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#35: こんなときだから♪昭和歌謡


ダウン・タウン・ブギウギ・バンド:港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ(1975) 作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童

#29 -35のテーマは「不自由は発明の母ー制約から生まれた音楽」。

「歌詞がすごすぎて,メロディーちっとも浮かばねぇぇぇ!」

昭和歌謡のゴールデンカップルと言えば阿木燿子&宇崎竜童夫妻。山口百恵のほとんどのヒット曲はこの二人の手によって生まれました。

本日お送りする曲「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」。
ある男がある女を探しに横浜・横須賀にたどり着く。男は女と接点のある人々の証言を頼りに女に近づいていくー。その証言者のセリフがそのまま歌詞となった歌なのですが,宇崎はこの阿木の歌詞の出来栄えに興奮したそうです。そして,すぐに作曲にとりかかったそうなのですが……。

冒頭のセリフは,またまた家主の妄想ですが,メロディがまったく思い浮かばなかったのは事実だそうで。しかし,人間,追い込まれてからが勝負。悩んで考えてたどり着いたのが,歌わなくていい! つまり,全部,そのまま語ってしまえ! と。

そして,タイトルの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」しか歌わない曲が誕生しました。ギターのリフだけで永遠と語る,というスタイルは,一見「歌わない」という制約のように感じますが,これは逆の発想。見事,制約に落とし込むアイデアで不自由から自由を得た作品だと言えるでしょう。

じっくり聴くと,歌謡曲を逸脱した世界観に圧倒されます。ちょっとしたドラマを見ているかのような気分にさせてくれる歌です。

いつまでこの生活が続くのか…….もしかしたら,私たちは迫りくる大きな変化に抗えなくなるかもしれません。しかし,不自由と自由は背中合わせ。「不自由は発明の母ー制約から生まれた音楽」のテーマでお送りしてきたアーティストのように,制約からポーンと軽やかに自由になるようなアイデアでワクワクしながら生きていきたいですね。

今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!


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