見出し画像

#ハマった沼を語らせて B6小説同人誌と装丁の話

こんにちは、B6同人誌のオタクです。B6同人誌を今年も作っています。

2025年がはじまって約2ヶ月ですが、同人誌が11冊届きました。どういうことやねんと思われる方がいるでしょう。自分の中の感覚的には「しょうがないな」と思うのですが、色んな方からやばいと言われるのでやばいのだと思います。

3月に届く同人誌の数は今から数えてみても8冊ぐらいある気がします。変だな………。
(同じ本文データ、同じ仕様によって印刷所の比較をしようというアイデアを実践しているため実質的にはもっと少ないのです。印刷所が違うだけです)


B6同人誌になんでハマったんだっけ?

このnoteはそのために書いているわけですが、結構不思議です。わたしはそれまで文庫本やA5や新書を作ったことはあります。それぞれ3回程度……? 多分そのぐらい。(記憶があやふや)

その時にも「いい本ができた!」とニコニコしていました。B6という選択肢がなかったのは、当時に作りたかった本がカバー付きがいいだとか予算的にページ数を減らしたいとかの理由があったためです。

B6の本というサイズとの出会いは他の方が作った同人誌でした。今でこそ商業本でも見かけることはありますが、ハッキリと「B6で作られた本」という認識をえたのは同人誌からでした。

手に取った瞬間から馴染みがよく「なんでこんなに読みやすいんだろう?」といろいろ考えた結果四六判の単行本に近いからだ! と納得しました。

自分がそれまで単行本(ハードカバー本)を好んで読んでいたために、B6の馴染みの良さは自分の中でも異様なほどでした。

その作家さんの作品の内容もすばらしく、装丁もとにかくこだわって作られていた本でした。今までふんわりと認識していた特殊装丁という概念が自分の中で「こだわって楽しく作る本」に変わった瞬間です。装丁って増やしていいんだ! の概念。自分の中で確固たる「理想」となりました。

「理想」が手元にあるというのはとても心強いです……! 向こうはオフセット本、こちらはオンデマンド本という大きな隔たりはありましたが、憧れの作家さんと本の理想に近づけるようにずっと頑張っておりました。

頑張った結果が2ヶ月で同人誌11冊なのですが、ページ数的にはあまりないためぎゅっと掴むとそれほど多くはありません。

さて。前置きが長くなりましたが、B6同人誌と装丁という理想が自分の中に産まれました。

理想に近づけられるように自分の努力は惜しみません。しかし、その時のわたしは知りませんでした。B6同人誌の特殊装丁は修羅の道であったことを――。

〇〇をやりたい! A5やB5のみだよ!
→ほかの印刷所チャレンジ!
〇〇をやりたい! 文庫や新書のみだ!
→印刷所あきらめクエスト発生!

もうずっとこんな感じで調べていました。B6同人誌を作り始めたばかりの頃は、印刷所が書いてないことに対して「できますか?」と聞くのが怖いし恥ずかしいしで全くできなかったのです。
(印刷所に聞いてみたら、意外とB6でもできるときもありました。できないと断れる時もあります)

ただ、おかげで印刷所の基本オプション内でB6同人誌の特殊装丁をやれるところを言うのだけははやくなりました。
B6同人誌にするため、特殊断裁を依頼するやり方も覚えました。SNSなどでB6同人誌必要な人がいます! と声を上げることも覚えました。
(新しいセット内容にB6がない! と叫んでいたらその日のうちに対応されていた。感謝しかなかったので本を作った)

ここから下はこれまで作った同人誌たちから特殊装丁どこでやったの、を解説する記事になります。よろしくお願いします。

こちらの記事でもまとめている装丁の話なので重複しているところもあります。すみません。

ここから先は二次創作BL、夢小説本の表紙が出てきます。CP名も見えます。見えてても大丈夫! という方だけどうぞよしなに。

同人誌紹介編

スピン付き同人誌


ブロスで本を作るぞ! 絶対スピンつけるぞ! と決めていた本です。アートポストにクリアPP、美弾紙ノベルズという形なのでまだ大人しい時期でした。
依頼をしていたのになぜか凄いスピードで本文が完成してしまった本でもあります。懐かしい。

写真が下手ですね。許してください……。なれてない頃だった……。

表2・3印刷

ブロスで作った本です。
ここでは表2・3印刷がオプションに出てこなくて(自動見積もりにはある)見返し印刷として頼むべきかなあと思ったら 印刷所の方から「表2・3印刷もできるよ! 安いよ!」と誘導された本でした。その説はありがとうございます。

こちらもデザイナーさまに依頼した本です。奥付などの事務ページも依頼しているためずっとかっこいい。

ジャパンナレッジのオタクなため、ジャパンナレッジ活用したぞ! をしたくて表2・3印刷を追加でつけたという余談があります。

ブロスにはお世話になりっぱなしです……。

水引本


みんな大好き(??)水引本。プリントキングで両方作ってもらいました。
2枚目の画像の期間限定のハート水引本まじで……まじで可愛いので今だけだからみんな作ろう……。表2・3が定型デザインで選べるよ……!

特色印刷

特色印刷(白、銀、金、蛍光ピンクなど)本をいろいろやっているのですが、蛍光ピンク1色オンリーはまだかも。

くりえい社 / い織り藍にホワイト印刷
プリンパ / クラシコトレーシングにホワイト印刷
オレンジ工房 / ビオトープミッドナイトブルーにゴールド印刷
しまや出版 / キュリアスマター トリュフブラックにホワイト印刷
日光企画 / アストロブライトストロングピンクにホワイト印刷
緑陽社 / OKムーンカラーホワイトにホワイト印刷
プリンパ / スタードリームルビーにシルバー印刷

\うわーホワイト印刷がいっぱいー!/
自分でもびっくりしています。性癖がよく分かりますね。ホワイト好きなんですよ。

白い紙に白印刷の本をやろうとすると中々紙の相性だとか、そもそも特殊すぎて印刷所に依頼するのにも備考欄にしっかり書いておかないといけないだとかあるのですが。楽しいですね。

和綴じ、トムソン加工(カッティング加工)

トムソンというと窓のイメージがあるのでこの使い方もどうかとおもったのですが まあいいや、と出します。

栄光で印刷しました。
B6の和綴じをやれるところが少ないと思っていたのですが、プリントオンやプリントキングもやれると有志の方から教えていただきとても嬉しい気持ちでいっぱいです。あかつき印刷さんにもいつか頼みたい。

和綴じでもアーチ型レースカットできるのだろうか? とおそるおそる入力したのですが無事でした。ありがとうございました!!

この本は貼り見返しもカットしてもらったバージョンですが、カットしないのも選べるらしいです。作ろうか迷っている方にお知らせしておきます。

厚盛ニス

メタル特殊紙にニス盛りってすごく可愛い大好き~~!
栄光に依頼した本です。タイトルの日本語と英語がズレているのがお気に入りです。ニスだと被っててもデザイン的に大きな問題にならないところがいい。
白押さえがあると白印刷が軽率に追加できるのもいい。また白印刷の話をしている……。

小口染め、小口印刷

おたクラブ / 小口印刷
プリントオン / 小口染め
DIY例① 万年筆インク
DIY例② スタンプパッド


ちょっとまだ依頼の途中なため、天金加工について出せないのですが オンデマンド10部で見積もりを出したら意外と安く済みそうだったのでまた今度やってきます。
(記事にもする予定です。3月から4月ぐらいには)

それは置いといて、小口で遊ぶのが好きです。自分で小口染めやマーブリングもして、どれが一番好みにあっているかという検証もしたのですが(バーサマジックで押すのがDIYでは好きです)印刷所に頼むのもいいよね~~。
小口染めを印刷所に頼んだとしても本文に滲んでしまうのですが、疑似小口染めを色刷で行うことによってその滲みをカバーするという実践が2番目の写真です。うまくいきました。

パチカカバー

プリントオンの本です。
変形カバーにする予定が数字をミスして入力したのはわたしです。申し訳なかった。

本来予定していた変形カバー本


思ったよりもカバー下のデザインは見えないですね! そしてパチカってなかなか切れない。自分で裁断するの大変だった……。アートポストたちって切れやすかったんだなあと感動。

おまけのクラフトパンチ比較写真。左がパチカ、右がアートポストです。パチカって切るの大変……!! 印刷所の変形断裁やレースカット加工には頭が上がりません。

カバー付き

本体 緑陽社, カバー おたクラブ


サファイア全面箔+シルバー箔
ダイヤモンド全面箔+レッド箔
ルビー全面箔+シャンパンゴールド箔
アクアマリン全面箔
オニキス全面箔
カバー,本体 おたクラブ
カバー,本体 しまや出版

いいよねえ、カバー付き。パチカカバーも入るんですが、パチカって独特なのでこの記事の中ではわけました。
B6同人誌にセットでやるという企画はありませんが、オプションとしてつけられる印刷所も多いため助かります。
セットになると大体は文庫か新書までなので、B6で欲しい時には単体でそれぞれ依頼するかオプションとして追加料金支払う感じになります。一昔前のわたしはここで挫折していました。

緑陽社の本につけているのはおたクラブの全面箔ブックカバーです。全面箔+箔押しブックカバーも追加したので写真を追加しました。
次の本はクリアカバー、しまや出版のはトレーシングペーパーのブックカバーです。それぞれ趣があってよき。
ふつうのコート紙などのブックカバー本をそういえば作ったことがない、と思い立ったため6月のイベント用にはブックカバーつけることにしました。楽しみ!

箔押し

ホープツーワン / 空押し(100cm²)
ホープツーワン / リフレックスピンク箔(50cm²)
おたクラブ / ホロクリアーレインボー箔(50cm²)
プリンパ / ホログラム箔シルバー(アイス)(200cm²)

まだ届いてない本も多いため写真が少ない。すみません。
パチカカバーの加熱型押しが150cm²にあたるため、だいたい50~200までが分かりやすい気がします。軽率に箔押しをしよう、みんな!

箔押しはいろんな印刷所でやれますが、サイズ的にどこを選ぶかって難しいよねえ。
ホープツーワンの本に関しては印刷所の公式お知らせが見やすいのでこっちで見てほしいです。写真によって色味が全然違うね……。

B6でそれぞれ3mm内におさめたうえでの全面箔押しするには200cm²必要ということが分かりました。表1と表4両方にやるにはお金がかかる+2回分の箔押しをしなければならないのでまたいつかやりたいです。
断ち切りあり(裁断される3mmの外にも箔押しをする)の場合には250cm²必要そうでした。でかいなあ。
いつかスタブとかに依頼するしかないかなあと思います。もしくはツクヨミ。

本文白印刷

しまや出版 / 色上質赤
くりえい社 / 色上質黒

本文白印刷って……軽率に可愛い………! そもそも特色印刷でのホワイト印刷率の高さからばれるかと思いますがわたしは白印刷がとにかく好きです。

別の記事にまとめていますが、B6で本文を白印刷した本を7社分比較するためにセット売りします。B6にこだわりがあるため、A5などは除外です。

依頼をかけているのは
おたクラブ、くりえい社、サンライズ、しまや出版、西村謄写堂、プリントオン、ホープツーワン
です。

ラインナップがやばい。西村にはわざわざ見積もりを依頼しました。ありがとうございました。意外と安くてびっくりしています。

本文色刷り

おたクラブ 
オレンジ工房
オレンジ工房
プリントオン

プリントオンのだけ、本文の写真がなくて「あれ!?」をしました。
青系の色刷が多いですね。青い特殊紙が使えない分、本文で取り戻そうとしていますね。赤など使わないわけじゃないのですが、いい感じの写真がありませんでした。

おたクラブの疑似小口染め回は「ぼかしを演出したい!」と作ったページです。いい感じにもっとしてあげればよかったかもしれません。

キンマリよりはタブロの方が色刷が可愛くてよく使ってしまいます。
オレンジ工房はそもそもセットで単色色刷を選べるためよく利用しています。
色上質に色刷は軽率に2色が綺麗に出てくるため推し装丁のひとつです。データ作るのも楽だし。


フランス製本

同人誌ではフランス製本。もっというとがんだれ製本。
B6で印刷所の基本セットにあるところということで選ばれたのはプリントキングでした。早割りのおかげでめちゃ安い……。

ぺらぺら開いちゃうの防止でリボン結んでました。可愛くつくれた時の1枚。

PP加工いろいろ

プリントオン / クリアPP
くりえい社 / マットPP
おたクラブ / ベルベットPP
オレンジ工房 / ホログラムPPクラックドアイス

マットPPのオタクなのにまともな写真が少なかったです。悲しいね。
DIYするうえではクリアPPの方が使い勝手がいいのですがマットPPが好きです。
今年は和紙PPやざらまっとPP系をやりたいなーと思います。どこかで作ろう!

まとめ

B6同人誌での特殊装丁っていろいろある……! というのが伝わったでしょうか。
いろんな印刷所でいろんな遊びができます。もちろん、特殊装丁をやっていなくてもいいのですが やっていると面白い本ができます。
お金がないときにはDIYという手もあります。頑張れば意外となんとかなるものだ……。

B6同人誌はいいぞ。いいぞ……!! 本当によろしくお願いします!!!


この記事が参加している募集