、良い時期が終わったと見なされたコンテンツに対して使用されています。
また、題材にあげているテレビに関してですが、民間の地上デジタル放送(日本テレビやTBSなどが流しているテレビ番組、以下テレビと記載します)を指しています。

ちなみに2022年4月時点での情報ですが、日本の民放地上波放送局は「キー局」、「準キー局」、「ローカル局(地方局)」、「独立U局」合わせて127局(NTV系列局28局、TBS系列局28局、CX系列局28局、EX系列局24局、TX系列局6局、独立U局13局)あるそうです。

オワコンと言われ始めたのはいつ頃か?

では、いつごろからオワコンと言われていたのか色々と調べてみました。2000年代には、テレビをオワコンだと言っていた人はほとんどいなかったらしいのですが、2011年頃からコンプライアンスを重視する風潮が更に強まり、面白いかどうかの番組作りよりもコンプライアンスを重視した番組作りに変化していったようで、この頃からテレビをオワコンだと言う人が増え始めたようです。確かにこの頃はコンプライアンスという言葉をテレビでたくさん聞いたような気がします。

コンプライアンスを重視したからテレビが面白くなくなってしまったという理論が正しいかどうかは分かりませんが、「昔のような面白いバラエティ番組が無くなった」と言って、テレビから離れていった方も実際にはいたのかもしれません。

YouTubeなど動画メディアの台頭

個人的にはコンプライアンスというよりかは、YouTubeなどの動画メディアの台頭や成長、多様化がすごく影響していると感じていました。YouTubeは日本語版のホームページを2007年に開設しました。それ以前からも知名度はあったようですが、開設以降、急速にページビュー数(視聴者)を増やしていきました。2014年頃には世の中にスマホがかなり普及し、もはやその時点でもYouTubeを知らない人はいないのではないか?と思えるくらいの知名度だったような気がします。

2010年頃までは動画メディアといえばテレビしか選択肢がないような状況だったと思いますが、この2014年頃からは、YouTubeなども徐々に選択肢に入るようになっていきました。最近では、NetflixやHuluなどの動画配信サービスも普及したことで、選択肢は更に増え、テレビから離れていく人が増えたように感じます。

実際の視聴率

主要局の世帯視聴率推移(ゴールデンタイム、年度ベース、2003年度〜2023年)というデータを見てみると、どの局(NHK、日本テレビ、フジテレビ、TBS、テレビ朝日など)も2003年に比べると現在(2023年)は下落しています。2003年には11〜14%あった視聴率が2023年には5〜9%になっています。正直、この視聴率の低下によって、どれほどの人間がテレビを見なくなったのかはわかりませんが、一昔前に比べて確実にテレビは見られなくなってきています。


視聴率はどうやって計測している?

日本では「ビデオリサーチ」という調査会社が、1962年に視聴率調査を開始して以降、長年に渡りテレビの視聴率調査を行なってきたようです。現在では、全国32地区、10700世帯において視聴率の調査を行っています。その調査世帯のテレビにピープルメーター(PM)という専用機器を取り付け、テレビの稼働状況を自動で計測します。このデータをベースに世帯視聴率を計算し、さらに、専用のボタンをPM設置世帯の各人に押してもらうことで、誰がいつどのチャンネルを見たかもわかるので、個人視聴率も調べることができるようです。

ここからは個人的に疑問に思ったことになります。まず、「全国に約5,000万世帯あるのにたった1万世帯のみの調査で統計として意味をなすのか?」という疑問を持ちましたが、これに関しては標本調査であって統計学的には問題がないようです。若干の誤差は生まれるようですが、ある程度信頼がおける数字になるようです。

次にビデオリサーチしか視聴率を計測していないということに疑問を感じました。過去には広告の会社が売り上げを上げるためだとか、テレビ局が視聴率を気にするあまり、この視聴率を操作や偽装したとも言われており、実際に事件になったりしています。不透明だなーと思いながらも色々と調べてみると、日本で視聴率調査をしている会社はビデオリサーチのみではなく複数社ありました。ただ、多くのテレビ局でビデオリサーチの視聴率が利用されているということは間違いなさそうです。

そして、ビデオリサーチは日本の大手テレビ局や広告代理店を主要株主や取締役としているようで、これは外部の関連会社からの影響という大きなガバナンス上の問題を含んでいるでしょう。たとえば、大手地上波テレビ局とは資本関係のないテレビ局の扱いはどうなってしまうんだろうという問題などです。また、世界からも世界的に見てもかなりの規模のテレビ広告市場を持っている日本が他国に比べ、非常に後進的な方法で視聴率を計測しているのはなぜなのか?という疑問を投げかけられていたり、実際に改善を求められているようです。

これらのことを調べてみて、「大手テレビ局や広告代理店など限られた企業だけで利益を独占できるような仕組みになってるな〜、都合が良いようになっているな〜」と個人的には思ってしまいました。ですが、調べが甘いだけで、実際はそうでないのかもしれません。また、陰謀論みたいなことを言うつもりはありませんので、この話はこの辺りでやめておきます。


自分はいつからテレビを見なくなったのか?

では、私自身がテレビを見なくなったのはいつ頃でしょうか?最近では全くテレビを見ることがなくなりました。家族で夕食の場面でも、私や妻や子供が一緒に見れるコンテンツを動画配信サービスから選んで、流すというような感じです。私が子供の頃は「とりあえずテレビつけるか!」的な発想が親や自分にもあったと思うのですが、今は一切ありません。

現在、私には子供が2人いてどちらも小学生なのですが、その子供たちもリビングや自室で地上波の番組を見ることは一切ありませんし、子供たちが自発的に見ているのはYouTubeや動画配信サービスの好きなチャンネルやアニメです。現状、地上波の番組を視聴しているのは妻だけですが、それも特定の見たい番組をたまに見る程度です。

こうなってくると少子高齢化の日本の状況では、将来的にテレビはますます不利な状況に陥るのではないかと思います。

私の子供の頃を思い返してみると、「あのアニメを見るぞ!」とか「あのバラエティ番組を見るんだ!」と、時間を作ってテレビの前に座ったことが思い出されます。あの当時、テレビは自分にとって、これから面白いものが見れるという期待感があり、ワクワクするようなコンテンツだったと思います。

あくまで自分の記憶ですが、高校生になると徐々に見る回数が減っていき、大学生になった時点では、見るものは限られていましたが、まだ見ていたと思います。社会人になってからはほとんど、見る機会はなかったと思います。ただ、結婚し子供ができてからは、朝や晩リビングでは妻がTVをつけていました。それで見ることはあっても、自分から自発的にはほとんどテレビを見なかったと思います。(ワールドカップだけは地上波で見ました)

ただ、私自身、動画のコンテンツは好きなので、YouTube、Netflix、primeVideo、Huluなどは今でも見ています。それこそガラケーからスマホにシフトしたようにいつの間にか自然にシフトしていました。

正直なところ内容の面白さに関しては、今のテレビを見ていないので、どちらが面白いのかわかりません。むしろテレビの方が番組作成はプロがやるので、YouTubeよりも面白いのかもしれません。ですが、自分の好きな番組、出演者、企画内容、チャンネルなどを検索して好きな時に好きなデバイスで視聴することができるYouTube、Netflix、primeVideo、Huluなどの方が圧倒的に利便性が良く、自分にとってメリットが多いと感じます。

ただ、テレビにはテレビの良さがあると主張する方もいるでしょうし、そのことについては理解できます。私も音楽の再生方法がレコードからテープ、CD、MD、MP3、配信サービスというように変化してきた今でもたまにレコードを聞いたりします。(ただ、これは私の場合は特殊で、学生時代にTechnicsのターンテーブルを購入し、趣味でmixtapeを作ったり、スクラッチなどターンテーブルを楽器のように扱う遊びをしていました。なので、たまにレコードを聞いたりする機会があります。)

確かにレコードにはMP3にはなっていない曲もたくさんあり、レコードしかない曲もありますし、音に関しても(音の良さがそれほどわかる方ではありませんが、、、)テープやCD、MP3に比べたら良いと感じます。ですが、正直なところ普段の生活で音楽を聞くだけなら、SpotifyやApple Musicです。つまり、レコードは少数派で大多数はそうではない、、、少数派の人間にしかささらないようなサービスはどんどん廃れていっているのが現実です。その良さもわかるので、悲しいですし、残念ですが、ほとんどが時代の流れとともに変化したり、サービス終了になっていると思います。

テレビがその位置まで来ているとは思っていませんが、いずれそうなる可能性はあるのかなと思います。ただ、テレビ業界のテレビ局などはかなりの資本を持った大企業ですので、そうならないような対策や改善、対応であったり、新しいサービスも展開していて、簡単にそのような状況に陥るとも現時点では考え難いです。

まとめ

正直、「オワコンと思うか思わないか」なんてことは、人それぞれですが、個人的には、まだ、「テレビは終わったコンテンツだ」とは言い切れないと思います。確かにピークは過ぎているのかもしれませんが、実際に人気のあるサービスやドラマなどありますし、まだ視聴者もかなりの数存在します。

今後テレビがどうなっていくのか、テレビが動画を見る際の選択肢としてどこまで残るのかは、今後を見ていくしかありませんが、個人的にはテレビに頑張ってほしいと思います。

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