
短歌(詩)/真冬の恋は白昼夢
☆湯気を 飲む?
…………ん、いらない
暖かい巣穴
隣のアナタ 眠たげに
飲み物 冷めちゃうよ
欲しいのは 安らぎね
忙しさは 置いてきて
☆もう何年?
連れ添い“ごっこ”で はや幾年
互いに何故か 愛は語らず
☆忙しさに 紛れて君の部屋
雪の景色は 恋の情事も消してゆく 温められた身体は 熱く火照る
☆独身の寒空 隣は空席
かじかむ指を ポケットに
貴方の温もり 想うように
吸う息は 逢いたいよぉ
吐く息は ハァ、寂しいよぉ……
☆ねぇ…
凍える窓を背にして
アナタ不意に キスせがむ
吐息の理由 聞かずとも
熱い声音 心地よく 愛に埋もれ
☆愛しさの
想いの丈を マフラーで隠す
それでも 素直になれぬ恋 罠
貴方は年上
『サヨナラもなく』
君は僕の腕を すり抜けて
雪の結晶のように儚く
冬にまた逢えるだろうか
僕の幼い青 慰めるように
『長い冬』
美味しいね ほっこり
おでんを“はふる” 深夜1時
こんな日常 あと何年よ……?
返事を待つのに 疲れたわ
光るアナタの薬指 憎し
☆アナタと“もぎゅる”雪道を
片手 繋いで滑り歩く
歩きにくいよぉ 白昼夢
(注↑)もぎゅる=雪道を踏みしめる音に例えて「ぎゅっ、ぎゅっ」
『かじかむ妻』
夫の帰りを待ちわびて…
霜焼けになっちゃった~
だから言ったろ帰りは待つな と
早く帰らないのが悪い~!
アンタ 恋女房の手を温めた
☆朝の雪 連れの足跡たどり
共に歩む人生の
歩幅は日に輝きて頼もしく
合わせて歩く2人 明日 結婚式
『春近し靴跡は…』
別れた はずなのに
雪の記憶 残されて
玄関前 アナタと似ている靴跡が
逢いにきて…くれた、の?
足跡は溶けて たどれない
もうすぐ春なのに 未練たらたら
☆寒いから~ と
笑わないって 理由にならない
お前の笑顔が 俺の安らぎ
1度きりの誘惑は 許せ
☆かじかむ寒さ
まだ 手は繋いでやらない
本気じゃないし
私もアンタも 初恋だから
☆目の前の 雪道歩む お答えは
誇らしげな 告白サイン
足跡の返事は
「うん、OK~!!」
☆晴れた冬の 雪道を
太陽を背に 後ろの温もりは
別れたアナタの愛と似て
幻と知る 足取り 私 頼りなく
☆いってらっしゃい~
今晩は アンタの好きな ふろふき大根よ
…………おう!
後ろ姿 はにかんで 愛しく
『新婚』
今晩は何が食べたい?適当はなしよ♪
お鍋が 好きな夫/料理は苦手な私
それでも 寄り道しないで
帰ってくるアナタ
残さず食べるアナタ
何も語らず優しいアンタ
2度目の再婚 私 初婚
昔話は互いに しない
『新入社員の恋』
面倒みの良い上司
やっぱ 少し まずいかな
この想い……気のせいか
恋を隠すも 背中は優しい
ありがとうの バレンタイン
指輪はつけている 知らぬふり
たとえ 空振りでも…
『返事なくても』
あの、これどうぞ……
叶わぬ 想いの運命-サダメ- 渡す
はにかむ笑顔で 2度め惚れ
返事はなくとも 構わない
身体は今宵も 熱く 甘く
側に いなくとも…