梅酒を代表するメーカーとしての意地。「チョーヤフーズ」が挑む梅の新たな可能性
「さらりとした梅酒」や「ウメッシュ」、「紀州」など、梅酒専門の酒メーカーとして知られるチョーヤ梅酒。「チョーヤフーズ」は、そんなチョーヤ梅酒の食品部門を担うグループ会社。こだわりの梅を使った飲料水やゼリーなどを展開し、上品な旨味と爽やかな酸味が織りなす、透き通るようなおいしさが自慢です。そこには、チョーヤグループがひたむきに取り組んできた、梅への揺るぎないこだわりがありました。
安全安心の国産梅を求めて
1914年、葡萄栽培農家からスタートしたチョーヤグループ。当初は葡萄を原料としたワインやブランデーをつくっていましたが、次第に日本特有の文化や伝統に沿った商品づくりへと移行。日本の家庭でつくられていた梅酒に着目し、1959年に世界最高品質を誇る日本の梅との出会いを経て「蝶矢 本格梅酒」を発売し、現在の梅酒トップメーカーとしての地位を築くに至りました。
「ちゃんとした原料で、ちゃんとつくるということに真摯に向き合っています」と話すのは、大阪商品計画を担当する品質管理室の長谷川豪宏さん。使用する梅は、和歌山県紀州産の南高梅を中心に国産梅のみに限定。さらに、梅農家とともに減農薬や有機栽培など良質な土づくりから栽培に取り組むことで、安全安心で健康にも留意した梅、および梅酒づくりを続けています。
品質管理室、長谷川豪宏さん
「農協さんを通じて農家さんの元に出向き、『なるべく農薬を減らして栽培していただけませんか? たとえ見た目に美しいものができなくても、チョーヤがすべて買い取らせていただきます』とお願いをし、安全安心な梅づくりに携わってきました。長い年月をかけて農協さんや農家さんとの関係性を築いたことが現在にもつながっています」(長谷川さん)
代表取締役、金銅利則さん
「梅はもちろん、砂糖もアルコールもすべてオーガニックでつくった梅酒もあります。その分コストもかかりますが、あえて手に取りやすいリーズナブルな価格設定にし、チョーヤの想いが伝わればと考えています。ですので、正直“商い”というより“趣味”のような商品が多いんですよ(笑)」(代表取締役・金銅利則さん)
梅のおいしさを最大限引き出す
リピーターも多い、チョーヤフーズの主力商品
「梅の実」や「うめ実ごろ」は、チョーヤフーズの中でもとくに人気の高い商品です。砂糖とアルコールで1年間じっくりと漬け込んだ梅の実をまるごと詰め込んだもので、梅酒の梅ならではの独特の香気と、噛んだ瞬間にじゅわりと溢れる旨味たっぷりの汁がたまりません。
食品添加物を一切使用せず梅と砂糖のみで作った果汁入り飲料「梅しぼり」をはじめ、梅にとことんこだわった商品をラインナップ。梅酒製造のノウハウを生かして抽出した梅果汁を贅沢に使い、上品な香気と爽やかな酸味、ほの甘い口当たりを叶えています。
添加物一切なしの「梅しぼり」
「当社で飲料に使用している南高梅は、一般的に流通している青梅とはまるで違って、桃を思わせるフルーティな香りが特長です。管理が難しく市場ではほとんど出回っていない特別な梅になります」(長谷川さん)
専門メーカーとして梅に向き合い続けているからこそ実現できる、この味とクオリティ。「食品添加物に頼らずに梅のおいしさを引き出すには、梅自体の特長をよく知って、その個性を生かす方法を追求することが大事です」という長谷川さんの言葉が、胸にすとんと落ちます。
とっておきの材料で作る贅沢な梅シロップ飲料
梅は昔から健康食材として知られ、「三毒(水毒・食毒・血毒)を断つ」ともいわれて重宝されてきた歴史があります。大阪商品計画への参加は、そんな健康食材である梅の存在をもっと身近なものにし、多くの人に知ってもらいたいとの考えからです。
「新商品は、和歌山県産完熟南高梅と本グラニュー糖だけを使った“梅シロップ飲料”を、と企画しています。この梅シロップを世に出すことで、梅がまるで桃のような甘い香りをまとうことを、改めて多くの人に知っていただけるのでは」(長谷川さん)
さらに、新商品への取り組みをきっかけにしてチョーヤフーズとしての視野をぐっと広げ、梅の持つ可能性を探っていきたいと金銅さんは話します。
「梅を研究し、まだ知られていない梅の持つ力を発見し、健康的な暮らしのために提供していくのが我々の使命だと考えています。そのためには、梅のいろんなおいしさを世の中に広めていくべきだと思います。チョーヤフーズという、食品を取り扱う会社として、梅をキーワードにいろいろな味わいや楽しさを幅広くお届けしていきたいですね」(金銅さん)
食品というカテゴリーで、梅を多角的に表現するチョーヤフーズ。大阪商品計画で開発する新商品を一助に、サステナブルな取り組みも含めて広めることで、国内果実全体の発展へとつながるに違いありません。
チョーヤフーズ株式会社
大阪府羽曳野市駒ヶ谷129-1
072-950-2000