花は生態を変えてまでそこに咲く

先日友人から
「蘭の花は地上に最も遅くに現れた花だった。
だから地上には沢山の花の根が張り巡らされ
蘭の花の根を下ろすところがなかったので　
あのような根になった」　という話を聞いた。
私は　今は亡きシスター渡辺和子さんの著書　『置かれた場所で咲きなさい』を思い出したよの。
私のよく行く施設で両足がない車椅子の男性Sさんを最近気になって遠から見る事があるんだけど　
車椅子ごと壁にドーンドーンって何回も何回も
ぶつかって行ったり　共用スペースの棚をいきなりバーンって開けてみたり
テーブルをコンコンコンコンとずーと叩いてたり　してて　顔を見ても怒ってるとかそーゆー感じではないんだけどね。　
先日は食堂でテレビがかかってて
突然車椅子を押してテレビの真ん前に行ってずーとその番組を観てるのよ。　美味しい食べ物やさんを紹介して作り方を見せてくれる番組だったんだけど。　
聞くところによるとSさんは施設に入る以前は料理人さんだったようなのよ。最初は気難しい人なんだと思ってたけど　挨拶をすると返してくれるし
体が思うように動かない苛立ちから　気難しい言動が現れるのかと思ったらなんとも言えない気持ちになった。　シスター渡辺和子さんだったら
なんと言うだろーか　と考えていたわ。　
置かれた場所で咲きなさい？
こんな何もしなくてもいい環境で？
何も望まれず　自由に動けない体で？　
人と話をするような社交的でもない性格で？　　
シスターは著書の中でマザー・テレサから見聞きしたことを証してくれてたけどマザー・テレサだったらなんと言うかしら。　
もし私がSさんと同じ立場だったら？
ふふっ☺️
私はクリスチャンでもないし　何かの宗教に入ってるわけでもないし　松下幸之助さんような方の会社の社員とかでもないんだけどね。　
信念を持って何かを成し遂げようとする強い心と考えを持ってる人　好きなのよね。
叶うなら直接話を聞いてみたいと思ってるくらい（笑）
　
地上に最後に現れて　根を張る隙間もない環境で
人を魅了するようになった蘭の花のように　今置かれている場所で私だったらどんな花を咲かせる事が出来るかなあって
考えさせられたわ。