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花と恋の短歌-詩-

『ある春の丘で』
桜散り 緑の丘
刈り取られ芝生
残された菫-スミレ-の花 名は可憐
 貴方は夢を描き尖り続けた
若葉 映える 季節は変われど
菫 散らない
貴方のように……

『玉ねぎの恋』
剥いて 剥いて
今晩は キミの作るカレーライス
コトコト煮込んで とろける私
玉ねぎのように 私を剥いて
その中心の 本当に逢いに
涙 流しながら 私を剥いて
玉ねぎのように さぁ
キミのカレー 美味し 美味し……

『マボロシ 金木犀』
この香りは……金木犀?

夕日の丘 窓を開け
微かに匂う花 誘い
まだ見ぬ香りに 憧れを抱いた
あの人のように 惑す香り

私は いまだに
花木の香りを 知らない
見かけたことも 
恋に恋する 幻 金木犀
あの人の香り まだ知らない 

『水 落ちて…』
地獄に堕ちぬように
 一縷の愛にすがる
    地獄の底から
 アナタが垂らす光をつかむ
       愛することは罪か
      アナタの水へ さ迷う
   アナタは愛 輝く魂
  ならば アナタは罪だ
 恋に溺れ 恋に敗れ
それでもアナタの愛へ揺られる
溺れてしまおう 水へ……

『花の名は』
嗚呼、麗しの花娘達よ
6月の初め
様々な花が咲き乱れる中で
各家々に薔薇の花 花

色はピンク 赤 白 
トロピカル風な薔薇も
どれも 本当に美しい
雨降れば 朝の水滴がついて尚

ある日 出逢う
野生に咲く花
素晴らしい香りを放たれ

さぁ、お部屋へどうぞ?
可憐なお人よ 硝子の器へ
もし、アナタ様のお名前を
その素晴らしい香りは何でしょう?

初めて知る
 “ロサ・モスカータ”
     美しく小さな貴婦人


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