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ものづくりの出発点
By 株式会社ノースウッドデザイン 森 浩基
デザイナーへの出発点
「お前はバカだからデザイナーにでもなれ!!」
高校3年の時の担任の先生からの一言がデザイナーへの出発点だったと思います。
香川の片田舎の工業高校で、化学者を目指しての日々。得体の知れない溶液を使っての実験では作業服がドロドロに溶けるという失敗をし、混ぜてはいけない薬品を混ぜてしまって、ものすごく臭くなってしまったり…。こいつをこのまま化学工場なんかに就職させてしまうと、街を吹っ飛ばしてしまうような重大なことをやりかねないとう先生の予知能力と、子供の頃から絵を描くのが好きだったということで、無事に現在デザイナーとして暮らすことができております。
その当時は私もデザイナーという仕事がよくわかっておらず、家に帰ってお母ちゃんに「俺、デザイナーってやつになるわー」と言ったら「デザイナーって何じゃー」と言われましたけど。今回はそういった自分のデザイナーへの出発点について語らせてもらおうと思います。
ウルトラマンとの出会い
子供の頃、ウルトラマンやら怪獣が大好きでした。本屋さんに置いてある「怪獣怪人大百科」という本が欲しくて欲しくて、でもその本、結構高くて、こづかい月300円の身分ではとても買えません。それならそれで自分で作っちゃえ!ということで、大学ノートに自分で描いた怪獣の絵を並べて自家製「怪獣図鑑」を作りました。3冊くらい作った覚えがあります。
文明の利器「ビデオデッキ」フル活用
まだビデオデッキというものが普及していない頃で、デッキ本体が50万円くらい、30分テープで5,000円くらいしたでしょうか、かなり高価なものでした、でも我が家にはあったんですね~!なぜかって実家、電気屋さんでしたから…。
5時からの再放送の「ウルトラセブン」を録画し、一時停止ボタンで映像を止めて、怪獣やら宇宙人やらを模写し、その後、大学ノートに清書するということを飽きもせず、テープがノビノビになるくらい何百回も繰り返してましたねえ。どんだけ暇やねん!といった感じで、何でそんなことに夢中になっていたのか、今となっては自分でも理解できないわけですが、でも、ものを作る楽しさの出発点は明らかにそこだったんでしょうね。
ものづくりという天職
その後、なんやかんやあってデザイナーという仕事をしているわけですけど、子供の頃から好きだった『ものづくり』で食っていけるなんて、こんな幸せなことはないんじゃないですか。「お前はバカだからデザイナーにでもなれ!!」数十年前、吐き捨てるように言われた先生の言葉に感謝ですよ。
でも、仕事となると苦しいことや逃げ出したいことは幾度もあるわけですけど、そんな贅沢言ってはいけません。じゃあ、他に何ができる?デザインしかできへんやんかー!化学者にはもう戻れない。
株式会社ノースウッドデザイン
大阪南港ATC10階で、グラフィックデザインを中心にイラストの制作、写真撮影のディレクションなどをしています。
お客様のジャンルは問わず広く浅くをモットーにやっております。https://www.northwooddesign.co.jp