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発達障害の眼科検査 ASD編

今回は以前からフラグ立てていた、発達障害児の眼科検査に於いてのコツだったり自分なりの工夫だったりをようやく紹介したいと思います!
障害の特性に合わせた検査をする事で意外とスムーズに出来たり、こんな事もできたのか!って言う気付きになると嬉しいです。
なお、知的障害が無く比較的トラブルを起こす事が少ないLD(学習障害)児については書けたら書くっていうスタンスなのでご了承ください🙇‍♂️
手始めに今回はASD(自閉症スペクトラム)の子どもの検査について書いていこうと思います!
ASDに関しては下記の記事でおさらいして頂けると幸いです。


<ASD児の特性>

①「場慣れ」「人馴れ」に時間が掛かる

ASDの特徴の1つに年齢に比べて極端に新しい場所や人に対しての恐怖心があると言う点が挙げられます。例えば検査室に入れなかったり、極端に検査を嫌がったり、ずっと泣いてたりなど…皆さんもそんな子ども見た事ありますよね!?
先入観は良くないですが予めASDと分かっている場合は無理をせず、出来る検査だけをして何回か通院してもらい、場所や人に慣れてから少しづつ出来る検査を増やしましょう。

また、【見通し表】や【絵カード】も有効です。
予め検査する項目を絞って見通し表を使って、待ち時間に検査の順番を説明します。ぼくは1つの検査が終わったら絵カードに花丸を付けて渡してあげています。そして診察後に受付で回収します。この方法で検査全体の見通しが立つと共に検査への意欲が増すため、不安が減って検査自体が受け入れやすくなっています。

自作の見通し表(レフ→視力→眼位の順)
自作の絵カード(レフはハンディor据え置き)



また、恐怖心に関してですが、カバーテスト時は遮眼子や手のひらではなく【手の甲】や【指先の裏】を使います。
目の前にいきなり得体の知れない黒いブツや見知らぬ大人の手のひら出されてみて下さい。

絶対怖いです☠️


特に手のひらは触れられるかもしれない怖さがあるので、必ず必要最低限隠れるだけの手の甲を使います。被験者が顔のデカいオッサン(ぼく)なので上手く指先の裏で隠れていないかもしれませんが参考画像です。

遮眼子の場合❌
手のひらの場合❌
手の甲の場合🙆‍♀️
指先の裏の場合🙆‍♀️
小さい子どもの場合は上からで🙆‍♀️


②フラッシュバックについて

ASDの特徴にフラッシュバックがあります。一気に全部の検査を終えようとして無理に押さえつけたりすると、ほぼ確実にフラッシュバックを起こし、次回の検査や診察でギャン泣きの大騒ぎで何もできなくなります。恐怖体験が鮮明な画像の様に記憶に残るのです。
少し逸れますが、この子達には

嘘をつくのも絶対にNGです!

例えばレフの時に「中に誰がいるかなぁ〜?」とか、視力検査時に「最後の1個!あ、出来たね!?じゃあもう1個!」なんてやってませんか!?

この子達は言葉をそのまま額面通りに受け取ります。そんな子達に嘘を付いたら不信感に繋がるだけで協力は得られません。

これはASD児に限った話ではありません!子どもの検査をするからには絶対に意識すべき点です。

③こだわり

初回の検査の順番に強く拘り、毎回同じ場所で同じ順序じゃないと検査をしてくれなかったり、激怒したりする子もいます。
常勤先の一般クリニックでも何名かASD児を抱えていますが、その子その子に合わせた検査順序があります。そのルーティンは施設で共有すると良いと思います。
また、視力検査でも通常はランドルト環字ひとつや絵視標を用いると思いますが、どちらかが出来てどちらかが出来ない、あるいはどちらも出来ないのに数字視標やひらがな視標だったら出来る等のケースもあります。ラ環はダメでも数字ならイケるって言う子は比較的多い印象です。

④感覚過敏

以前記事にしましたが↓↓↓


ASDの子は聴覚過敏や触覚防衛反応を持っている子が多い
です。特定の音、特にレフの音を嫌がったり、そっと触りれたりするのを嫌がる子が多いです。また、他の子どもが高い声で泣いたり叫んだりしてるとパニックになって耳を塞ぐ子もいます。出来れば他の患者さんのいない時間帯や、空くのを待って検査をするといいでしょう。常勤先ではその旨了解を得て混み合っている場合は検査室が空くまで待ってもらってます。
また、触覚防衛反応の対策ですが、レフの時に触れる事が多いと思います。この時、指先だけでそっと押さえる様に触れると防衛反応が出やすい為手のひら全体と胸を使って面で固定する様にすると触覚ではなく圧覚となって防衛反応が出にくくなります。
どうしても2人がかりでないと厳しいですが、そこは保護者の方に固定の仕方をお伝えし、協力してもらってます。

指先で押さえる場合=触覚
手のひら全体と胸=圧覚


<今回のまとめ>

以上、さらーっとですがASD児に関て、ぼくが意識して行っている検査手技というかコツというか何と言うか…です!
繰り返しになりますが、これは別に障害の有無に限った事ではなく、低年齢で理解度の低い子どもにも有用だと思っています。
既に実践されている方には不要だったり、もっとあるよって内容だったかもしれませんが、今回はこの辺りで…
次はADHDの手法に関して書いてみようと思います!
ではまた👻

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