チームの「居心地」について
あなたは、自分の属しているチームの居心地を良いと感じているだろうか。
居心地が悪いと、余計な心配が増えたり、このチームのためにやろうというモチベーションも湧きづらかったりして、パフォーマンスは低下する。
反対に、居心地のいい環境も、場合によっては「ぬるま湯」になって、成果を出すという観点では必ずしも良いこととは言えない。
今回は、そんな「居心地」について考えてみようと思う。
元にするのは、下記のブログ記事。
ブログのほうは、わりとかちっと書いているけれど、こっちはゆるっとテイストを変えて書いてみようと思う。
クリエイティブなチームには、居心地の悪い要素が欠かせない
居心地が良すぎるチーム、悪い言い方をすれば「馴れ合ったチーム」は、決められた仕事を淡々とこなす分には、全員がリラックスしながら業務に向かえるので、そんなに悪くない。
しかし、問題は壁にぶつかったとき。
今までのやり方ではうまくいかなくなってきた。
新しい方法や製品を生み出す必要性が出てきた。
こういうとき、課題解決をするためにはクリエイティビティを発揮しなければならない。
ものすごく簡単に言うと、新しいものを生み出すためには、物事をさまざまな視点で考える必要がある。
さまざまな視点で物事を考える最も簡単な方法は、考え方や立場の全く違う人の意見を聞くことだ。
だから、クリエイティブなチームであるためには、必然的に自分と全く違う角度で物事を見る人、全く違う立場の人が混在していることになる。
気が合う相手≒共感できる相手
一般的に、気が合う相手というのは、思うことや考えることが近い、つまり共感できる点が多い。
上に書いたような、馴れ合って居心地が良すぎるチームは、共感できる相手ばかりである確率が高い、ということだ。
「そうかな? 自分と違う物事の考え方をする人って、話していて楽しいし、勉強になるけど」なんて意見もあるかもしれない。
一理ある。
しかし、日々顔を合わせて、一緒に仕事をしていくとなると、これがけっこう大変だ。
職場などで、こんな不満を抱くことはないだろうか。
①あの人、ふわっとした話ばっかりで、全然具体的なプランに落とし込んでくれない
②この会議、枝葉末節の話に終止して、本質的な話し合いができていない」
③あいつ、周りの人に気を遣ってばっかりで、話に筋が通ってないんだよね
④あの人の言ってることは正しいのかもしれないけど、人の気持ちを無視しすぎじゃない?
きっと、多くの人が1つか2つくらいは「あるある」と感じるのではないかと思うが、「あるある」と感じるポイントは、けっこう人によって違うのだ。
ここに「共感できる相手かどうか」の境目がある。
つまり、①と②は抽象思考派の人と具体思考派の人が、③と④は理論派の人と人情派の人が、それぞれぶつかり合う不満ということだ。
ここが合う相手は「気が合うな」「話していて楽だな」と感じるし、一致しない相手だと「なんか噛み合わないな」となる。
そして、チームで考えると、同じタイプの人が集まっているとコミュニケーションが楽で居心地もいい反面、物事の考え方や得意な領域が偏ってしまい、新しい課題に向き合うときにどん詰まりになりがち、ということだ。
居心地がよくて、クリエイティビティも発揮できるチーム
じゃあ、どうしたらいいのか、という話だ。
居心地がよすぎると課題解決ができなくて、課題解決ができるチームは居心地が悪い。
しかし、居心地が悪いとメンバーのパフォーマンスは落ちる。
では、どこから手を付けるか。
まず、人の思考スタイルを変えるのは、とても難しい。
経験を積んで色々な角度から物事を考えられるようになることはあるが、一朝一夕で身につけられるものではない。
だから、「居心地が良いけど偏ったチーム」の偏りを解消するよりも「仕事は回るけど居心地が悪いチーム」の関係性を改善するほうのアプローチを考えたい。
そうすると、必要なのは「お互いの違いを認めあって、尊重する」という、なんとも道徳的でつまらない(ように見える)結論が導かれる。
ただ「違いを認め合う」と言っても、「人は人、自分は自分」と割り切っておしまい、という話ではない。
まずは、「他人と自分とでは、物事の見え方も解釈も全く異なる」というのを、徹底的に自分の頭と心に刷り込むこと。
これができれば、予想だにしないコミュニケーションが発生しても、無用な不快感や怒りが沸かなくなる(少なくとも、僕はそんな領域に達していない)。
続いて、他のメンバーがどういうタイプの人なのかを知ること。
「この人は、どんなふうに物事を見て、何を重要視するのか」を、客観的に見る。
それに対して抱く「そんな見方をしたら〜〜がうまくいかないじゃないか」とか「◯◯よりも××のほうが重要だろうに」とか、そういう思いは一切無視する。
「こういう人である」を、ただ受け入れるのが大事だ。
もちろん、あなたにはあなたの考えがあるので、「こういう人である」ことに対して思うことも出てくるだろう。
しかし、果たして自分だけで、「この人」が「こういう人」として生きることの楽しさとか、生きやすさとか、そういうことをすべて想像することができるだろうか。
基本的には、他の人の人生や感情なんてほんの一部しか想像できないので、そこに対してネガティブな感情を抱くこと自体、馬鹿げていると思ったほうが良い。
この境地まで来れれば、「合わないストレス」をグググッと抑えることができる。
反対に、「この人」が「こういう人」であるがゆえに、向いていそうなこととか、任せてみたいことを考えてみる。
あるいは、本人と話して、どんなことが得意なのかを聞いてみる。
その過程をチーム内でぐるぐる回して、繰り返していくことで、クリエイティビティが生まれるのだ。
結局、人間関係だよね
ここまで書いてみて思うのは、これだ。
人間関係の上手な人は、他の人を受け入れるのがうまい。
他の人の言動に、いちいちケチをつけたり、イライラしたりしない。
それはきっと、投げやりな意味じゃなく、「人それぞれ」というのをよくわかっているからだと思う。
そして、それをチームビルディングに昇華すると、「強みの相互理解」や「適材適所」につながる、ということなのだろう。
テーマが少し逸れたようだけれど、「居心地」でまとめるとするならば。
単に居心地の良い場にいたければ、「近い考え方・価値観をもった人の近くにいよう」。
居心地の良いチームで成果を出したいなら、「他人と違うことを理解して、まずは他人を受け入れよう」というところに落ち着くか。
他人は変えられない以上、チームづくりにおいても見直すは自分なのだぁ、と気づきつつ、それもまた時間がかかりそうだと遠くを見るのでありました。
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そんなこんなで、ブログにも来てくれたら嬉しいです。