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ありがとうの花束を両方の腕に抱えて

今年一年、関わってくださった全ての方々へ。

この一年は本当に辛く悲しい出来事ばかりとなりました。

時には前を向くことすら辛くなり、全てを投げ捨ててしまいそうになる日々がありました。
「どうして私ばかり・・・」そう言いたくても、どこかで自分だけが辛いわけじゃないこともわかっているから、何度も喉の奥につっかえた言葉を顔を歪ませながら飲み込んできました。

もしも本当にひとりぼっちだったら、こうして文章を綴ることもやめてしまっていたかもしれません。
何かしらの理由をつけて、きっとあらゆることから逃げていたかもしれません。

けれどもそうしなかったのは、あらゆる人が、それぞれの言葉で、寄り添ってくれたからだと思います。

そばにいる人からもらった言葉から、目には見えない繋がりまで、本当に多くの方々の寄り添いがあってこその一年でした。
「大丈夫だよ。あなたは一人じゃないよ」そうやって、一人ひとりが手を差し伸べて、時にはぐいっと力を込めて、ワタシを崖の淵から救い出してくれたような気がします。

誰一人としてキツイ言葉ではなく、それぞれの思いやりの花をワタシの腕の中に入れてくれたような気がします。

大丈夫だよ。
辛いよね。
気持ちわかるよ。
一人じゃないからね。
応援してるよ。
何かあったら言ってね。

こうした言葉たちが一輪ずつ腕の中に入れられていき、一年が経過する頃には大きな花束になっていました。
辛い渦中にいる時には、全く気づくことができなかったけれど、振り返ってみてようやく多くの優しさと思いやりに包まれていることに気づきました。

どうやってお返しをしたらいいんだろう。
そう思っても、きっと言葉をくれた人たちは「そんなのいいから、あなたがちゃんとその花を愛でてあげてよ」なんて言って、突き返されてしまうかもしれません。

ワタシはずっと、ひとりぼっちで、孤独で、寂しい人生を送っているものだと勘違いしていたのかもしれません。
きっと大きな花束を抱えていることすらも気付かずに、足元ばかりを見ていたのでしょう。

肩にのしかかる嫌な重さは、下を向きすぎたせいであることを一年を振り返り、ようやく気づけたのかもしれません。

ただもらってばかりだと、やっぱりワタシの性格上どうしても気持ち悪いと思ってしまうから、言葉でいただいたものは言葉で返そうと思います。

この一年関わってくださった皆さまへ

1月1日に起きた能登半島地震発生から、多くの方々に言葉をいただきました。
時にはエッセイを読んでもらい、感想として思いを伝えてくださったことは、ワタシにとってどんな言葉よりも励みになり、同時に勇気をいただくこともありました。
ワタシのエッセイは、自分の体験をもとに書いていることばかりです。
そして嬉しいことよりも悲しいことの方が記憶として残っているため、読んでいる方にもきっと負担にさせてしまった部分もあると思います。

それでも心遣いをしてくださり、時には寄り添ってくださり、そして思いやりの花を贈ってくださったことは感謝をしてもしきれません。

無名の作家にも関わらず、「応援しているよ」「あなたのエッセイは心に響くよ」そう言ってくださった言葉は、ワタシの宝物となり心の中に残り続けています。
辛いことが重なり、時には夢さえも閉ざされてしまった時でさえ、「やり続けてほしい。応援しているから」と言われた時には、一生分の涙を流すほどの号泣をしながら何度も何度もその言葉を読み返したこともあります。

この一年辛いことが重なってはいたけれど、それでも、「一人じゃないんだ」と感じられたのもこの一年だったような気がします。

皆さまにいただいた言葉の花は、少しずつ体を覆い隠すほどの数となり、気がつけば花束となってワタシの心を優しく、そして温かく包み込んでくれました。

今年中に夢を叶えることはできませんでしたが、来年もまた一歩ずつ歩いていけたらと思います。

勇気をくださり、ありがとうございました。
そっと寄り添ってくださり、ありがとうございました。
時には背中をさすり「大丈夫だよ」と声をかけてくださり、ありがとうございました。
当時のワタシの気持ちになって一緒に怒ってくださり、ありがとうございました。
そして変わらずオリエンタル納言を応援してくださり、本当にありがとうございました。

少しではありますが皆さまにいただいた花を、ワタシなりの言葉に変えて、贈らせてください。

言葉には良くも悪くも力があると思います。
心に大きな傷を残すナイフになることもあれば、その傷を癒す絆創膏代わりになってくれることもある。
この令和の時代に、そんな人と人との繋がりを、優しさを感じられたことが、何よりも幸せだとワタシは思います。

皆さまにいただいた言葉を両方の腕で抱き抱えながら、もう少しだけ歩いてみようと思います。
いつの日か文章ではなく別の形で、花束のお返しができるように。

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