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《有料、冒頭試読》【ロッテ球団73年考察/(18)-投手-「交代完了とセーブ」抑えの73シーズン歴代ベスト10】

(写真)左・歴代通算セーブトップ、連続試合セーブポイント日本記録の小林雅英、右・シーズンセーブ、通算完了数トップの益田直也

(18)「交代完了とセーブ」抑えの73シーズンベスト10

 日本プロ野球の歴史上、長らく投手は「先発・完投」が理想であり、「リリーフ」は格下と扱われてきた。そして、エースは先発完投を目指しつつ、チーム状況によってはリリーフに回るという登板を続けてきた。例えば、初代最多勝の荒巻淳は初年度は48試合に登板し、19試合に先発、16試合で完投し、完了も27試合だった。1960(昭和35)年の小野正一も67試合に登板、22試合に先発、13試合で完投、完了39試合という登板内容だった。そのために登板過多が負担となり、選手生命を縮めた投手も多かった。
 1970年代に入ると徐々に試合の最後を締める投手が重要視され、1974(昭和49)年から「セーブ」が採用され、抑え投手の重要性が認識された。ただ、そのポジションは現在のように9回1イニングの登板ではなく、6回や7回のピンチに登板し、ピンチをしのいで最後まで抑えてセーブが記録されるケースが多く、セーブ数も少ない数での争いだった。そして、その「投手分業制」は1990年代から中継ぎ、抑えと現在の形に徐々に確立されていった。
 今回は、その歴史を踏まえ、抑えとセーブの歴史に触れていく。

【交代完了】
 抑え投手の指標として、現在では「セーブ」が記録されるが、このセーブが記録として導入されたのは、1974(昭和49)年シーズンから。長らくエースが試合を締めることも多く、先発にリリーフにフル回転していたことは前述した。
 それを図る一つの指標として「交代完了」がある。これは、試合途中に登板し自チームの守備で最後のアウトを取った投手に与えられる記録だ。ただ、セーブと大きく違うのは勝敗に関係なく、点差も関係ないことだ。つまり、敗戦処理として登板しても自チーム守備の最後のアウトを処理すれば完了が付与される。
 そのため、本来の「抑え」としての役目を果たせたかは明確に測れないが、73年間のランクを測る指標がないため、まずはシーズン完了数をランキングしてみた。

【シーズン交代完了 ベスト10】

◎現役
◆1位…◎益田直也 67完了 2021(令和3)年 ※NPB100傑1位
◆2位…◎益田直也 56完了 2013(平成25)年 ※NPB100傑19位タイ
◆3位…◎荻野忠寛 55完了 2008(平成20)年 ※NPB100傑24位タイ
◆4位…小林  宏 50完了 2010(平成22)年 ※NPB100傑74位タイ
◆〃 …西野 勇士 50完了 2015(平成27)年 ※NPB100傑74位タイ
◆6位…小林 雅英 48完了 2006(平成18)年
◆7位…◎益田直也 47完了 2020(令和2)年
◆8位…ウォーレン 46完了 1999(平成11)年
◆〃 …◎西野勇士 46完了 2014(平成26)年
◆10位…内  竜也 45完了 2018(平成30)年
※NPB最多、現役最多…67完了 益田 直也 2021(令和3)年

 現役の益田が2021(令和3)年に記録した67完了は日本記録(シーズン最多完了数)である。益田の記録が当然トップ。益田は2013(平成25)年の56完了が2位に、2020(令和2)年の47完了が7位にランクされる。
 3位には2008(平成20)年に55完了を記録した荻野、4位には2010(平成22)年の小林宏、2015(平成27)年の西野が50完了で並ぶ。
 6位には小林雅、8位にはウォーレンとマリーンズ歴代の抑えの切り札が名前を連ねた。そのウォーレンに並んで2014(平成26)年の西野が8位に並ぶ。10位には2018(平成30)年の45完了で内が入った。

 続いて、完了の歴代通算記録のベスト10。

【歴代通算交代完了 ベスト10】

◎現役
◆1位…◎益田直也 348完了 ※NPB100傑9位
   <2012(平成24)~>
◆2位…小林 雅英 347完了 (通算/354完了 ※NPB100傑7位)
   <在籍9年 1999(H11)~2007(H19)/通算11年3球団>
◆3位…荒巻  淳 227完了 (通算/229完了 ※NPB100傑45位)
   <在籍12年 1950(S25)~1961(S36)/通算13年2球団>
◆4位…河本 育之 197完了 (通算/231完了 ※NPB100傑42位)
   <在籍8年 1992(H4)~1999(H11)/通算16年3球団>
◆5位…薮田 安彦 193完了 ※NPB100傑66位
   <在籍通算10年 1996(H8)~2007(H19)、10(H22)~13(H25)>

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