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息子。ホテルな病院へ入院する。
息子は、明日の朝一番に控えた手術のため、早々と眠ってしまった。
私はというと、こうして今眠れない時間を過ごしている。
予想はしていた。
あれだ、遠足の前夜に似ている。ワクワクして眠れない、あの感覚。
だが、似てはいるが何かが違う。
圧倒的に不安が勝っている。それだ。
心の中にじわじわと広がるこの感覚の正体は高揚ではなく「緊張」だろう。
手術は無事に終わるだろうか。麻酔は大丈夫だろうか。何か予期せぬことが起こったら……。
静まり返った病室の中で「もしも」と言う名の不安が大きな怪物となって忍び寄る。そして私の心を今か今かと狙っているのだ。
手術前日の今日は朝から入院の手続きで病院へ。その後昼間は、いくつかの診察を受けるため院内をあちこち動き回っていた。明日が手術だということがちゃんと分かっているのか否か、息子はいつもよりたっぷりある自由時間を存分に楽しんでいた。「病室のベッドは僕の城だ」と言わんばかりに、リクライニングベッドを好みの体勢に動かしている余裕ぶりだ。ゲームをしたり、ブロックをしたり、DVDをしたり…。
私よりよっぽど肝が据わっている。
本当にそうならいいのだけれど。
不安を隠すための空元気でないと思いたい。
朝になったら、手術のことを考える間もなく、あれよあれよと準備が進んでいくだろう。きっと私はバタバタと動きながら、必死に平静を装うのだ。
だから、今のうちに決めておこう。
朝、息子が目を覚ましたら、何も言わずにギュッと抱きしめる。
それだけで、少しでも私の気持ちが伝わるといい。
そう思いながら、もう少し眠れない夜を過ごそう。
明日は息子の手術日。アデノイドという上咽頭部分にある肥大化した器官を取り除く簡単な手術を行う。簡単とはいえ全身麻酔で行う手術となるので、本日しっかり麻酔科の先生ともリスクの共有を行なってきた。そんなこともあり不安も増大。そろそろ押し潰される寸前だ。
初診編、検査編と2つ記事を書いて、今回が3つ目となる。
良い機会なので、今素直に感じたことをそのままnoteへ記しておこうと思い始めた記録。気になる方は、前回、前々回の記事もどうぞ。
どうか何事もなく終わりますように。
どうか明日にはこの怪物は消え去っていますように。
それでは皆さま。今日はこの辺で。サラダバー!