障害児向け視能訓練士 でし丸

障害児の視覚支援に興味がある視能訓練士です。 普段は街の小さなクリニックで勤務してます。 様々なリハ職との連携を取りたくて、また知識も技術も経験も無いので成長記録として見て下さい🙇‍♂️

障害児向け視能訓練士 でし丸

障害児の視覚支援に興味がある視能訓練士です。 普段は街の小さなクリニックで勤務してます。 様々なリハ職との連携を取りたくて、また知識も技術も経験も無いので成長記録として見て下さい🙇‍♂️

最近の記事

どうして眼鏡をかけてくれないのか?

今回は少し趣向を変えてぼくなりの疑問と言うか、普段から感じているどうにもならない難しさについて書いてみようと思います。 サムネの通り感覚過敏を有する子どもに於ける眼鏡装用についてです。なお、今回は年齢を視覚の感受性期内と限定した上で書いていきます。 感覚過敏については以前の記事をご覧下さい↓↓↓ <どうして眼鏡が必要なのか?>これは視能訓練士の皆さんなら即答だと思いますがズバリ、屈折矯正の為と弱視治療の為が多いと思います。中には視覚過敏でサングラスが必要、羞明が強く遮光眼

    • もうすぐ、月が変わったら書きます… 今は少し忙しいので…

      • 症例紹介③ASDの男の子

        今回も症例紹介ですみません! ネタ切れなのでご容赦ください☠️ 今回ご紹介する子は2年位前に初めての眼鏡を処方した今年11歳になる自閉症の男の子です。 自閉症スペクトラム(ASD)に関してはまた以前の記事をご参照下さい↓↓↓ 検査のコツも書いてたりします↓↓↓ 今回の来院理由は学校検診で引っかかったとの事です。左右共に裸眼Bとの判定でしたが、この子、2年前に処方した眼鏡がB)S-1.50Dの近視です。裸眼でBも出るか!?てのがまず最初の疑問でした。この子の親御さんもぼく

        • 症例紹介② ADHDの女の子

          今回は久しぶりに書く上に症例紹介です。スミマセン💦 皆さんも外来で出くわしやすいADHDの子ですが、今回は男の子ではなく女の子でした。 しかもバイト先ではなく常勤先の一般のクリニックでの出来事です。 ADHDの特性については過去の記事をご参照下さい。↓↓↓ この様に、一言でADHDと言っても何が優勢の型なのか、また混在しているのかで対応が変わってきます。 今回の女の子は待合室での様子を見ていると(めちゃくちゃ暇な時に来られたので保護者の方が問診票を書いている時間に観察して

          固視目標について

          今回は発達障害児への眼科検査の延長上と言うか、小さい子供の眼位検査には必須のお供について、自分なりの拘りを書いてみたいと思います! 皆さんそうでしょうが、近見で使用する固視目標には拘りがあると思います。 ぼくもめちゃくちゃ拘ります。 やはりそれは 【光る】【動く】【音が出る】 の3要素に集約されてくるかと思います。 ぼくが好んで使っている1軍たちはこれです! 少し上の年齢の子たちに使う物から紹介します! まずこれは女の子用です。 完全に自分の趣味です…すみっコぐらしもい

          発達障害の眼科検査 ADHD編

          前回のASD編に続き今回は外来で出くわすことの多い(?)ADHDの子どもの検査について書きたいと思います! ADHDは問診票やお薬手帳にその薬(コンサータ、インチュニブ、ストラテラ、ビバンゼ)が書いてあれば確定と見ていいですが、比較的その傾向が強いけど診断付いてないなぁ…でもそれっぽいよなぁ?て子にも通じる内容で書いてみます! ADHDについては過去の記事でおさらいをお願いします🙇‍♂️ 以上の様にADHD児は3つのタイプに分けられます。多動の子は比較的すぐに分かるかと思い

          発達障害の眼科検査 ADHD編

          発達障害の眼科検査 ASD編

          今回は以前からフラグ立てていた、発達障害児の眼科検査に於いてのコツだったり自分なりの工夫だったりをようやく紹介したいと思います! 障害の特性に合わせた検査をする事で意外とスムーズに出来たり、こんな事もできたのか!って言う気付きになると嬉しいです。 なお、知的障害が無く比較的トラブルを起こす事が少ないLD(学習障害)児については書けたら書くっていうスタンスなのでご了承ください🙇‍♂️ 手始めに今回はASD(自閉症スペクトラム)の子どもの検査について書いていこうと思います! AS

          発達障害の眼科検査 ASD編

          発達障害と知的障害の関係

          久しぶりに書いてる気がします… 今回はタイトル通り、発達障害と知的障害の違いや重複する点について纏めようと思います! 知的障害についてはまた今度詳しく書こうと思うので、その概要程度に留めます。ご了承ください…🙇‍♂️ <知的障害と発達障害の関係>いきなりタイトル文のまんまです! この2つの関係性についてまずは整理しようと思います! 🌱知的障害の定義 発達期までに生じた知的発達の遅れにより、社会生活への適応が困難になっている状態のこと 🌈発達障害の定義 生まれつきの脳

          発達障害と知的障害の関係

          感覚過敏とASDについて

          前回は視覚に対する過敏性を持ったアーレンシンドロームについて書きました。今回はその続きと言っては変ですが、感覚過敏について書いてみたいと思います! この分野は視覚に関する研究はある程度あるのものの一貫した結果が得られておらず、どちらかと言うと神経回路が明確且つ評価法も確立されている聴覚についてのお話が多くなりそうなのでご了承ください🙇‍♂️ <感覚過敏とは!?>感覚過敏とは病名ではなく障害特性を表す言葉です。DSM-5に改定されたASDの診断基準に含まれるもので、その中核症

          アーレンシンドローム

          今回は【光】に対して過敏性があるために、一見するとディスレクシアと混同されがちですがそのメカニズムが違うアーレンシンドロームについてご紹介しようと思います。 アーレンシンドロームはまだ比較的新しい病態であり詳しい研究が進んでおらず、何をもってアーレンシンドロームと見なすかすらも難しい所であります。この記事では簡単ではありますがその概要や症状、一般の眼科でできる事について書いていこうと思います! <概要>アーレンシンドロームは他にもScotopic Sensitive Syn

          ビショントレーニング(セラピー)その④ 最終回

          さて、長々と続いたビジョントレーニングについてのお話ですが、今回でやっと終われそうです。今回はぼくの主観的且つ個人的な意見で締めて行きたいと思います! <ビジョントレーニングの有効性> 確かに、ある一定数の発達障害児に対しては有効性が認められそうです。特にADHD児やLD児に対しては写字が良くなったとの報告があります。 しかし、それはあくまで論文ベースの数字であって、研究に上がって来ない潜在的な総数を考えると疑問が残ります。簡単に言うとビジョントレーニングで成果が出たから

          ビショントレーニング(セラピー)その④ 最終回

          ビショントレーニング(セラピー)ガチ考察③

          ~前回までのあらすじ~ ビジョントレーニングは発達障害児にとって有効な面があり、その手法は眼科での斜視や弱視の訓練とも被る様なものがあったとさ👍 さて、今回はビジョントレーニングの中のより眼科的な応用と言うか、実際に眼球と脳を使ったトレーニングであるNSUCOと言うものに着目したいと思います!これについては論文も何本か出ていました! ではお勉強の開始です🔔 <NSUCOとは>Northeastern State University College of Optometr

          ビショントレーニング(セラピー)ガチ考察③

          ビショントレーニング(セラピー)ガチ考察②

          前回はビジョントレーニングが発達障害児に有効性があると言うお話でした🧐 今回は予定を変更して、まずはビジョントレーニングの実際の種類についてご紹介してみようと思います! <ビジョントレーニング大分類>1.眼球運動トレーニング 2.視空間認知トレーニング 3.眼と手の協応トレーニング この3つの大きな分類の中で、更に細かく分類されています。1つずつみていきましょう。 <1.眼球運動トレーニング>これは更に3つに分類されます。これを読んでいる視能訓練士の方にはお馴染みの用語で

          ビショントレーニング(セラピー)ガチ考察②

          ビショントレーニング(セラピー)ガチ考察①

          <概要> ⚠️今回は文献からの引用と要約が長いです!お時間がある時にお読み下さい!⚠️ ビジョントレーニングとは「見る」機能を高めるためのトレーニングを指します。文字を書くときにマス目からはみ出してしまう、本を読むときに読み飛ばしてしまうなどの場合「見る機能」に困難を抱えている可能性があります。 ここで言う「見る機能」とは主に「視知覚」と言われるもので、眼科用語と言うよりは心理用語なのかなと解釈しています。 ビジョントレーニングは1970年代にアメリカのオプトメトリストによ

          ビショントレーニング(セラピー)ガチ考察①

          Rett Syndrome(レット症候群)

          どうも、でし丸です! 今回は以前は発達障害として扱われていたものの、原因の特定が進んだ事で現在は発達障害とは別カテゴリーになったレット症候群について書きます! レット症候群、聞いた事ありますか!? ぼくは今年の3月頃にその患者さんの検査をさせてもらう事になり初めて知りました💦 その時すぐに帰ってから調べたのですが、臨床所見とご本人の特徴がバッチリ一致してて驚いた記憶があります。 それでは今日もお勉強の時間です! <概要>レット症候群は1966年にオーストリアの小児精神科医

          Rett Syndrome(レット症候群)

          トゥレット症

          前回チックについて記載しましたが、その中で少しだけ触れたトゥレット症について今回はお話ししようと思います。 皆さんはトゥレット症って聞いた事ありますか!?実はぼくは初耳でした💦 チックについて調べているうちに出会った疾患です。と言うか、チックの延長線上にあると言っても良いかもしれません。ASDやADHD、SLDに比べて知名度が低い印象ですが、これも発達障害の1つです。 <概要> トゥレット症候群とは、「チック」と呼ばれる特徴的な運動や音声が自分の意志とは関係なく突然現れ