ゆめゆめ心地。

春のような気候。ふわふわとした空気、空にはうっすらと、春霞がかかっているようにすら見える。2月。

暖かくなると、身体や心は反応する。人間は自然。生物。むずむずと、身体の奥の方にある感覚と感性が目覚め、にわかに動き出す。

蠢く衝動。春とはかくも華やかで、超然たる美しさ、艶めかしく、絢爛として、騒々しく、色彩に満ち、溶けてしまいそうな程に、甘く、しかし軽やかで不安定、即ち、危険だ。春、という言葉を含んだ「青春」という言葉には、どこか、不安定たる故の危うさ、がにじんでいませんんか。

こんな心境は、ゆめゆめ心地、とでも呼びたい。そう言うと愛らしくポジティブな響きにも聞こえるけれど、いまだに、春が好きなのかそうではないのか、よく分からない。とにかく、春は落ち着かないということだけは、確か。冬からの変化が、劇的過ぎる。どの季節の移り変わりよりも、最も激しく花開く、春。心も身体も一気に「活動」モードへと切り替わる。否応無しに、ある日、それは忍び寄り、「むむ、また、今年も来たか、、」とその匂いを嗅ぎ取ったかと思いきや、心地良いまどろみの最中に突然布団を剥ぎ取られるかの如く、それはやって来る。

春は、生き物の季節なんだろう。抜き差しならぬ、生物たちの生存への希求が、欲望が溢れる季節。

光が、世界を満たしていく。


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