スタートアップファクトリー代表・鈴木おさむさんに株式会社オリゼの魅力を聞いてみた!
「SMAP×SMAP」「めちゃ×2イケてるッ!」「いきなり!黄金伝説。」など数多くの超人気番組を手掛けた鈴木おさむさん。2024年3月31日に32年続けた放送作家を引退し、スタートアップを応援するファンド「スタートアップファクトリー」を立ち上げました。実は、私たちオリゼもその出資先のうちの一つ。おさむさんはなぜオリゼに出資してくれたのか!?ということで、オリゼの魅力、期待することを広報が小泉代表と取材してきました!
おさむさんのファンドがtoCに限定している理由
ーー私たちオリゼもtoCの会社ですが、おさむさんのファンドではtoCに振り切ると言い切られています。それはなぜでしょうか?
鈴木:toBだったらもう上手い人がたくさんいるし、toCのファンドが少ないことは起業家たちから聞いていたんです。だったらそこに対して自分にしか見えないものをやりたいなと。元々、テレビでずっとエンタメを作ってきて土壌もありましたからね。
小泉:“エンタメ”って聞くとつい音楽とか映画とかそういうものだけかと思っちゃってたんですけど、おさむさんからしたら僕らの“麹”というコンテンツもエンタメに捉えられている側面があるんですね。
鈴木:(エンタメは)側面というかむしろメインですよ。
僕は金スマや林修先生の番組でダイエット特集とかたくさんやってきたけど、例えば「りんごダイエット」なら「りんごダイエット」について、頭のいい視聴者を納得させるためにまず徹底的に調べあげるんです。そして、報道の法律を守った範囲で伝える情報を真剣に精査する。エンタメって結構アカデミックなんです。
ーーたしかにそう聞くと、バラエティ番組の制作と企業の事業を成長させることには共通点がありそうです。
おさむさんが若者を応援したいと思ったきっかけ
ーーちなみに、中でも「若者を応援したい」「スタートアップを応援したい」と思われるのに何かきっかけはありますか?
鈴木:きっかけは2011年にサイバーエージェントとドラマ「私のホストちゃん」で一緒に仕事をしたとき。衝撃を受けたんです。その時のプロデューサーが20代前半の女性。しかも、数億円と売り上げを立てている。テレビ業界ではありえないことでした。
その仕事を機にお相撲さんやホストの人たち、業界の違う若者とたくさん話すようにしました。自分の知らないことを若者にたくさん教えてもらうのが面白くて心地よくて、テレビ業界の人と飲みに行かなくなりました。笑
広報&小泉:笑
鈴木:自分も40代になった頃、踊る大捜査線を作った本広克行さんに言われたのが「僕らがこれからやらなきゃいけないのは応援だよ。」って。なるほど!人を応援するって感覚は今までなかったけど、それって技術も要るし面白いかも!って。それを言ってもらった時からずっと“人を応援する”っていうことが頭にチラッとありました。
鈴木:そして2011年、僕のオフィスの地下のフロアが空いていることを知ったサイバーエージェントの谷口達彦くんに「シェアオフィスにしたらどうですか?おさむさんの性格からして、多分合ってる。」と言ってもらえて、面白そう!と思ってやってみた。そうしたらどんどん若者が訪ねて来てくれて、彼らと向き合うようになっていきました。
ーーなるほど。シェアオフィスから始まったのですね。そこからどのように出資、ファンドの設立に至ったのでしょうか?
おさむさんがファンドを設立した経緯
鈴木:あるとき、シェアオフィスのメンバーで合宿をしたんです。そこで僕が出資してみようという話になった。そこから横の繋がりでその話を知った人たちが「僕らにも出資してくれませんか?」と続々と現れた。
また別の機会でサイバーエージェントの出資イベントに参加することがあって、本格的にこれは面白い!ってなったんです。
そして、放送作家を辞めると決めた後、スタートアップの人たちと話す中で「ファンドを本気でやる気はないですか?」と言われ、ファンドの立ち上げを決意しました。
ーーまさに、おさむさんの著書『仕事の辞め方』にも座右の銘としても紹介されていた「40代からは縁の円を増やす」を見事に体現したエピソードですね。
おさむさんの健康観・発酵観
ーー勝手ながら放送作家を引退された理由の一つに“健康”が関係しているように感じられたのですが、おさむさんの健康観についても聞かせていただけますか?
鈴木:元々健康に対してはすごく無頓着だったんです。それが、上京したとき、友だちからもらったベッドにいたダニをきっかけにアトピーを発症してしまい…。そこから自然療法やら漢方やらいろいろ試すようになりました。
でも20代、30代の頃は寝ないで仕事をしていたんです。そうしたら肺が悪くなったり、不摂生が続くとどんどん身体が悪くなっていったんですよね。体重も増えていったし、アトピーも時折ストレスでものすごく酷くなってしまう。自家感作性皮膚炎っていう病気にもなって、全身に黒いブツブツもブワァ〜っと出ちゃって。とにかくいろんな病気になりました。
ーー想像するだけで辛いです…。
鈴木:そんなとき、金スマという番組の中でタニタのダイエットを夫婦でやったんですよ。1日1500kcalの食生活を1ヶ月続けました。そしたら15kg痩せたんです。
広報&小泉:ええええ〜!!!
鈴木:その時に何を感じたかというと、身体に入れるものと健康の関係ってハンパないなって。それからいろんな病気も良くなってきて。1ヶ月間は毎食番組のスタッフさんがお弁当を届けてくれたので徹底した食事管理をしていたわけですけど、それが終わった後、ファストフードとかを食べると身体が反応して受け付けなくなったんです。
ーーいや〜、身体って本当にすごいですね。
鈴木:それからしばらくして妊活することになりました。奥さんから「精子検査に行ってほしい。」と言われて。そしたら僕の精子に問題があったんです。鍼の先生にも「あんたが悪いよ!」って言われました。喫煙とか肥満とかストレスとか、不妊の原因になる不摂生にほとんど該当していた。なるほど〜と思ってそこから妊活のことも調べて、自分の身体に入れるものってすごく大事なんだなということを学びました。
ーーおさむさんは著書『僕の種がない』の中でも「男性不妊」を描かれていましたね。
鈴木:そういうこともあって発酵には関心を持つようになりました。うちの奥さんは健康的なことが好きで家で麹を仕込んでいるし、味噌汁はよく食卓に出ます。甘酒もすごく飲みます。風邪を引きやすいので、特にしょうが入りの甘酒はよく飲みます。
ーー奥様が麹や味噌汁がいいと言われているのはYouTubeでも拝見しました!
鈴木:あとは林先生の番組でも味噌がいいって聞いてて、麹が身体にいいのは知っていたんです。でもオリゼはそれを甘味に使っているっていうところがすごく新しい。面白い。オリゼの店舗で出してる甘酒スムージーなんかも罪悪感がなくていいってうちの女性マネージャーも言っていたし、新しい味の素みたいな存在になる気がしています。
ーーおお〜!(嬉)
鈴木:今まで自分の健康にも向き合ってきたし、テレビの世界でも健康番組ってたくさんやってきたので、麹って世の中への変換の仕方がたくさんあるんじゃないかと思っていますね。
小泉:本当におっしゃるとおりで、麹って古き良きもので本質的なものなんだけど、形や訴求を変えてまだ届いていない人に刺さるポテンシャルがあるなと思ったことが私のこのオリゼという会社を始めた原点なんです。
オリゼへの出資を通して創りたい未来
ーー最後に、オリゼへの出資を通して創りたい未来について教えてください。
鈴木:世の中、美味しいから食べる、身体にいいから食べる、どっちもあると思うんだけど、美味しいものと身体にいいものがトレードオフだったりすることもあるわけで。
そんな中で麹の甘味で美味しくて身体にいいって可能性を感じたんです。
ーー嬉しいです…!ちなみに具体的にはどのような可能性を感じられていますか?
鈴木:例えば、スタバとかにソイミルクって普通にあるでしょう?そういう感じで麹の甘味料も選択肢になるんじゃないかなって。砂糖、はちみつ、麹、みたいに選べるようになったらいいなぁって。
ーーそれすごくいいですね!
小泉:同じ発酵食品のコンブチャだと、アメリカとかだと当たり前のように飲まれていて、マーケット全体でも1兆円くらいあるんですよ。
鈴木:おお〜、それはすごいね。
小泉:そんな感じで麹も一つの選択肢としてが日常に溢れる世界にしていきたいです。
鈴木:僕それでいうとすごく覚えていることがあって、40年前、中学1年生の時に社会の先生に「日本も水を買って飲む時代になるからな。」って言われたんです。その時代にまさか水を買って飲む人なんかいなくて、お金を出して買うのはジュースかお酒くらいだった。つまり、たった40年でそのくらい文化は変わったんです。
ーー衝撃的です。
鈴木:豆乳だって今や当たり前に飲まれてるけど、最初出てきた時は不味くて「何これ!?」って感じだったし、20年くらい前に出てきたアルコールフリーのビールも最初は「アルコールが入ってないビールなんか誰が飲むんだよ!?」って笑う人も多かったけど、今は普通に選択肢の一つになってる。文化っていうのは20年くらいでガラッと変わるんです。もっと短くても変わっている。
だから麹が代替甘味料になるってことは絶対的な可能性としてあると思うんだよね。
ーーお話を聞いていると、本当にいつかスタバで「甘麹で」と選べる日が来てもおかしくない気がします。
鈴木:あると思うよ。10年、いや5年以内にそこを狙っていこう。
ーーおさむさんがオリゼに大きな可能性を見出して出資してくださったことがよくわかりました。近い未来で米麹由来の「オリゼ甘味料」をインフラにできるよう、オリゼ一同もっともっとがんばります!おさむさん、お話聞かせてくださりありがとうございました!(聞き手:オリゼ広報yuki)