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コーカサスが呼んでいる!
TRANSITという雑誌を購入した。
TRANSITとは毎号、世界の様々な国や地域を掘り下げて特集し、その魅力を伝えている雑誌の名前だ。
その掘り下げ方は旅行的な観点もあれば、政治、時事問題、エッセイのようなクリエイティブな記事まで多岐にわたる。
私も毎号買っているわけではないが、エリアの選び方と表紙に添えられたキャッチコピー、その後ろに堂々とある写真のセンスが好きで衝動的に買ってしまうときがある。
今回、衝動に駆られたのはなんでだったろうか。
自分がのんびりとnoteを書きはじめ、仕事でもWeb記事を書きはじめ、文章というものに触れはじめたからかもしれない。
好きな雑誌でプロがどんな文章を書くのか気になり、ビビッときたテーマのTRANSITをクリックした。
購入したテーマは「TRANSIT62号 コーカサスが呼んでいる!」だ。
だれか伝わる方いますか、、、この絶妙なくすぐり方、、、
まず「コーカサス」というエリアを、知っているようで知らない。
名前と大体の地理はわかるけれど、旅した時にどんな魅力があるのか、何が見れるのかは正直全くわからない。
そんな未知たるエリアが、私を呼んでいる!というのだ。
「未知なるコーカサスを旅しよう!」だったら、つい購入ボタンをクリックしていなかったかもしれない。
分かりそうで分からない、でもきっとバイブスの合うカルチャーが潜むエリアが、能動的に私たちを呼んでいる。
そんな誘い文句につられ、購入ボタンをクリックした。
読者がそのエリアに持つ魅力やイメージを、的確な文章とクリエイティブで表現しているのがTRANSITが絶妙たる所以だと思う。
その中で、印象に残った記事がある。
今から20年前、とある人が一枚のコーカサス地方の写真に魅せられて、その景色を実際に見るためにコーカサスを旅するというエッセイだ。
その記事の写真たちが、行ったこともない国なのに懐かしさを感じさせるものだった。
秋の季節だったらしく、全体的にオレンジっぽい光に包まれていた。西日らしき光が入って、コーカサスの人たちの日常生活を照らしていた。
太陽光の陰影でくっきりと見える手や顔の皺が、日本のどこかで見た光景と重なるような気もする。
家具や食器はヨーロッパとも中東とも取れるデザインで、まさにコーカサスの立地を表している。ただ東アジアに近いとはいえ、顔立ちや文化にアジアの香りはあまり強く感じなかった。
記事では筆者が20年越しにコーカサスに再訪し、当時旅を支えてくれた人たちに会いに行く様子も書かれていた。
20年の間に情勢はかなり安定し、経済的にも発展してきたらしい。
20年前に出会った大学院生は、時を経て立派な自然派ワイナリーの経営者となっていた。お互い20年分の近況を話してながらワインを飲み交わし、また20年以内に会おうと約束したという。
そんな人の記憶と地理学的な事実を織り交ぜながら、1つの作品を作り上げているTRANSITはとても素敵な媒体だ。
そして発展途上国に20年越しに訪れるとは、どのような気分なのだろう。
タイムスリップしたような気分になるのだろうか。
もしかしたら私にとって、それがフィリピンになるかもしれない。
年々すごい勢いで経済が発展しているこの国も、20年後は日本や韓国のような雰囲気となっているのだろうか。
他の本でも語られていたが、日本や韓国の文化・技術を取り入れるだけでなく、独自の文化をもって発展していってくれたら嬉しい。
おこがましすぎる話だけど、そんなことを思いながら今日もジプニーで出勤する。