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困りごとを笑顔に変える「fromaooo(フロマオ)」。障がい者も介助者も快適なチュニックで業界に新たな価値観を


障がいのあるお子さんのいる内田英津子さんが、もっと使いやすく、見た目にも自然なスタイができないかと考案した「スタイチュニック」。まるで洋服のような気軽さで身につけられるとあって、お子さんはもちろん、嚥下障がいを持つ多くの方々に大好評です。「fromaooo(フロマオ)」では、内田さんの介護にかかわる気づきから生まれた困りごとを、笑顔に変える商品を提案しています。

違和感なく使えるスタイを作りたい

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内田英津子さん

病気や障がいのため、年齢関係なくよだれが出る方がいます。口周りが汚れるほか洋服もぬれ、放置すると不衛生でもあり、よだれ対策は頻繁に行わなければならない介護のひとつです。内田さんは、そんなよだれ対策がもっと快適にできないかと考え始めます。

「娘が幼児の頃は赤ちゃん用のスタイで対策できましたが、年齢が上がるとスタイは違和感があります。そのため、嚥下障がいのある多くの人はタオルを首もとに当ててよだれ対策をしていますが、タオルがずれていないか、下に落ちていないかと常に気にかける必要があって、介護者にとってかなり負担なんです。それに、タオルを当てた姿は見た目にどうしても気になる。とくに、娘が18歳になり特別支援学校の卒業式を迎えるというとき、スーツを着用しているのに首もとにはタオル、というのが違和感で…。どうにかして違和感なくよだれ対策ができないかと考え始めました」。

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もともと、車椅子に取り付けて動きをサポートするベルトなど、自分が使いやすい介護用グッズを考案してきた内田さん。一度思いついたら行動は素早く、お子さんが生活介護施設に行っている時間を利用して、よだれ対策グッズ製作に取り掛かります。

「よだれが目立たず肌触りのいいものをと考えながら、試作を繰り返しました。実際に家や学校、生活介護施設で使って、まわりの人にも意見を聞き改良する中で、現在の『スタイチュニック』が出来上がったんです」。

普通の洋服に見えて機能性もしっかり確保

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試行錯誤の上に出来上がった「スタイチュニック」

「スタイチュニック」は、スタイ部分とチュニック部分が分かれているのが特長。それぞれ重ねて一緒に身につけることで首もとまでをカバーしながら普通の洋服にも見える、重ね着チュニックスタイルを実現しました。またスタイ部分には中に布を入れ込み、水分をしっかり受け止められるように工夫。スタイとチュニックがずれないようにスナップボタンを付け、ワンタッチで留められる仕様にしています。基本的にはスタイ部分でよだれを受け止め汚れたらスタイのみ交換する仕組みですが、チュニック部分でもよだれが受け止められます。さらに、動きをさまたげないように脚のつけ根あたりの絶妙な長さに仕上げています。そして何よりのポイントは、介助者が簡単に脱ぎ着させやすい構造にこだわっていることです。

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「首回りが大きく開き、脱ぎ着が楽々です」と内田さん

「障がいの度合いによっては腕が上げられない人もおられ、服を着るだけでも重労働です。そういった方にも負担なく脱ぎ着してもらえるよう、頭や脇部分の空きを自由に広げられるようにし、頭からかぶるだけで簡単に着られる構造を考えました」。

出来上がった「スタイチュニック」は、内田さんの周りの介助者からも「こんなアイテムが欲しかった!」と大好評。作ってほしいという意見もたくさん聞かれ、個人単位で販売するようになります。さらには、家族でアメリカに数年間住んでいた際につながった現地のコミュニティの方々からも応援の声が続々と届くように。そんな声に後押しされ、「スタイチュニック」の特許・意匠登録を経て、本格的にブランド化。「fromaooo」として事業をスタートさせることになったのです。

多くの人の悩みを笑顔に変えるものづくり

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現在すべて手作業で1枚1枚丁寧に作り上げる

大阪商品計画で企画しているのは、そんな「スタイチュニック」をもとにした新たなデザインのよだれかけです。特許を取った構造はそのままに、布や形にバリエーションをもたせ、より幅広いラインナップで展開していく予定。さらには、障がいを持つ人だけでなく、四十肩などさまざまな理由で腕が痛くて上がらない人に向け、簡単に着られるロング丈チュニックも製作しています。

「このような製作販売を進める中で、いろんな方から少しずつ相談が寄せられるようになっています。最近では、自閉症で感覚過敏のお子さんのいる親御さんから『子どもがどうしてもマスクをつけられなくて悩んでいる』、とのご相談をいただきました。どのようなマスクだったらつけてくれるだろうかと考え、形や素材を工夫して布マスクをお作りしたところ、なんと朝からマスクをつけて出かけてくれるようになったのだそうです! 今ではご家族みなさんで使っていただいているんですよ」。

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薄くて軽く、閉塞感を軽減したオリジナル布マスク

「障がいを持つ人のための商品は現状ほとんど選択肢がなく、ほかのものを代用して間に合わせていることが多いです。そうではなくて、機能的で見た目にもすてきで、本当に欲しいと思えるアイテムをどんどん増やしていきたい。障がい者を中心にものづくりを考えると、結果的に幅広い人が使いやすいものになると思うんです」。

さまざまな悩みに一つひとつ丁寧に対応し、ものづくりを通して笑顔に変えていく。そして、障がい者や介助者すら気づいていない潜在ニーズも見つけながら、介護業界に必要なものを生み出していく。内田さんの革新的なものづくりは、まだ始まったばかりです。

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詳しくはこちら

fromaooo(フロマオ)
(株式会社DEPENDA内)
大阪府枚方市車塚1-1-1 輝きプラザきらら6F


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